【Separation-きみが還る場所】市川拓司 同級生だった悟と裕子は親の反対を押し切って結婚。 幸せに暮らす二人だったが、やがて裕子の身体に変異が現れはじめ、次第に背丈が小さくなっていった。原因の分からないまま不可思議な若返り現象は進み、徐々に孤立を深める二人。寄り添いあい、そして待ち受ける哀しい結末へと向かってゆく。 あらがいようのない“時の逆転現象”のなかで、儚く浮かびあがってゆく二人だけの愛のかたち。 「いま、会いにゆきます」の作者市川拓司さんのデビュー作です 前に紹介した「アジアンタムブルー」にちょっと似てる感じかな 原因の分からないままどんどん妻が若返っていく(もともとが若いのでどんどん子供に戻ってしまう)病気。 悟が裕子に与える無償の愛が読んでいてとても切ない この本のほとんどは悟と裕子の会話から成り立っていますが、二人の会話の端々にお互いに対する思いやりが感じられます。 悟と裕子の作り出した二人だけの空間。周りの好奇の目を一切遮断したその小さな空間が二人の愛をより一層確かなものにするんですね もし本当にこんな病気があるのだとすれば… 老衰による別離よりも辛いことかもしれません 老衰なら少なくとも今までの二人の思い出は蓄積されていくけれど、この病気は二人で作り上げた思い出がどんどん失われていくんですもんね。 ラストは辛く切ないものですが、一抹の希望の余韻を持たせたものになっています 純愛と一言で言ってもいろいろな形があるんだなぁと思わせる作品でした でもやっぱり切ない話はちょっと苦手です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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