ここ数日時々小雨の降っていたが、行き帰りのバスの窓から収穫作業が見えた。アフェルスバッハでは葡萄畑の中腹と、オレーヴィヒのペーター・テルゲス醸造所の畑だ。円形劇場跡の近くにある州営醸造所の畑も、収穫済みの区画があった。おそらくベーシックなクラスのワインかゼクトの原酒にするのだろう。

夕刻、思いがけず陽が差したので駅の裏手にあるホスピティエン醸造所の畑へ行ってみると、まだ手つかずであった。ボトリティスが広がり、約1割前後は褐色に染まっていたが、健全な房も多い。クローンによる差なのか、緑の房と金色に熟した房と、褐色がかった金色になった房と、同じリースリングでも色々ある。数粒つまんでみたところ、先週よりもずっとアロマティックだ。酸味はまだ明瞭だが、こうして完熟を辛抱強く待つ醸造所のワインは、ベーシックなクラスから楽しめるものになっているに違いない。

週末はドイツ南西部の天候は回復に向かうが、東部は雨が予報されている。ライン河沿いよりもフランケン、ザクセン、ザーレ・ウンストルートは難しい年になるかもしれない。