初恋のきた道
-2000年作品-[原題] 我的父親母親[監督] チャン・イーモウ[出演](チャオ・ディ:若き日の母)チャン・ツィイー (ルオ・チャンユー:若き日の父)チョン・ハオ (ルオ・ユーシェン)スン・ホンレイ (チャオ・ディ:老年の母)チャオ・ユエリン ▲似顔絵はチャオ・ディ役のチャン・ツィイー----------以前、何気にTVを見ていると、映画館から出てきた人に、見たばかりの映画に点数をつけてもらうというものをやっていました。いくつかあったのですが、ほとんどの作品が「80点」とか「90点」とか、まあそんなものだろうという返答ばかりでした。しかし一つだけ、「110点」だとか「200点」とかの100点超え連発りの作品があったのです。その作品というのが、この『初恋のきた道』でした。そして画面に映し出されたのが、琥珀色のような色合いの秋の森の中に立って微笑むチャン・ツィイーの姿。とても可愛いその笑顔にドキンとし、一瞬でこの映画を見に行こうと決めたのでした(笑)物語は大まかに3つのパートに分かれています。まず最初は、父親が亡くなり故郷へ戻ってきた息子が、久しぶりに母親と会うパ-ト。続いて若き日の父親と母親が出会うパート。そして最後にまた現代に戻り、父親の棺が村へ戻ってくるパートとなっています。 とにかく物語は恐ろしいほどシンプルです。びっくりするほど余分な物をそぎ落としています。また舞台も中国の田舎なので、風景などは自然以外も何もありません。ただ風景はメチャメチャ美しいです。その美しい風景の中に、シンプルな物語がうまく溶け合っていたと思います。 その中でチャン・ツィイーは若き日の母親チャオ・ディを演じています。その姿どおり、とても可愛くとてもいじらしいキャラクターでした。とても純で、すごく真っ直ぐ。よく言えば一途、悪く言えばストーカー(笑)でもでも本当にいじらしいのでした。 とにかくチャオの瞳は、ずっと若き日の父親ルオ・チャンユー(チョン・ハオ)の姿を追っているのです。水を汲む時も、料理をしている時も、たとえルオの姿がなくても、チャオはずっとルオを追っているのです。初めて出会った時から。 そしてルオの姿を追うその想いは、年老いても変わっていないのです。あまりにも純粋。でもだからこそ、たくさんの言葉や説明などなくても、素直に心に響いてきました。物語の終盤では、チャオのその想いは息子にも、しっかりと届いていました。 もちろん見ている自分などは、この一途な心は映画の物語の中だからという思いもありました。でも一方では、どこか憧れというか共感をも感じてしまいました。たぶんこの作品を見た多くの人も、たとえ現実では難しいとしても、心の中では少しでも純粋に人を愛する気持ちを持っていたい、忘れたくないと思ったンではないでしょうか。*****この映画は嫁さんと二人で見に行きました。中国映画を見たことがなかった嫁さんは、あまり期待してなかったらしいのですが、結果は大満足だったようです。後で、「何でこの映画、見に行こうと思ったン?」と聞かれたのですが、ただ「たまには中国映画もイイかな、と思って」と答えていました。とても「チャン・ツィイーがかわいかったので」とは口が裂けても言えませんでした(笑)▲パンフ+++++++++BEST COLLECTION ALL TIME 1980::初恋のきた道価格:1,782円(税込、送料別)