山のあなた 徳市の恋
-2008年作品-[監督]石井克人[出演](徳市)草なぎ剛、(福市)加瀬亮 (三沢美千穂)マイコ、(大村真太郎)堤真一 ▲似顔絵は徳市役の草なぎ剛さん----------自分もとうとう40代になってしまいました。食べるものなどは油っこいものなどが徐々に苦手になってきております。嗜好が変わってきてるんでしょうネ~、観る映画のタイプもちょっとずつ変わってきてる気がします。今回観た『山のあなた 徳市の恋』。もしかしたら10代、20代で観てたら、退屈と感じたかも。けれど現在の好みにはピッタンコ、超ど真ん中にきちゃいました。久々に「良い映画を観たな~」という気分になり、何度も思い出しては余韻に浸ってしまいました。【足音】この映画、観てる途中で“やられた~”と感じる所が何箇所かあったんですが、この徳市(草なぎ剛)と美千穂(マイコ)がすれ違うシーンは本当にやられちゃいました。美千穂に按摩をたのまれた徳市、彼女のいる旅館へ向かう。通りでは湯治客がガヤガヤと話している。すると美千穂は旅館の前に出ており、徳市が自分に気づくか試すかのように、無言のまま徳市の側を通りすぎる。するといつの間にか回りの音は消え、美千穂の足音だけになる。このシーンは本当に良かったですネ~。何かを感じ、立ち止まり振り向く徳市。通りすぎた後、徳市を見ながら歩き続ける美千穂のアップ。雑踏の騒がしさは消え、聞こえてくるのは美千穂の足音だけ。映画館全体の空気が変わってしまったような雰囲気で、どこか違う世界につれていかれるような気分になりました。不思議な感覚に誘われる、とても良いシーンでした。【見えない目で・・・】「見えない目で、あなたを見つめていた」徳市の台詞です。美しい台詞ですネ~。そして美千穂も徳市に向かって「見えない目が見えすぎたのよ」と言います。そう徳市はあまりにも美千穂を見つめすぎたんです。最後、徳市は湯治場を出て行く美千穂の乗った馬車を追って走っていく。(この時の草なぎ剛さんの走り方がまた良い!)そしてカメラは徳市の視点のようになり、小さくなっていく馬車を写す。まるで徳市が見ているように。見えないはずなのに。おもわずググっ!ときてしまいました。*****この映画、映像がすごく美しいんですよネ~。特に木々の緑が柔らかく、透き通るような優しい色合いで。そんな美しい映画の中で唯一、美千穂が何かを秘密にしているという事が、かすかに淀んだ雰囲気を漂わせていたような気がします。▲チラシ+++++++++山のあなた 徳市の恋 スタンダード・エディション(DVD) ◆20%OFF!