テーマ:ワイン大好き!(30343)
カテゴリ:ワインスタンド
今週のワインスタンド。
前半はザールのアルテンホーフェン醸造所。 ちょっとぶっきらぼうな主人だが、醸造の腕は確かなようだ。 シャルドネとヴァイスブルグンダーのキュベなどキリリとした辛口が好きだったのだが、今年は甘めのワインが多い。2006は赤とロゼしかオンリストしておらず、リースリングは2005か2003。聞けば、2006のリースリングはほとんど売り切れ(!)たそうだ。 とりあえず2006の赤。辛口かと思ったら、けっこう甘い。が、たっぷりとした赤から黒のベリーの甘みでほどよい濃度、調和もとれてなかなか口当たりは良い。残糖分は11g/L前後と言っていたが、感覚的にはもうちょっとありそう。品種はカベルネ・ソーヴィニヨン主体、シュペートブルグンダーにザムトロートが少々。独創的と言えるかもしれない。 「納得出来る辛口赤は難しいんだ...バリックは使いたくても高すぎるし。そこで、果実味を引き立てる甘みをのこすようにしたんだ」と言う。 大きなおなかをゆすりながらヨタヨタとつらそうに歩いているので、最近脚にけがをしたのかと思ったら、吸血ダニ(マダニ, Zecke)の感染症で神経をやられたのだという。1年半位前からだそうだ。完治率は約8割だが、「それでも、100%じゃないんだよな...」と、つぶやく言葉には深刻な響きがあった。 小規模家族経営ながら、生産の約8割が輸出され、そのうち2割強が日本に入っている。輸入元は稲葉だというから、ケスペラヘアー氏経由か。 2005リースリング・カビネット・辛口はこの生産年らしい落ち着いた酸味。ザールにしてはミネラルの出方も控えめで口当たりがいい。 2005リースリング・カビネット・アルテ・レーベンは樹齢80年古木、果汁糖度90エクスレ以上。そんなものをカビネットにして勿体なくはないのか、と聞くと、インポーターがアルテ・レーベンのカビネットをラインアップに希望したのでそうした、と言う。飲んでみると果汁糖度ほどの甘さは無く、ミネラル感と果実感が軽さを持って穏やかに調和している。これでシュペートレーゼだったら、ちょっとがっかりするかもしれない。そういう点では、ザールのカビネットらしさを持っており、好感が持てる。 2005リースリング・シュペートレーゼ・ハルプトロッケン。これまた口当たりのいい、本当にハルプトロッケンか、甘口じゃないのか、と思うほどフルーティな中辛口。酸とのバランスのせいかもしれない。 個人的に一番気に入ったのは、2005のQbA甘口。綺麗な甘みに香草が香り、上品。おすすめできる。 ワインは100%ステンレス発酵だが、海外市場を意識してリースリングは100年前の風景が描かれた銅版画をエチケットに採用する一方、赤ワインなど国内向けは黒地に流麗な金文字が縦に書かれたシックなデザイン。それにしても、8割が輸出されるとはちょっと依存度が高すぎるような気もするが、お陰で経営は順調なのだそうだ。不自由な脚へのささやかな慰めと言うべきか。一日も早い完治を祈りたい。 Weingut Altenhofen Zuckerberg 2 54441 Ayl おまけ。週末のスナップショット。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/08/10 07:46:22 AM
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