テーマ:ワイン大好き!(30386)
カテゴリ:ワインスタンド
夕刻、ワインスタンドに立ち寄った。
2008年産はあるかと8種類前後あるリストを眺めると、シュヴァルツリースリング(ピノ・ムニエ)の辛口ロゼがあった。 淡い桃色でいかにもロゼらしい色合い。アタックの明瞭な酸がフレッシュ。ほんのりと赤いベリーのヒントが快適で、ロゼの勘所を心得たな夏向きの辛口であった。 スタンドでは醸造所の父娘が二人で接客にあたっていた。 その親父の顔に見覚えがあったが、観光客向けのあまり良い印象のなかったワインと結びついていた。しかし醸造所名がアニタ・ショーラーWeingut Anita Scholerと娘の名前に変わり、エチケットもシンプルでスタイリッシュな、ブルゲンラントかノイジードラーゼーあたりの醸造所にありそうなデザインであった。どうやら世代交代したらしい。アニタは20代に見える女性醸造家だ。私の隣で同じロゼを飲んでいた男は彼女に一本持ち帰りに注文したが、5Euroと知ると二本買っていった。その様子を背中越しに見ていた彼女の父は、「ふん。俺のワインより売れるってわけか」といった様子の、すこし自尊心を傷つけられたような表情を一瞬見せたような気がした。 著名醸造所が世代交代しても品質は守られるだけだが、無名醸造所の美味しくなかったワインが世代交代で向上していると、未来に希望が湧いてくる。そういえば、この醸造所があるクリュセラートに近いトリッテンハイムには、アンスガー・クリュセラート醸造所のエヴァ・クリュセラート、クリュセラート・ヴァイラー醸造所のヴェレーナ・クリュセラートなど、若手女性醸造家の存在が目立つ一帯であった。やがてモーゼルにもオーストリアの11Frauen und ihre Weineの様な女性醸造家団体が出来たら面白いのではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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