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カテゴリ:無間日記
典型的な「結果オーライ」の一日。
第一ロケ地は日本式の広大な庭園。3日前に下見して、デジカメで写真を撮った。ディレクターにそれを見せたら、気に入らず、昨日は別のロケ地を飛び込みでロケハンした。そこを一日借りよう、という案もあったが、借り賃が高いので、午前は庭園(第一ロケ地)、午後から室内(第二ロケ地)へ移動、と決まった。 ディレクターが第一の方を下見する時間はなくなったんで、実際に彼がこの庭園を自分で見るのは今日が初めてだ。 来てみたらずいぶん気に入ってしまった。わたしのロケハン能力がなかったのだろう。脚本を見てわたしが想像した「絵」と、ディレクターの考えていた「絵」がずれていたらしい。まったく違う地点から違う角度で撮れば「なんだ、いけるじゃないか」というわけだ。 ディレクターはぎりぎりになって台湾から飛んでくる。自分でロケハンする時間はほとんどない。だからこうなってしまうのも仕方がない。 最初から選んでおいた第一ロケ地を気に入ってくれたのはいいが、午後と夜の第二ロケ地(室内)をキャンセルできないかと言い出した。 すでにこの数日、いくつかのロケ地が二転三転してこの構成に落ち着き、午後のやつは夕べ遅い時間に最終決定。その場でFAXを入れて申し込みを済ませた。それまで電話を入れ続けて「キープ」をお願いしてきたわたし。FAXしちゃったら、キャンセルできない。使わなくても100%おカネを支払わなければならないことになっている。 「できない」と突っぱねたらあきらめた。が、撮影してみたら、第一ロケ地、予定より早く済んだ。 【監督の満腹法則】 撮影開始前の監督は空腹な3歳児である。 ----------------------------------------------------- 撮影が進むにつれ空腹感は漸減し、撮影終了時にはすでに別のことを考えている。開始前にあれだけ駄々をこねたことなど、完全に忘れている。LP(ラインプロデューサー)は撮影開始前の監督の要求を絶対に鵜呑みにしてはならない。 ----------------------------------------------------- 第二ロケ地は、これはこれで良かった。2箇所を移動したことで絵変わりも豊かになった。屋内貸切なので気兼ねなくどんどん撮影できた。18時に閉園する公共施設ではないので、たっぷりと撮れた。なんと言っても室内で貸切なので、関係者だけで和気藹々と進行できた。この雰囲気が絵に出たのは大きな収穫だ。 出ていただいた皆さんもいい雰囲気だった。かなりな人数で、役者じゃない人もいたのだが、ベテランの方が盛り上げてくださり、本番撮影中も自然にみんなをリードして、ディレクター、クライアントの双方が満足するものが撮れた。 二転三転してギリギリに決定し、決定後に不安や不満が生じたロケ地構成が、結果的にはベストだった。 途中でどんなに突拍子もない要求を連打していたとしても、「結果的にはベスト」となったその理由は、コーディネーターの助言と気配りによるものだ、などとはまったく思わず、あくまでもそれは「自分がたゆまず要求し続けたからだ」、とクライアントたちは思っているに違いない。 「ロケ地」 ----------------------------------------------------- 「ロケ」は「ロケーション」で「場所」という意味。しかし映像業界ではどうも「野外撮影」という意味で使っているようだ。「ロケ地」は、したがって、「野外撮影場所」という意味になる。一般人の感覚で言うと「ロケ地」は「場所・地」みたいな感じになってちょっと間抜けだ。でもこの間抜けな呼び方がわたしは好きだ。カラオケの背景で歌の最後に小さく「ロケ地:郡上八幡」とか書いてあるとうれしくなる。 ----------------------------------------------------- 明日は5時半起きだ! 〔7月2日午前1時45分述〕 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004年07月02日 22時57分34秒
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