テーマ:ワイン大好き!(30386)
カテゴリ:ワインスタンド
昨日から小雨が降っているが、今日は弱冠暖かくなった。イベリア半島から移動してきた低気圧の雨だそうだ。地中海の暖かさが残っているのかもしれない。
夕刻ワインスタンドに立ち寄る。ザールはオーバーエンメルの醸造所。 ワインリストは2008が大半を占めていたので、とりあえず2008ホッホゲヴェクス辛口を頼む。1.50Euro。コンパクトながら飲み応えのあるクリーンな柑橘風味で申し分なし。一口ごとにフレッシュなグレープフルーツの香味が一日の疲れを癒してくれる。 フェダーヴァイザーはミュラートゥルガウで収穫時の果汁糖度は82エクスレ、酸度7g/Liter。先日のルーヴァーの醸造所ほどインパクトはないが、端麗でそつのない仕上がりで醸造の腕はよさそうだ。今はケルナーの収穫中で、次ぎにドルンフェルダー、そして今週末くらいからブルグンダー系の収穫に入り、リースリングは15日頃に始める見込みだそうだ。 「ここ2週間ほど雨が一滴も降らなかったからね」と醸造所の主人。「この程度の雨なら天の恵みだよ。葡萄も一息ついているんじゃないかな」見た目30歳くらいだろうか。客の声にさりげなく耳を傾けつつ、時折自分のワインを少しグラスに注ぎ、一口二口含んでは印象を確かめ、残りを流しに捨てていた。習慣なのだろう。 いつもなら2杯で切り上げるところだが、もう一杯2008のリースリング・シュペートレーゼ・アルテ・レーベンを締めに頼む。古木といっても樹齢45歳。一般には樹齢25歳以上ならアルテ・レーベンと称することが出来るはずだ。やや軽いがミラベルの非常に綺麗なアロマ、熟したリンゴとカラント系の端麗な甘みがほのかに長い余韻を残す。軽さは生産年の気候条件もあると思う。好みもあるだろうけれど、とても飲みごこちの良いリースリングだ。 直売価格のリストをもらうと、アルテ・レーベンはなんと一本4Euro。確かに弱冠軽めではあるが、この繊細な品の良さにしては安い。最初に飲んだホッホゲヴェクス辛口はさらに安く3.20Euro。それで専業醸造所としてやっていけるのだろうか。 「ああ、十分やっていけるよ。設備投資する余裕もあるくらいだ」と主人。 「それにしても、値段を安くつけすぎていませんか」と聞くと、「ウチは8割が個人客で、長年のつきあいがあるからね。その大半は普通の労働者でそんなに裕福ではないし、彼らも子供も育てなきゃならないだろ。でも、少しずつだけど値上げはしているよ。アルテ・レーベンは去年まで3.80Euroだったのを20セント上げた」控え目な値上げである。 数年来ドイツワインは値上がり傾向で、VDPは連盟の方針としてキャップシールにトレードマークの鷲印がついたワインの最低小売り価格を今年7Euroから7.50Euroに引き上げた。一般に買い得感のあるリースリングは大抵5~6Euro前後、シュペートレーゼは9Euro以上が普通である。ディスカウンターと契約した大規模醸造会社が樽買いして瓶詰めした得体の知れないワインは2, 3Euroでも買う気がしないが、かといって価格と品質は必ずしも比例しない。だから、今日の醸造所みたいな生産者に出会うと嬉しくなる。 ちなみに、醸造所名はWeingut Mximinerhof (Maximinerplatz 2, D54329 Oberemmel)という。 試飲したのは上記2種類とフェダーヴァイザーだけなので、他のワインについてはなんとも言えないが、家族経営の醸造所としては良心的な価格で一般消費者に売る醸造所だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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