海鼠の季節
今日は海鼠の嫌いな方は見ないでくださいね海鼠の中でも主に食用にするのはマナマコです。分類学上は棘皮動物門、ナマコ綱、楯手目、マナマコ科、マナマコ属、マナマコ,Stichopus japonicus Selenka,1867です。マナマコにも体色の違いにより、アカナマコ、アオナマコ、クロナマコがあり、採ってくるのはアカとアオです。市場で売っている値段をみると、アカの方がアオより2~3倍高いです。クロは皆が採らないので、一番たくさんいますが、身が薄くて、黒い汁が出るので嫌われます。関西ではアカが、関東ではアオが好まれるという話もあります。これはアオです。アカが一番周囲の色と似ていて、見つけにくいです。干上がった岩場に落ちているアカ、アオは平らな砂地に多く、アカは岩場に多いとも言われています。ナマコの底面には管足があって、それを使ってゆっくりだが移動することができます。口の周りには管足が変化した触手があって、これが楯状になっているのがマナマコの特徴です。ナマコは基本的に5角形の構造をしていて、触手も20本、5の倍数になっています。ナマコのお尻(肛門)は黒い穴がひとつあるだけです。ここから水を吸ったり吐いたりして呼吸をしています。ナマコは砂をたくさん飲み込んで、その中にある有機物を吸収して栄養としています。従って採ってきてすぐのナマコの腸には砂がいっぱい詰まっています。しばらく海水の中で生かしておくとある程度砂を出してくれます。ナマコのもっとも基本的な食べ方は腸を出したあと、ぶつ切りにして、熱いお茶をかけてから自家製ポン酢に漬けます。熱いお茶をかけるのは適度に軟らかくするためです。茶ぶりナマコと言います。食べるときにもみじおろしと刻みねぎを添えて食べます。腸は少ししか採れませんが、塩をかけてしばらく置いてから酒と味醂をいれて、海鼠腸(コノワタ)を造ります。昨日は女房が来てくれたので、美晴という店に行きました。ここにも私の採ってきたナマコが納めてありますので、海鼠のポン酢漬けと海鼠腸を出してくれました。海鼠食いし男まぎれぬ街の燈に(川崎展宏)このわたに唯ながかりし父の酒(松本たかし)こりこりと海鼠を噛みて黙殺さる(名美崎新)心萎えしとき箸逃ぐる海鼠かな(石田波郷)居酒屋で夫婦取り持つ海鼠かな(ドクターT)もう一度、海鼠の口と肛門です。これって6・9ナマコは雌雄異体です。ナマコの受精は体外受精で行われるそうです。精巣も卵巣も口の近くに付いていて、成熟した雌は水中に精子の存在を感知すると、すぐに興奮して放卵を始めるそうです。放卵中は触手を盛んに振り動かして、卵と精子がよく混ざるように拡散させるそうです。外見は雄も雌も全く同じなので、開いて見ないと区別が着きません。お口直しに桃尻エリカはどうですか