テーマ:ワイン大好き!(30386)
カテゴリ:ワインスタンド
週末から雨がちで寒い。土曜日はほぼ一日中雨が降り続いた。これほどよく降った雨は久しぶりかもしれない。日中の最高気温は14度前後、最低気温は6度くらい。すっかり秋である。
ワインスタンドに来ていたのはメーリングのとある醸造所。先週に続きフェダーヴァイザーが出ていた。早熟品種のオルテガで、収穫した時は80エクスレに達していたという。酸は8g/Lくらいだったそうだ。ポリタンクに差したのの字を描いて曲がりくねったガラス管の途中にたまった水が、発酵で生じた炭酸ガスでしきりに揺れていた。 今年の収穫は今のところ、来週半ばにミュラートゥルガウから始める予定だそうだ。先週末の雨で葡萄の粒は水を含み、灰色黴が繁殖しやすく腐敗が広がるかもしれない状況なんだ、と醸造所の主人は心配そうだ。「乾燥して涼しい日が続けば、もうすこし待てるかもしれないが…」という。感覚的には今年は去年よりも肌寒い日が多い。酸度が十分に下がり完熟するまで、醸造家は去年よりも辛抱が必要かもしれない。 彼の醸造所でも、近年は収穫にハーヴェストマシンを利用するようになったそうだ。葡萄樹の列をまたぐようにして走行し、果粒をはたき落として収穫するハーヴェストマシンは、人手で収穫するよりも圧倒的に効率がいいので、人件費削減になる。 「いや、マシンのメリットはコスト削減よりも、収穫に最適なタイミングで一気に収穫出来ることの方が大きいんだ」と醸造所の主人。「急斜面は今も手作業に頼らざるを得ないし。ただ、収穫自体は一年で一番楽しい仕事だよ。チームは近隣の村人ばかりで、長年の顔見知り。跡取りがなくて廃業した元葡萄農民もいる。そんな人達は、葡萄栽培をやめてもやっぱり葡萄畑に名残があるんだね。喜んで来るよ。 作業者は20代の若者から76歳の年寄りまでいて、和気藹々とおしゃべりしながら作業するんだ。昔は早朝から日暮れまで収穫したものだけど、最近は朝9時半から昼3時半くらいまでかな。効率はマシンとは比べものにならないけれど、手作業の収穫は品質の向上にもなるし、これからも変わらないと思う」とご主人。 40歳くらいだろうか、感じの良い人だった。ワインの味はまずまずだったが、それが彼の幸せの味なのかもしれなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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