カテゴリ:本の感想(海外の作家)
![]() ジーン・ウェブスター(松本恵子訳)『続あしながおじさん』 ~新潮文庫、1992年58刷(1961年1刷)~ (Jean Webster, Dear Enemy) 先日も『あしながおじさん』の記事を書きましたが、あんまり面白かったので続編もすぐに手にとって、枕元の友などにしながらゆっくりと楽しみました。 本作は、『あしながおじさん』でジュディの友達として登場していたサリー・マクブライドが主人公です。サリーは、ジュディとその夫から、ジョン・グリア孤児院の院長をお願いされたのでした。最初はしぶっていたサリーですが、結局は引き受けることになります。そして、院のあんまりの状態を嘆き、ジョン・グリア孤児院をずっと良くしていくように、活躍しはじめるのでした。 物語は前作同様、サリーがひとに宛てた手紙のかたちで進んでいきます。手紙の宛先は、ジュディだけではなくて、サリーに思いを寄せる青年政治家のゴルドン・ハロック、そして「敵」たるロビン・マックレイ医師もいます。 子どもたちの青いギンガム服を廃止してしまおう、院をいくつかのコテージ風に変えたい、などなど、サリーによる院の改造計画はどんどん進んでいきます。子どもたちとの日常、そして子どもたちに注ぐサリーの見方の変化、地域の人々の思いやり…などなど、日常のいろんなエピソードがもりだくさんで、物語は進みます。 終盤、ある大きな事件が起きてから、もうその後は一気に最後まで読んでしまいました。それまでの長い日常にひたっているからこそ、この終盤がとても際だち、素敵になるのだと思います。 素敵な読書体験でした。『あしながおじさん』は読んでいるけれどこちらは読んでいないという方にも、ぜひ読んでみていただきたい一冊です。 (2009/09/15読了)
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Last updated
2009.09.17 06:46:45
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