健康、長生き、アンチエージング

日本人の男女とも部位別死亡率が第２位ということで、がんの中でも大変高いシェアをしめる胃がん、私の周りでも何人かなった人がいる。

胸焼けなどの自覚症状で早期発見出来る人もいるが、自覚症状があまりなく、検査した時はすでに進行がんになっている場合もある。 

ドラッグストアの客で胸焼けなどでずっと胃薬を飲んでいる人には、胃の検査を勧めることも多い。

私も若い時に飲み過ぎた影響か慢性胃炎がある。

毎年検査はしているものの、内視鏡選択が出来る健康診断だといいが、バリウムの胃透視では正確なところは分らない。

今年の検査もバリウムだったので、近医で内視鏡の予約をし、明日施行することになっている。

早期診断、早期治療を心掛けたいものである。

妻の登世子さんと散歩する藤原さん（右）。足取りは軽やかだ（東大和市の公園で）　毎朝１時間半、近所の山を歩く。春は山菜を採ったり、秋は栗を拾ったり。自然の変化を肌で感じられるのが、何よりうれしい。

　「胃がんが早く見つかり、治療を受けることができたおかげです」

　東京都東大和市に住む藤原静（きよ）かずさん（７５）は、笑顔でそう語る。（かずは門がまえに束）

　最初に異変を感じたのは、１９９７年１１月ごろ。空腹時に、胃がもたれたり、胸焼けを感じたりするようになった。数か月も続いたため、心配になった。

　翌９８年４月、癌研究会付属病院（現・癌研有明病院＝東京都江東区）を受診。口から胃カメラを入れて胃の内部を映像で見る内視鏡検査を受けた結果、胃がんが見つかった。

　がんが胃の内側表面の粘膜か、その下の粘膜下層にとどまっていれば「早期がん」、それ以上深く進むと「進行がん」だ。進行がんでは、おなかの張りや胸焼け、胃のもたれ、食欲低下、体重減少などの症状が表れることが多い。

　一方、がんそのものの症状はまず出ない早期でも、胃がんにはしばしば胃炎や潰瘍(かいよう)を伴う。「このため早期胃がん患者も半数は、胸焼けや胃、背中の痛みなどの症状から見つかります」。癌研有明病院消化器外科部長の山口俊晴さんは、そう説明する。

　早期で、リンパ節への転移がないとみられる場合は、口から内視鏡を入れ、胃の内側からがんを切除する「内視鏡治療」を行う。それよりがんが進んでいれば、手術で胃を切除するのが基本だ。通常は、胃の３分の２以上を切除し、転移の恐れがある周囲のリンパ節も取り除く。

　藤原さんのがんは、がんが胃の粘膜にとどまる早期だったが、大きさが、内視鏡治療の基準（直径２センチ以下）を超える３・３センチあったため、手術を行うことになった。ただし、進行がんの場合のような胃を大きく切る手術ではなく、がんを含む部分だけをくりぬくように切除し、胃の多くを残す手術だ。

　主治医からは「早期なので、ほぼ１００％治りますよ」と説明を受けた藤原さん。手術が終わって目が覚めると、「ああ、助かった」と安心した。だが、胃がんとの付き合いは、これでは終わらなかった。７年後、胃に再びがんが見つかったのだ。「再発か」。不安が胸をよぎった。

　日本人に最も多く、毎年１０万人が新たに見つかる胃がん。治療法や後遺症対策、予防法など、気になる人への基礎知識を紹介する。

（2008年12月4日 読売新聞）