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2003年04月22日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
北条司と言うと「キャッツアイ」「シティハンター」「エンジェルハート」などお色気たっぷりの漫画で有名ですが、「少年たちのいた夏」と言う短編集はそういった意味で異色です。と言うか、昨日たまたまマンガ喫茶で読んだんだけどね(^^ゞ

今日はネタばれ御免ですのでご容赦のほどを!

「少年たちのいた夏」には表題作の他にも「蒼空の果て-少年たちの戦場-」「American Dream」の二作品が収録されている。「少年たちのいた夏」は北条司のオリジナルですが、他の二作品は二橋進吾と言う人の原作らしい。この三作品ともWWⅡの頃のことが描かれている。「American Dream」はおそらく沢村栄治を髣髴とさせる主人公が開戦前夜のアメリカで活躍し、メジャーリーグにスカウトされそうになるけど、時代がそれを赦さず、開戦によってやがて散っていく… 「蒼空の果て」は空戦のエースを兄にもつ予科練をでたばかりの弟が終戦間際に古ぼけた練習機に爆弾を抱えて特攻に散っていく… 病弱な父親を「仮病」と批難され、エースの兄を崇拝し、幼馴染とは相思ながら思いを遂げることなく、特攻へと向かう。そんな弟を兄は許可も得ずに護衛に飛び立つが見送るしかない。弟は南洋に散っていくが戦局を変えることなどできず、やがて敗戦を迎える。まだ二十歳にもならない少年だったのに…

「少年たちのいた夏」は終戦間際の話です。集団疎開をしていた少年は禄に食べ物も与えられず、勉強も受けられず、農家で働かされていた。引率の教師たちは少年たちを働かせるだけで、その収穫物を分け与えずに我が物にしていたので、少年は仲間を集って疎開先からの脱走を試みる。東京へ戻る途中で、ある外国人と出会う。フルート奏者である彼は日本人女性と結婚して娘がいたため、帰国命令を拒んで滞在していたためにスパイ容疑を掛けられて、少年たちの疎開先に近い収容所に入れられていた。ジュネーブ条約によって捕虜の待遇はそれなりに守られるはずだったが、日本軍はこれを無視して強制労働を行ったりしていたので、脱走者が相次いだ。多くの人が脱走したものの捕えられ、殺されたが、彼は唯一逃げ延びられて、少年たちと出会ったのだ。「鬼畜米英」と教え込まれているから最初は警戒していた少年たちも彼が日本語を話すことや食料調達をしてくれることで徐々に打ち解けていった。彼は手作りの笛で娘のために創ったと言う曲を奏でたりしていたが、少年の仲間を敵襲から守る際に指を失い、二度と吹くことができなくなる。少年は「代わりに吹く」ために彼に演奏を教えてもらいながら東京への旅を続けた。やがて東京近郊まで来たとき丁度そこは空襲を受けている真っ最中で被災者の群れの中で彼は「敵国人」として殺されてしまう。終戦まであとわずかと言う時期だったのに… 少年は彼の手作りの笛を手に生き延びた。50年後彼のような演奏家になった少年の傍らのいるのは彼の娘だった…

いやぁ、涙なしには読めません。あっしの生まれる遙か前のことですが、いろいろな本や映画などで紹介されているんで、多分こんな感じだったんだろうと漠然としたイメージは持っています。戦争なんか望んでいないのに、否応なしに時代の流れの中で翻弄されてしまうのは何の力も持たない人々です。特攻なども「死んでこい」と言う上官は安全な場所で命令するだけで、戦後も生き延びたりしてるんでしょうね。まるで無意味な特攻と言うものを上の命令だからと言うだけで部下に強要し、自分は何の痛痒も感じていないとしたら死んでいった人たちは紛れもない犬死ですよね。死んでいった人たちは自分の大切な人を守るために已む無く爆弾を抱えて敵艦に突っ込んでいくんですが、大半は撃ち落されて無為に散っていくだけなんですよね。「蒼空の果て」の弟も命を捨てながら犬死だったことが暗示されている。これと同じことが今も行われている。自分の命を賭して敵を傷つけたとしてもまるで無意味であり、むしろ世論を敵に回すことになってマイナスになりかねないことなんだけど、強大な敵に立ち向かうことは止められず、已むに已まれぬ思いで死を選ぶことを賞賛することなどできないけど、否定することも難しい。そういう立場に追い込まれたらやらざるを得ないと言うことが解るだけにね…

まぁ、とにかくあっしの文章ではへたれなんで実物の半分も伝わっていないと思うんで、お時間のある人はちょっとみてみてください。こういうことが起きないように我々は不断の努力をしなきゃいけないし、こういう立場に追い込まれている人たちに冷たい視線を送るのだけは止めたいなぁって思うんです。できればこういう立場に追い込まれる人がいなくなるような世界になることを願わずにはいられません。





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最終更新日  2003年04月22日 13時49分40秒
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