大寒から春節にかけて
大寒が過ぎて、北京はようやくマイナス10度の世界になりました。昔の北京は,、雪も多く、冬の三ヶ月は雪の溶けない氷の世界でした。道は凍り、スリップする車や滑って転倒する自転車が歩行者も多かったのを思い出します。今では、零下になることも稀で、暖かくて、空気の悪い北京に変わってしまいました。そんな北京の冬ですが、毎年春節前の最も寒くて、最も人気の少ない時期が一番好きです。春節を迎えるうきうき感が漂いつつも、人も車も減り、活気も薄れ、寒くて、冷たくて、静かで、何となく寂寥感を感じさせます。春節を過ぎると、春の到来を感じ始めます。日の出は早まり、日没も遅くなり、身体の芯まで凍りつかせるような寒気は徐々になくなります。「大寒」の厳しい寒さは辛いけど、身が引き締まり、生きていることを実感できます。しかし、純粋にそう思わせてくれるのは春節前の一週間のみ。何となく儚くて、そんな儚さが好きです。マイナス5度まで上がった午前9時。完全に凍った池の水。日中最高気温は0度です。空気は澄んでいて、とても気持ちがいい。身体の中が動き始めると、体調も良くなります。風邪の時でも熱がなければ、ゆっくりと太極拳を打つほうが身体が喜んでいる気がします。まだ、咳が治っていませんが、八卦掌と太極拳を稽古している時が一番気持ち良くて、楽になります。大気汚染の深刻な中国では、咳が出ると、インフルエンザの心配よりも「肺がん」の危険性が懸念されますので、この調子で無理なく続けて、治せたらいいな。