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2010/11/02
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土曜で夏時間が終わり冬時間に戻ったのだが、なんだか時差ぼけに似た感じで、時間の進み方がゆっくりしている。朝一時間早く目が覚め-本当は先週までと変わらないのだが-時計を見るたびに「あれ、まだこんな時間か」と思う。

ドイツのワイン関連ネットでは、2010年の評価で賑やかだ。
きっかけはZeit Onlineに、ワイン情報サイトCaptain Corkを主催するマンフレッド・クリメクが書いた2010年収穫情報だ。
http://www.zeit.de/lebensart/essen-trinken/2010-10/weinkolumne-jahrgang-2010?page=all

「2010年を優良年と言う者は、嘘をついている。彼らは2010年は『爽やかで軽いワイン』の年で、いわゆるガストロノミー向けワインの年とか、収集家向けの生産年ではないが『飲んで楽しいワイン』(じゃあ一体他の生産年のワインは何なんだ?)と言う。よさげに聞こえるが、美化でしかない」
というイントロから始まって、2010年は気候的に恵まれなかったため、大半は未熟な状態で収穫され、除酸と醸造操作の重要な生産年になるとし、優れたワインはごくわずかしか出来ないだろう、と予見している。半ば宣伝にしか読めないようなワイン関連の記事が少なくない中で、ネガティブな面を大衆にも分かりやすく伝えており、クリメクの他の記事と同様にサラリと読めて面白い。

しかし、ワイン業界の重鎮はこれを良しとしなかった。ロバート・パーカーの元でドイツ・オーストリアなどを担当している評論家デイヴィッド・シルドクネヒトはクリメクの記事を「大雑把に捉えている上、仮に当を得ているとしても結論を急ぎすぎている」と指摘。10月29日の時点でもラインヘッセンのケラー、ナーエのシェーファー・フレーリヒ、ラインガウのヴァイルはまだ半分以上のリースリングを収穫していないことを挙げ、優れたワインはわずかどころか十分な量が生産されるだろうとし、糖度が乗らず酸度も高かった1987年ですら今も楽しめるワインがあるというのに、2010年は優れたリースリングの畑では糖度もアロマも十分で、はるかに恵まれた生産年ではないかと結論している。
http://www.captaincork.com/Weinwissen/Lagern/Das-Arschjahr-2010-und-die-Antwort-von-Robert-Parkers-Cheftester

生産者もコメントを寄せているが、ファン・フォルクセン醸造所のローマン・ニエヴォドニツァンスキーは、なぜこんな挑発的でいい加減な記事を書くのか、ジャーナリストとして無責任ではないかと詰め寄っている。ローマンによれば、2010年は野心的な生産者には良年か、非常に良い生産年と言える。自然環境を考え土壌を世話し、念入りに枝葉を整え、手作業で房をえりすぐった醸造所では、非常に香り高く寿命の長いワインが出来るだろう、と言う。

「10月31日の時点でも、ドイツには収穫を待つ区画がいくつかある。私の醸造所ではちょうど収穫を終えたところだが、友人のマルクス・モリトール(Weingut Markus Molitor)とマンフレッド・プリュム(Weingut J. J. Pr?m)はまだ収穫の最中だ。
あなたが2010年について書いたことを、彼らが面白いと思いますか?
せめてマンフレッド・プリュムやエゴン・ミュラーに電話して聞いてみたらどうですか、あなたが2010年について書いたことを。きっと驚かれることでしょう!」
「2010年産の本当の問題は、収穫量があまりにも少ないことだ。ファン・フォルクセンでは25hl/haを明らかに下回る。高品質なワインへの需要が急激に高まっているところに、生産量の不足から重要な顧客や市場を失うのではと気がかりだ。また、多大な生産コストと経営上のリスクからすれば、良質なドイツワインの価格水準は低すぎる。その上に生産量がこれほど少ない年を、多くの地元生産者にとっては、生き延びることすら難しい」と言う。そこにクリメクの記事による2010年産は不作年との先入観が、少なからぬ醸造所に壊滅的な打撃を与えたらどう責任を取るつもりだと言わんばかりだ。

この記事には醸造家や消費者らが30近いコメントを寄せている。
オンラインベースのワイン情報が影響力を高めていることを伺わせる一方で、情報を提供する側の責任を考えさせられた。

口直しに、バーデンのK.J.ヨーナー醸造所の10月21日の収穫レポート。
完熟を辛抱強く待つ生産者の志を感じる。
http://www.youtube.com/watch?v=EnQnZ54vsww





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Last updated  2010/11/02 09:51:23 AM
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李斯。@ お久しぶりです。 御無沙汰しております。 何時も拝見してい…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その64(04/05) 「ムスカテラー辛口」は私も買おうかと思…
mosel2002@ Re[1]:ひさびさのドイツ・その54(03/14) pfaelzerweinさん >私の印象では2013年…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その54(03/14) 私の印象では2013年からは上の設備を上手…

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