苗刀、八卦剣、四川冒菜
一年眠っていた苗刀がようやく目覚めるときがやってきました。今日は師父と一緒に苗刀の孫先生に会いに行きました。師父は会うなり、「もう一年も経つのに、いつになったら教えてくれるの?苗刀、錆び付くわよ。」と。孫先生曰く、苗刀の套路は二つしかなく、技も30いくつしかないから、二日もあれば十分だとか。いやいや、そんな簡単なわけないじゃん。(思わずツッコみたくなる)伝統武術が二日で学べるなら、もっと普及しているはずです。そういえば、変面の先生も同じようなことを言っていたのを思い出します。変面の動作は、そんなにないから、二、三日もあれば学べるよ…。って、そんなわけないし…。数か月前になりますが、目黒先生の気功教室(福山)でいただいたROMによる関節運動の資料によると、(計算方法も記載されていますが、複雑で長くなるのでここでは省きます。どうせ書いても読むの飛ばされるでしょうし…。)「…ということで、片腕だけで1008本の技法が考えられ、さらに左右上肢を混合すると145,152本となる。さらにこれに下肢、体幹、上下指関節を加えると、ざっと14,200,000本となる。さらにこれが片手取り、正面打ちなどの攻撃形の変化(基本形で20種はある)で20~30倍となり、またまたさらに取りの受け方の変化では、もっと増えるのである。……これでは一生掛けても、追いつかないのは当たり前である。」もちろん計算上のことなので、この数字すべてが技法として成立するわけではありませんが、実際に使える技法として成立する関節運動の可能性としては無限にあると考えることもできるわけです。それを稽古することが最も大変なわけでして…。 「柔術の技法の原点は剣術にあり」 中国人に説明しようとすると、柔術だからこれだけの技があるけれど、剣術はもっと簡単だという人が多いです。 合気武術においては、柔術と剣術は表裏一体の関係にあります。つまり、剣を学ぶことが、実は柔術の業にも通ずるということ。 「剣の裏技」である柔術は、剣術の動きがそのまま生かされており、いわば剣を持たない剣術である。 剣を持たないから剣術ではないという考え方ではない。 すなわち、柔術も剣術も技法としては相当な数があるということなど思うのですが、なぜか中国ではそこまで深く掘り下げて研究する人が少ないのは残念ともいえます。長くなりましたが、つまるところ、「苗刀が2日でできるわけないじゃん」と言いたいわけであります。(師父にも孫先生にもこんなこと言えないけど…)早速、四川料理の冒菜のお店でランチを取りながら、稽古の日程を相談中。孫先生に習うのは、師父と私の二名です。 麻辣香鍋と言う野菜、肉、海鮮など好みのものをごった激辛炒めにした料理がブームでしたが、最近では炒めるのではなく、スープで煮込む「冒菜」が人気らしいです。味はほとんど同じです。スープで煮込んでいるから健康的と考えているのかどうかは知りませんが、痺れる辣さは同じです。強いて言えば、脂が少ないからヘルシー?なのかしら……。私は肉は食べませんから、野菜を中心に注文しようと思っていたら、師父が「豚肘がいいわ。」という一言でベースのスープは豚肘骨に決まりました。(えーん、師父…。)仏教徒に帰依して、ときどき私は肉は食べませんって言うこともありますが、基本的には「私は肉がないと生きていけない」と宣言する方が多い師父です。(取扱注意:中国人はTPOに応じて柔軟に意見を変えることができるとても器用な人種です。)昼間っから、何を注文しても、もれなく唐辛子が付いてくるため、体内で火が暴れないように、ハトムギ茶を一緒に飲むのが中国の常識…。このハトムギ茶、少し甘くてとても美味しいんですよ。私はインド人、韓国人、四川人も顔負けなくらい辛いものが平気で食べれるのですが、師父は辛いものが大の苦手。ハトムギ茶も師父のために注文したようなもの…。(っていうか、辛いの食べないって言いながら、なんで超辛い冒菜食べてるの…。)(取扱注意:苦手と言いながらも本当に苦手とは限らないのが中国人。嫌い嫌いも好きのうち。)天気がよければ、気持ちも上々。あ~、八卦剣にようやく慣れてきました。