テーマ:ワイン大好き!(30387)
カテゴリ:ワインスタンド
先週末のトリアーのハウプトマルクト付近。 朝方は晴れていたのに、昼頃に豪雨となった。3時ころから雲が途切れ、夏の強烈な陽光が照りつけると一気に気温は上昇し、湿っていた石畳がみるみるうちに乾いていった。 ヨーロッパの天候は日本に比べると変化が激しいな、としばしば思う。トリアーは豪雨だけで済んだが、シュヴァルツヴァルドの方ではテニスボール大の雹が降り、かなりの被害があったそうだ。 夕刻、スポーツクラブで軽く汗を流してから町の広場を通りすがると、久しぶりにワインスタンドが開いていた。今年初めてである。例年ならば5月ころには開店しているのだが、今年は史跡修復の資金集めとかで、先週まで市が運営する宝くじ売り場があった。 『1ユーロで新車があたる!』 という宣伝文句とともに、真っ赤なフォードがその脇にいつも停まっていたのだが、果たしてどれだけ収益があがったのかは定かではない。 なにはともあれ、ひさしぶりのワインスタンドである。去年の10月末以来だから、まる8ヶ月ぶりだ。思わず立ち寄ってみると、毎年来ているルーヴァーはヴァルドラッハ村の醸造所のおばちゃんだった。 「あぁ、あんた、こないだはご苦労さまだったね。」さっそく、カーゼル村の試飲会のことを言われた。「打ち合わせの時もカイパーさんはあんたのことを何も言わなかったから、舞台に出てきた時はびっくりしたよぉ。」 「はは、そうだったんですか。とにかく、無事に終わってよかったです。」 と、苦笑いしながら2005年産のリースリング・シュペートレーゼをたのんだ。 先刻までは蒸し暑かったのだが、日差しが傾いて広場を囲む建物の影が伸びるにつれて、吹き抜ける風が涼しくなっていた。よく冷えた軽めの白が、舌になんとも心地いい。 アルコール度は7,8度くらいだろうか。 軽いのに薄くなく、甘口なのにスッキリとして、グラス一杯飲み終えても、アルコールを飲んだ気がしない。酔いが廻るかわりに、ほんのわずかに気持ちが軽く、少しだけ幸せになった。 以前、『癒し系のワイン』というコンセプトを聞いたことがある。 心が疲れた時に飲むと、ホッとするようなワインだそうだが、きっとこういうワインが『癒し系』なんだろうな、と思った。 今日開店したばかりのトリアーのワインスタンド、今年も10月末までの営業で、二日ごとに近郊の醸造所が入れ替わり立ち替わり訪れるそうだ。 夏至をすぎて、ようやく本当の夏が始まった気がした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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