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カテゴリ:外来診療一般
今や日本の国民病とも言われる、緑内障。この緑内障で現在唯一その効果がはっきりしている治療法は「眼圧を下げる」ことだけなのですが、その治療には様々な系統の目薬が使われます。
現在、効果が最強とされているのは、「プロスタグランジン関連薬」と呼ばれる目薬です。具体的には、
上記の左から順番に、
日本が世界に誇る点眼薬メーカー参天製薬の自社開発で、副作用が少なくて瞳に優しいタプロス
効果長持ちでバランスとキレの良い、日本アルコン社の名作点眼薬のトラバタンズ
そして1999年の発売が世界の緑内障治療を変えたと言われる、ファイザー社の歴史的名薬キサラタン
効果も、そして副作用も最強の「最後の切り札」的存在の千寿製薬のルミガン
などがあるのですが、どのプロスタグランジン関連薬にも共通する「副作用」があります。具体的には、充血する、動物園に出かけたわけでもないのに目の周りがパンダみたいに黒くなる(色素沈着)、目薬がこぼれるとそこに毛が生える(養毛剤作用)あたりです。
そして、この副作用がイヤで点眼をやめてしまう患者様が後を立たないのですが、最近興味深い論文を見つけました。
「眼圧下降は、結膜充血の程度と強く相関する」というものです。この論文によると、
点眼後に充血する人ほど眼圧が良く下がっている、ということでした。
これは我々眼科専門医の臨床的実感とも良く一致します。また上記のルミガン点眼液という、現在緑内障点眼薬の中で効果最強の目薬が強烈に充血するのも、「なるほど、やっぱり。」と思わせるものがあります。
なので、緑内障でプロスタグランジン関連薬を使用されている患者様で充血が気になっている方は、
充血してると言うことは、薬がそれだけ効いているということだ
と考えてみてくださいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.07.28 15:02:36
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