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カテゴリ:優待株について
さて今日はPF概況シリーズです。
284位 9904 ベリテ (東2、3・9月優待)
×××(バリュー株投資家としての評価)~ △ (優待族としての評価)
PF284位は、宝飾品・時計等の小売大手のベリテです。
現在の株価は96円、PBR0.41、株主持分比率は60.5%も利益剰余金マイナス、今期最終赤字予想でしかもこれで5期連続、配当利回り0%(無配0円)です。どこからどう見ても立派な「優待ボロ株」ですが、優待内容だけはまずまずです。1000株保有で3月株主に5000円相当の自社商品券
更に、9月株主に優待カード(10%割引)となります。
この2つまとめてのヤフオク平均落札価格は4000円なので、総合利回りは4.5%(0+4=4円)です。
ベリテは優待ボロ株とは思えないほど(失礼)、接客もいいですし、商品の価格帯も全体に低めなので、5000円あるとかなり色々買えます。具体的に見ておきましょう。
ベリテは前述の通り今期予想も含めると5期連続の最終赤字&利益剰余金マイナス&継続企業の前提に関する重要事象+ と3拍子揃った香ばしい状態のいわゆる典型的な「優待ボロ株」なのですが、たまに突然株価が急騰するいわゆる「ベリテ祭り」があります。
私が以前から思っているのは、ベリテのようなファンダメンタルズ劣悪で優待にしか魅力のないいわゆる「優待ボロ株」投資というのは意外にもパフォーマンスが悪くないということです。優待ボロ株をバルクで多銘柄仕込みPFの片隅に寝かせておくと、業績改善や短期資金の流入で株価が2~10倍になるものが出てきます。当然いつまでもダメだったり死んでしまう銘柄も出ますが、トータルでは利益を出せることが多いんですね。実は、、、、、、、
優待ボロ株には様々な「絶大な効用」があります。
私は以前からそれについて断片的に熱く語ってきましたが、今日はその素晴らしさを以下にまとめて書いておきます。
1. 我々日本人というのは保守的なので、一般にリターンよりもリスクを過大に評価する傾向にある。そのため、
優待ボロ株投資は全体として「ミドルリスク・ハイリターン」になりやすい。
2. 人生にはドラマとスパイスが欠かせない。それは人間心理を極限の形で反映する株式投資の世界では尚更増幅される。優待ボロ株は株式投資が根源的に備えているギャンブル性やサスペンス性をダイナミックに体現しており、それらをPFの一部に取り込むことは、
投資をよりスリルに溢れ、奥深く魅惑的で熱中できるものにしてくれる。
魅力的な遊園地には必ず怖いお化け屋敷がある。ホーンテッドマンションやタワー・オブ・テラーの無いディズニーリゾートが想像できるだろうか?
3. 最悪の銘柄を知らずして、どうして最良の銘柄が分かるのだろうか?
バリュー株投資家の方は、調子の良い時には無敵でも、一旦勝負銘柄でこけるとあっけないほどに精神的に脆くて弱いときがある。
普段からPF内に多数の極悪で札付きの「優待ボロ株」を取り込んでおくことは、「インフルエンザの重症化や罹患期間の遷延化を避けるために前もってワクチンを打っておく」のと同じ効果がある。
日本株式市場の「最大の劣等生&永遠のお猿さん」と揶揄され、蔑まれ続けている我々優待族は、実は優待欲しさに知らず知らずのうちに多種多様な「天然のワクチン」を打ち続ける結果となっている。
だからこそ、優待族はタフで長生きだし、どんな市場環境下でもいつでも元気に楽しく過ごせている。
その一方で、バリュー株投資家の方の優良株のみで構成されたポートフォリオというのは、どこか去勢された不自然な集合体であり、意外にも天変地異や突発的なアクシデントに極めて弱い側面があるのです。「不健康な銘柄を含んでこそ健康なPFである」ともいえると思います。
どうでしょう。こうして見てくると「優待ボロ株」には、今までほとんど語られることの無かったアンダーグラウンドな素晴らしい効用があることがお分かり頂けると思います。ただ、今日紹介したベリテが「個別で見て素晴らしい銘柄であるわけでは全く無い」ことは御注意下さい。
「そうかー、こんな視点はなかったな。」という投資家の方がいらっしゃいましたら、今からでも遅くはありません。玉石混合で妖しく輝く、「魅惑の優待株ワールド」に是非馳せ参じてきて戴けたら幸いです(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 11, 2013 09:02:39 AM
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