野澤武史のラグビーモチベーター！！

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  シークエンス、思わぬ効用

  　神奈川県決勝後、初めて練習に参加しました。　もちろん全国大会に向けて練習していきますが、気持ちとしては「自分達の取り組んできたラグビーを完成させよう」ということを大切にしていきたいと思います。まだまだ、芯となる部分の形が見えてきた段階ですので、ステップアップばかり考えると足元をすくわれます。人って、できなくなるのはすぐですから。　そういうわけで、まずは基本の反復。　組織プレーができてくると、個人の力は落ちます。それを補てんしてくれますから。予想通り、できなくなっている部分がありました。特にタックルですね。１対１。これがあっての組織ディフェンスですから、ここからもう１ランクアップしてほしいと思います。　それと、今シーズン初めてシークエンスをやりました。試しで。　よかったと思います。形だけになってしまって鋭さがなくなるのが怖かったのと、１次攻撃もできないで、どうやって２次３次で崩せるの？というところがありまたので、全くやってこなかったのです。ですが、土台ができてきたのでちょいとやってみたのですが、思わぬ収穫がありました。　それは「一つのプレーに参加する人間が増えた」ことです。もっというと、そのプレーに関係のない人間の動き出しがものすごく早くなった。「このプレーはここで切るんだよ。だから、ここにいたプレーヤーがここに走り込むんだよ」ということが分かると、旨みと責任感に引かれて（笑）人が動き出すのです。　「今のプレー決まってないじゃん」「お前が走ってないからだろ？」そういうコミュニケーションが生まれていました。僕が現役時代はそれが普通だったので気付きませんでしたが、シークエンスには、そういう効果もあるんだな、と。またひとつ勉強になりました。　最後はもちろんモール。決勝は押し込めませんでした。これは僕としては非常に悔しい。試合に勝っても、押しくらまんじゅうに負けたらフォワードは満足できないものです。まだ時間がありますので、もう一皮むけてもらえるよう、こちらもアプローチしていきたいと思います。　明日は鹿児島で東芝ーコカコーラＷの解説です！

  Nov 27, 2010

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  周英さんと！

  　清水周英さんにご飯をごちそうしていただきました！　周英さんは、渡瀬さんと同期、つまり慶応が日本一になった時のＳＯです。以前、周英さんが神戸で働かれていて、それ以来お付き合いさせていただいています。ご子息が慶応高校でプレーしていて、もちろんポジションはＳＯ。　「ラグビーは結局２２メートル内の攻防にすべてが詰まっている」とおっしゃっていました。　ゴールラインに近づくほど、ディフェンスの人数は増え、穴が無くなります。そうなれば、ボールキャリアはそれまでにない重さと痛みに挑戦しなければならない。正直にプレーすることがより求められます。一方ディフェンスもペナルティをせず、我慢しなければならない。ゴールラインになだれ込んでくる相手を止めるには極限の集中力が求められます。この圧力とプレッシャーこそがラグビーのすべてではないか、というお話でした。先日の早慶戦ともリンクすることです。　あと、面白かったのが「ＳＯは普通外側の足を前に出すだろ？でも、おれは内側の足を前に出した。みんなボールが出るとき、スクラムを見ているから、最初の２，３歩で外にずらした。そのためには外側の足を前に出すのか有効だった」とのこと。これは宮田の親父（浩二）さんが言ってたことに似てますね～。　ご飯をごちそうになった麻布十番「海南鶏飯食堂」のオーナーの中西さんは、慶応中等部でコーチをされています。現在高校でプレーしている教え子の話で盛り上がりました。　大学時代、満足にラグビー生活を終えられなかったことが今の原動力の一つになっていると伺いました。これは、僕もすごく共感できるところ。そう考えると、その瞬間は目の前が真っ暗になるようなことでも、未来ではエネルギーになることがある。だから、諦めてはいけない。結果を急いではいけない。しぶとく食らいつけば、何とかなるものです。　すご～く楽しい夜でした。４時間ラグビー語りっぱなし！年代を貫く、慶応ラグビーに感謝です。慶応が優勝した時の「ラグビー激闘史」を見ながら「おー、ベスト１５に渡瀬（さん）入ってるじゃない。いいねえ。１０は朽木さんかあ。ん？大学ベスト１５も俺入ってないなあ。このときはさあ・・・」と、納得できない様子の周英さん（笑）。　しぶといですねえ～！！

  Nov 26, 2010

• トップリーグ第８節プレビュー！

  　トップリーグがいよいよ再開！！　この時期、ミニキャンプを張るのがどのチームも恒例となってきました。気候の変化、そして組織が整ってきた今、ウィンドマンス前とはまた違ったリスクが生まれていると思います。まずは、そこへの対応。それから上位チーム同士の戦いに突入、という流れです。では、短くプレビューを。【リコーブラックラムズ VS トヨタ自動車ヴェルブリッツ】　リコーＦＷがトヨタに対してどれだけファイトできるか。バックスはボールを下げず、前で勝負するべきでしょう。裏を通すアタックへのディフェンスはトヨタが最も強いところ。ゲインに忠実に。重たいＦＷを後ろに走ることで体力を使わせたい。トヨタのエンジンが掛からないうちに得点が動けば面白い試合になると思います。【ヤマハ発動機ジュビロ VS 福岡サニックスブルース】　ヤマハのディフェンス対サニックスのアタックの構図。キックでテリトリーを確保したいヤマハですが、ノータッチは“カウンターの巣”。まずはここをしっかり止められるか。ソフトドリフトではサニックスに好きなだけアングルチェンジで走られてしまいます。サニックスのディフェンスは上がりは早いですが穴も多い。「攻めて守る」意識をどれだけ持てるか。【三洋電機ワイルドナイツ VS クボタスピアーズ 】　三洋はユ・ヨンナム選手が欠場。何か珍しい気が。ホラニ、オツコロの両選手の揃ったクボタはしぶといですよ。セットプレーがカギになるでしょう。その意味でクボタはリザーブまで含めた５人のフロントローの出来高が重要。８０分間スクラムでプレッシャーをかけ続けることが勝利への絶対条件だと思います。三洋フロントローの足に乳酸を蓄積させられれば、小さなひずみが生まれるはずです。【サントリーサンゴリアス VS NTTｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞｼｬｲﾆﾝｸﾞｱｰｸｽ 】　ＮＴＴはブレイクダウンを諦めてはいけない。サントリーと戦う時に「出させて止める」は危険な選択肢です。人数を投入しでもブレイクダウンのクオリティ上げる必要があります。リザーブに控えるアストン・クロフォード選手の投入のタイミングも重要でしょう。対するサントリーは９番に田原が先発。今季初出場かな？同期がしぶとくプレーしてくれているのは励みになります。自分も頑張らなあかんな、と。彼はいいボールが供給されたときのさばきは非常に上手い。そういった意味でも、ブレイクダウンワークがカギになる試合です。【近鉄ライナーズ VS 豊田自動織機シャトルズ 】　前半戦、台風の目となった近鉄が自分たちの強みをだすことができるか。ボールキャリアが前に出ることで相手がラインディフェンスに集中し、裏に大きなスペースができる。これが近鉄の戦略の一つでした。その飛車角といえるロコツイ選手が欠場。その“突破力”をいかに補えるか。織機は怪我人が多く苦しい台所事情です。そういうときこそスモールラグビー、小さく戦って凌いで、一発で取る。集中力と我慢が求められるでしょう。

  Nov 26, 2010

• 清宮さんの言葉

  　全国高校大会のシード校が発表になりました。慶応高校もＢシードに選んでいただきました。桐蔭学園はＡシード。１県からシード校が２校出ることの重みと、それに見合って余りあるプレーをしたいと思います。（Ａシード）東福岡、大阪朝鮮、桐蔭学園、流通経済大柏（Ｂシード）慶応、秋田、関西学院、伏見工業、東海大仰星　さて、先日の慶早戦で清宮さんとＷ解説させていただいて、勉強になったことを書いておきます。・試合前、秩父宮のブース付近のお客さんを見ながら「すごい人ですね」ということを話した時「両サイドにいる人は待ち合わせしていて止まっている人。本当に流れているのは真ん中の人たちだけ、そんなに多くはないんだ」　パッと映像を見た時の抜群の観察力を感じました。・アタックで早稲田がなかなか人数を揃えられないのを見て「デコイで人が死に過ぎ」　９番からのシェイプにＦＷが立つこと＝成功ではなく、そのデコイで相手にどうディフェンスしてもらったかが重要であると改めて気付きました。・中づる君が相手ゴール前でパスしたのを見て「ここはウィングには走り切ってほしかった。さっきのパスを放らなかったことが布石になっているんです」　私だったら「自信持っていけよーって言います」とも。・慶応がビッグゲインから順目ショートサイドを攻めたことを受けて「ビッグゲインからは外。ビッグゲインした時に戻っているプレーヤーはディフェンスの好きな選手でしょう。だからそこを攻めない方がいい」　ビッグゲインからどこを攻めるか？の問いに対するおそらく最高の答えだと思います。・後半勝負どころのＰＫの場面。「一番いいキックを蹴るのは田邉。でも、ここは山中に蹴ってもらいたい」　場の流れを察知する能力。僕は気付きませんでした。　清宮さんがすごいのは、味方だけでなく相手の心理的状況を高い精度で察知できることだと思います。入り込んでいくタイプなので残念ながら僕にはできません。。指導者なのに選手より視野が狭いという・・・。ですから、すごーく勉強になりました。録画し忘れたので、再放送でもう一度どんなことをおっしゃっていたのかを拾ってみたいと思います！　それと余談ですが、ラインアウトから早稲田が形成したモールに慶応が参加せず、一人目が低く刺さってペナルティを取られましたが、ああいったプレーの正解はあるのでしょうか？　僕は「ディフェンスが参加していない＝モールではない。だから、ディフェンダー一人目はタックラーとして参加できる。でも、その瞬間に倒せなかったらモールが形成されるので、バインドを話してロールアウェイしなければならない」と思っていたのですが。　花園が始まるまでにどなたかメッセージ頂けませんでしょうか？平林さん、ブログで取り上げてくれないかなあ。

  Nov 25, 2010

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  ちょこっとだけ

  　２１日の試合がいくつか記事になっていました。　朝日新聞　神奈川新聞　コーチとしてはここからが勝負！　それと、阿久根コーチから頂いた写真をいくつか。　試合後の整列。　表彰状の授与。今年の幹部陣。　バックスタンドの仲間の元へ。　僕らのときは応援に来てくれた仲間がノーサイドと同時にグラウンドになだれ込んで、本当に感動しました。その後もちろん厳重注意を受けましたが（笑）。いい思い出です。

  Nov 24, 2010

• 東海ー法政　看板と戦略

  【関東大学リーグ戦】　東海大学　２５－１７　法政大学　東海大がリーグ戦優勝を決めた一戦。　序盤、法政のショートサイド・ブレイクダウン周辺のディフェンスの整備が遅れているところを突いて東海がトライ。ＦＷ戦にこだわった序盤のゲーム運びはさすが。　東海はまだまだ余力があるというか、どの試合も個人の身体能力の差で勝負がついてしまいます。今後は切りどころの徹底や、フェーズが重なる中でディフェンダーの上体が起きてしまう癖など、勝負のキモの部分をチームとして明確にすることが求められると思います。　そのためにも、東海は「看板」を作る作業が必要です。全体で勝ててしまうことで、キワがぼやけてしまっています。「看板」を明確にすることでチームのプライドをそこに集中させる。どの部員に聞いても「コレ！」と、答えの返ってくる求心力を持ったプレーです。　また、看板を明確にすることで相手に対策を練ってもらうこともできます。結果、「裏」ができる。そうなれば、「看板」が戦略となり、この強さが物語のいいスパイスになっていくのではないでしょうか。　法政も、本当に素晴らしいタックルを持っています。　ウィングまでが好機とみると飛び出すシャローのディフェンス。この試合もセンター原島君が素晴らしいタックルをお見舞いしていました。画面の外から一気に出てきて、躊躇なく相手のみぞおちに突き刺さるタックルがありました。ここまでの今シーズンベストタックルでは？先程の話とリンクさせるなら、このタックルは間違いなく法政の文化であり「看板」です。　残念なのが、まだそれが「すごいタックル」の域で止まっていること。突き刺さった後、どうするのか。どこで誰が突き刺さるのか。そのためにはどこへどう追いつめるのか。この辺りを整理するべきです。　法政と戦うチームはこのディフェンスに対して、対策を練ってくるはずです。飛び出しにくいアタックとしては・ハーフからの近場のシェイプ・ショートサイド・テンポの速いリサイクル・小さくズラすアタック・２段アタックの内返しなどがあると思います。ただ、相手に「リアクション」をとらせた時点で勝負事しては一歩リードできているはず。鋭いタックルから物語をスタートさせて、それが戦略まで昇華させられるかがポイントになるのではないでしょうか。

  Nov 24, 2010

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  慶早戦！　魂、迸る！！

  【関東大学対抗戦】　慶應大学　１０－８　早稲田大学　（超満員！）　対抗戦大一番は慶應が魂のタックルで８０分間を守りきり、見事１０年ぶりの勝利！！細かいことがどうこう、という試合ではなく、見ていて本当に感動しました。両校のＯＢではない方が見てもラグビーを好きなってくれるような、そんな試合だったと思います。　慶應はやることが徹底されていました。「そこは判断した方がいいんちゃう！？」という場面でも、ゲームプランを選手が遂行したのは、それを信じ切れていたからです。ぶれることがありませんでした。　（修ちゃん心臓移植手術のための募金のお手伝いをさせていただきました）　早稲田は“ここ一番”という試合運びではなかったですね。僕が感じたのは判断の部分。「本当にその判断が今年掲げてきた“１対１で勝つ”ことを最も発揮できる選択だったのだろうか？」ということです。もっと慶應の選手とぶつかって、もっと足をがむしゃらにかいてれば・・・別の展開になったと思います。早稲田としては、ここで反省できたのはいいことでしょう。　（ウォームアップの様子）　今日はＪＳＰＯＲＴＳの放送で、清宮さんとＷ解説をさせていただきました！！最初はかなり緊張しました。やっぱり、清宮さんのラグビーを見る視点て面白いです。すごく勉強になりました。解説しながら、名言をメモるという・・・（笑）　こんな素晴らしい試合を見せてくれた両チームの選手に感謝です。両校とも、今晩は大いに感情を高ぶらせて、また明日から新たな戦いへ向かうことと思います。つくづく選手って大変です。でも、その苦労とか責任は今しか得られないもの。ぜひ、楽しんでください。　本当にお疲れ様、そして、ありがとう！！

  Nov 23, 2010

• 慶応高校優勝しました！！

  　全国大会神奈川県予選大会決勝は４１－７、慶応高校が優勝しました！！　応援して下さった方々、ありがとうございました。　そして、体を張って闘ってくれた選手達、試合には出られなかったけど、共に戦ってくれた選手達、本当におめでとう！　対戦相手の東海大相模さんにも改めて感謝いたします。　そして、ここからが勝負。　自分達のラグビーを突き詰めて、もう一回り強くなって花園に乗り込みたいと思います！！　取り急ぎ、ご報告まで。

  Nov 21, 2010

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  天理―摂南、関学―同志社　

  【関西大学Ａリーグ】　天理大学　７７－５　摂南大学　関西学院大学　２８－２５　同志社大学　今期充実の天理大は統率のとれた懐の深いチーム。８０分を通してボディポジションが低いまま。相当下半身の訓練がなされている印象を受けます。ターンオーバーからの切り替えなど、試合のキモでの集中力が非常に高い。特にラインブレイクが起こった時の外の選手の上がりの速さ。ここの徹底度は大学ラグビーではずば抜けていると思います。　今後大学選手権に向けては・アタックではほとんどが９－１０を経由するため、ディフェンスが的を絞りやすい。フォワードとバックスのアタックがリンクすれば、さらに威力が増す・キックチェイスの甘さ、縦方向の運動量・ディフェンスポリシー、外の選手が内側の選手を追い越すケースがある。であればプッシュアウトせず、立ち位置を広めにとるといったところが焦点になりそうです。久々、神戸でお世話になった八橋さんがテレビに映っていました。お元気ですか～？　対する摂南大学はアタックラインが深すぎるため、ゲインラインにボールキャリアが到達できていないこと、ディフェンスで視線がブレイクダウンに寄ってしまっていること、がラグビーを難しくさせていると思います。　摂南大はジャッカルが非常に上手い。「ボールの前に手を突く→テイクアウトを食らう→その力を利用して絡む」という“ＮＥＣスタイル”。あれは剥がすのに苦労するはず。ターンオーバーからのアタックの大まかなイメージを整理しても面白いかもしれません。 　同志社大ー関学大は、点差こそ詰まりましたが、もう少し実力には差がありました。１．アタックの高さ＝仕掛けの差２．体の芯を当てる技術３．ボールを反則なしに継続する力　この３点には特に差を感じました。　あとは、両試合に共通することですが、フィジカルの差をすごく感じました。立ち姿からですが、勝ったチームは下半身の鍛えられ方、特にお尻が違いました。　この辺りは仕込みの差、春からの積み重ねですから、重たいですよ。どのチームもシーズンが深まり、組織は整備されてきますから、こういう嘘をつけない部分が、勝敗を分けるファクターになってくると思います。　（神戸出張。朝はハーバーランド界隈を走りました。）

  Nov 20, 2010

• ニュージーランドーウェールズ　スペースを攻めてはいけない時間帯！？

  【テストマッチ】　ニュージーランド　２９－１０　ウェールズ　点差の上ではニュージーランドの解消！も、課題の多く残る一戦でした。ニュージーランドがアタックでテンポを上げられなかった要因は二つ。ウェールズのセットプレーでの健闘と、ボールキャリアの選手の問題でしょう。　ウェールズのスクラムは試合を通してよかったです。つっかけが速く、１番アップでニュージーランド３番ティアラタに仕事をさせませんでした。やっぱりラグビーはフォワードの力勝負で負けると巻き返すのが大変です。精神的な面でのプレッシャーを受けますから。　もうひとつ、実力差ほど点差が離れなかった要因は、ニュージーランドのボールキャリアがスペースを探し過ぎたために、前進する力を失ったからだと思います。試合開始から５０分、ウェールズディフェンスの前に出る力はほぼ止まっていました。　それまでフォワードが近場をしつこく突いたことや、キックカウンターでのラインブレイクがボディブローのように効いてきたからです。ここからは「何をやってもゲインを切れる」時間帯だったはず。そこで前に出る力が落ちたウェールズディフェンスに対して「痛くないプレー」を選択してしまったのではないでしょうか。　相手は前に出てこられないのですから、ダイレクトプレーでシンプルにゲインを積み重ねていくべきでした。それに対し、一発ラインブレイクの穴を探しながらプレーした結果、ウェールズディフェンスに案外しぶとく粘られてしまった。　難しいところです。　「空いているスペースを突く」と「スペースをこじ開ける」のバランス。これは表裏です。おそらくニュージーランドの選手からすると、スペースが本当に沢山見えていた。そうなると「どこのスペースが一番有効＝費用対効果が高いか」を探ってしまうものです。　ゲーム時間５０～６０分の間、しっかりと９番シェイプからのダイレクトプレーを重ねていれば、違った展開になっていたように思います。しっかり当たられて、アライバルプレーヤーに殺到されて、オープンに振られる。そんなシンプルなアタックが一番有効だったのでは。この日に限っては、ショートサイドを攻めたことでウェールズが息を吹き返してしまいました。　僕はウェールズが健闘した試合だったと思います。欲を言えばもう少し早くハーフ団を交代させたかったのでは。フィジカルとキッキングゲームでこらえて、後半にテンポを上げる９，１０番を投入。あの交代で切りどころがチームとして明確になりました。それだけでフォワードとしては次の展開が読めますから、リアクションスピードを上げられるのです。　野澤的マン・オブ・ザ・マッチは、ニュージーランド９ジミーカウワン。　相手に立ち向かう闘争心に加え、９番からのシェイプでの持ち出しが冴えました。「バックスの切りどころ」では、しっかりダイビングパスから速い球出しでテンポアップ。来年のワールドカップに向けて、ＳＨ像が見えてきたように感じました。

  Nov 20, 2010

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  神戸の写真をどうぞ！

  　帰ってきました！　神戸の写真です。　こちら、新神戸駅。　もうすっかり紅葉してます。　一週間滞在したビズフォートホテルは南京町からすぐ。　三宮で飲んで帰るにはちょうどいい距離です。　六甲山。　今回は神戸市、特に須磨方面を車で移動しました。　もちろん海もあり。　改めて住みやすい街だと感じました。　たまにはさわやかな日記で締めます（笑）。　週末はいよいよ決勝戦！　モードチェンジ！！　明日はやり残しがないように、最高の準備をしたいと思います。

  Nov 19, 2010

• ビタミンK

  ビタミンK神戸に来ています。陽平の結婚式以来でしょうか。その時はとんぼ帰りだったので、町中に出るのは本当に久しぶり。JR灘駅が立派になっていてびっくりしました。最近は環境の変化や、高校生も大会が佳境に入っていることもあって、少しピリピリしていたのですが、久々に大好きな街で仲間に会うこともできて、いい意味でリフレッシュしながら仕事をしています。やっぱり神戸の仲間は特別なものがあります。同じ時代に同じ目標に向かって、走って、苦しい思いをして・・・。みんな生活環境も置かれている立場も変わっていきますが、これからも腹を割って話せる仲間であり、且つ、一番負けたくない相手であり、ってことは一生変わらないと思います。ずっと車に乗って移動していますが、街も最高です。山があって海があって、食べ物が安くて美味しい。悪いところが見当たりません（笑）。これからも、何か同じ目標に向かって行動できることがあればいいなと思います。昔話をするには早すぎるっしょ！僕が好きなのは「これから」。「これから」が一番ドキドキしますから。忙しい中、お時間を作っていただいた方々には感謝です！ビタミンK（KOBE）をしっかり補給して・・・明日まで神戸で仕事、週末はいよいよ決勝、とそんな感じです。

  Nov 18, 2010

• フランスーフィジー「ファーストライン」

  【テストマッチ】フランス ３４ー１２ フィジー秋のテストマッチシリーズ、注目の一戦はフランスが勝利。ボールを動かすラグビーが持ち味の両者でしたが、セットプレーをはじめ、精度が違いました。フランスはディフェンスラインの上がりが速く、フィジーにアタックの間合いを与えないことが徹底されていました。それに対してフィジーも、エキストラマンを使わずうまくずらして対抗。 セットプレーやブレイクダウン、キック処理といった部分を制圧したフランスが徐々にフィジーを追い詰めて行きました。フランス最初のトライはペナルティキックが外れたボールを押さえたもの。それを追っている人間が一人ではないのです！その後もペナルティは確実に狙って、気づけば点差が離れていました。これがテストマッチでしょう！世界的な流れとして、近年は2段アタックが主流になりつつありますが、フィジーのファーストラインで崩すアタックは、今後日本ラグビーも追求して行くべき道だと思います。 フィジカルに勝れない相手に対しては、ボールを後ろに下げている間にアタックが難しくなると思います。また、裏を通すにしても、ファーストラインの脅威があれば、威力を大幅に上げてくれるはずです。一方、大雨の試合だったせいもありますが、フィジーが試合途中からパスの数を少なくして、ランナーが頭を下げたままのクラッシュに終始してしまったのは残念でした。彼らの強みである、ランスピードとアタックの選択肢を失ってしまった。あれでフランスとしては怖さがなくなったと思います。 フランスのうまいゲーム運びが際立った試合でした。「組織とは個人の総和を超えるもの」、その一方で、「組織を支えるのは、磨き込まれた個の技術の集積」だということを強く印象付けられた試合でした。

  Nov 17, 2010

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  小さな役割交代

  こんなん使ってます。 iphone用のキーボード。 これがあればipadいらずです。 また、モガに教えてもらいました。だいたい僕の文明は彼によって進化させられます。写真の左のところに携帯を立てて使用。折りたためるしかな～り便利です。池袋ビックラメラ、パソコン館にて購入！ 「一度、役割を交代させてみる」 現役時代、フランカーだった僕は、スクラムから内を抜かれるを極端に嫌っていました。しかし、そうすることで今度はSOのシザーズを見ることができず、苦労したことがありました。そのとき、たまたまメンバーが足りなかったか何かで8番をやる機会がありました。 8番の視点から見ると、フランカーの内側を走ってきた選手は非常にタックルに入りやすい「カモ」だったのです。フランカーだけをやっていたときは、迷惑をかけてはいけない、と思っていたことが、その立場に立ったときに、取り越し苦労だったことに気づかされました（もちろん、内を抜かれないにこしたことはありませんが）。 大きなポジションチェンジは、なかなか簡単に断行できませんが、こうした小さな役割交代には、なかなか大きな効果があるように思います。逆に、普段文句ばかり言っている人間を文句の矛先をやらせてみるものいいのでは。 というのも、先日、初めてアイロンをかけてみたのです。あれ、難しいですね・・・。1本シワを消すために、3本シワができてしまうという（笑）。奥さんに要求ばっかりしてたらあかんな、と。 ですから、何でも一方の視点から見ていたのではバランスが取りづらい。小さな役割チェンジが大局観を掴む大きな手助けをしてくれるのではないでしょうか。

  Nov 15, 2010

• 感動！女子バレー！から見る、リザーブ選手の生きる道

  　この土日は全日本女子がすごかったですねー。土曜日は世界ランキング１位のブラジルにファイナルセットまでもつれこむ逆転負け、昨日はアメリカに逆転勝利で銅メダル！！　結果もさることながら、ボールに対するひたむきさ、粘りはファンでない方も巻き込んでしまうものがあったのでは。僕自身も感動したし、本当にいいものを見せていただきました。ありがとう！　さて、その二日間の戦いを見ていて感じたのは「リザーブ選手の役割とは」ということです。僕自身、神戸製鋼ではリザーブスタートがほとんどでした。慶応時代、まったくと言っていいほど途中スタートしたことのなかった自分にとっては試合中、どう対応していいかに苦心したことを覚えています。　テンションを保ち、入った時に１００％の力を発揮できるようにしておくことも重要ですし、ピッチ内の状況を読んでおいて、そこに流されないことも必要。つまり臨機応変が求められます。今考えると、僕の一番苦手なところかも（笑）。　指導者になった今は、また選手とは違った目線でリザーブ選手を見るようになりました。　・ディフェンスがしっかりしている・ポジショナルスキルがしっかりしている・突破力を持っている　どの選手を途中出場させるかは、点差、試合状況によって大きく変わると思います。「試合中ネガティブになるのはディフェンスが通用しない時よりアタックが通用しなくなった場合である」というのが持論ですので、突破力のある選手は入れておきたい。一人ランナーが入ることで、他の選手が相乗効果で生き返ることって多々ありますから。今回の女子バレーでいえば、ブラジル戦の勝っている段階でそういう選手を投入したかったのでは。迫田選手とか。　ポジショナルスキルがしっかりしていることも、交代させる側から見ると魅力のある選手です。残り１５分間、自分の持ち場を完璧に抑えてくれる。そこで一つ杭が打てれば、試合は引き締まったものになります。　共通していえることは一芸に秀でていることかと思います。“持ち場”を持っていること。この辺りは「健太やります」を参照してください。詳しく書かれています！　この時期、なかなか試合に出られない選手がいるとすれば、もう一度「自分の強みとは何か？」を見直してみるはどうでしょう。そこを徹底できれば、新たなチャンスが回ってくるかもしれません。誰かが、きっと見てる！

  Nov 15, 2010

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  時間は伸びたり縮んだり・・・

  　各地で花園出場校が決定しているようです。　こうなると羨ましいですね。　注目は福岡、東京の第２代表。福岡高校２１ー７筑紫、国学院久我山３１－１４東京。記念大会で増えた福岡県の１枠に古豪福岡高校が名乗りを挙げました。そして東京は下馬評をひっくり返しての久我山の勝利。勝負の世界、勝った者が強い。身が引き締まる思いです。　詳しくは上田さんのブログ「上田昭夫のひ・と・り・ご・と」で。　さて、慶応高校は昨日に引き続き決勝への最終確認。昨日とほぼ同じメニューでしたが、昨日より短く、そしてクオリティは高くトレーニングすることができました。　決勝戦、最後は執念で決まると思いますが、それを発揮するための土壌がしっかりしているかどうかにかかっています。当日だけ執念が絞り出されるわけではありません。やっぱりそこにたどり着くまでのストーリーとメッセージでしょう。　「グラウンドに立った時、いくつの武器を選手に持たせてあげられるか」それはまさに行動しかないと思います。抽象的な言い回しですが。決勝戦前はこのくらいふわりとした言葉の方がいいかな、と（笑）。　決勝戦など大舞台では、普段と違った景色が見えるものです。国立で優勝した時は案外冷静だったかな。調子がいい時はお客さんの顔もよく見える。体と頭にかい離がある時は時計が進むのが極端に遅かったり。「まだ後半１５分！？」その時点で負けですね（笑）。耐えるしかありません。　目の前の局面に集中してファイトして、ふと時計を見たら残りあと１０分だったー。そんな時は気持ちがいいものです。それは用意してできるものではない。ふと、そのゾーンに入る時があるのです。高校生にも、そんな瞬間を味わってもらいたい。決勝に至るまでのこの一週間という時間も、きっと彼らにとって忘れられない時間になるでしょう。　いい感じです！　練習後、指導陣の決起会は「三ちゃん食堂」！　酢豚以外は５００円前後で食べられるという最高のお店です。「ちくわの天ぷら２００円」はもはや伝説！？素敵な時間を過ごせました！

  Nov 14, 2010

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  選手は大きく、僕は小さく

  　今日は学校の行事の関係でお昼からの練習。　決勝戦に向けて、準決勝でできなかった部分の確認をしました。この時期になって、ようやく怪我人がグラウンドに戻ってきてくれたこともあり、何だか人数が増えたような・・・。　最近感じているのは「ラグビーはボールキャリアである」ということ。　やっぱりラグビーって、ボールを持っている選手とそれを取り巻く２９人の物語なのです。相手の１５人は彼を死ぬ気で止めにかかるし、味方の１４人はそれを阻止すべくサポートする。ですから、ボールを持った人間の意志や根性が色濃く反映されるスポーツです。　現役時代、僕はサポートとプレッシャーこそラグビーだと思っていました。それも一つの真理でしょう。でも、もう一つ掘り下げるとそこにはボールキャリアの存在があるはずです。これ、現役時代に気づいてればな～。また違った人生になっていたかもしれません。　この２試合、なかなか自分達のラグビーができていない。その理由が今日の練習で少しわかったように思います。要は“雑”なんです。大きく戦ってしまっている。もちろん次は決勝戦ですので、ちっちゃいラグビーをしてもいけませんが、「神は細部に宿る」。選手は大きく、僕は小さく戦いたいと思います。　明日も９時からグラウンドです。

  Nov 13, 2010

• 人生はご縁だ！

  　先日、先輩とご飯をご一緒させていただきました。　そこで「人生はご縁だ」というお話をいただきました。　　「人生はご縁」、よく耳にする言葉です。　ただ、ご縁に出会えるようアンテナを張っていること、ご縁に出会った時に応えられるい自分でいることが大切であるとおっしゃられていました。　もっと自分はチャレンジしたい、と思っていた時に、今のお仕事をしてみませんかというお話をいただいたき、思い通りにいかないときでも、刃を研ぐことを止めなかったことがそのご縁に応えられる結果につながったそうです。ですから、ただご縁を待っていて、ただ出会ったご縁に寄りかかっているだけでは、十分ではないのです。　自分が今いる場所が安定してくると、どうしてもそこが心地よくなってくるものです。でも、そこで自分に満足しないで疑問を投げかけられるか、ということが分かれ道になるのかもしれません。“責任のベクトルを自分に向ける”、神戸にいるときにいつも言われていた言葉です。　やっぱりそこはタフさ。しつこい奴が強い。淡白な人は外的な要因に流されやすいのでは。うまくいっているときはいいですが、難しい状況になったときどう振る舞えるか、でしょう。「感情メモリー」の容量。感動、悔しさ、怒り、喜び・・・をどれだけストックしていられるか。これってしぶとさにつながりませんか？　話が逸れました。　ご縁の話に戻ると、毎日アンテナを張っておく必要はないと思うんです。それじゃ疲れちゃいますから。ただ、少なくとも、そうしたご縁に出会えたときに反応し行動できる準備だけはしておかなきゃ、と感じました。林敏之さんの言葉をお借りすれば「感動＝感即動」、感じたら動け、動けるようにしておけってことです。　突き詰めていくと、やっぱり基本に行き着いちゃうんですよね。自分に嘘つかないとか、人の立場に立って考えるとか。　全部知ってるんだけどな～。　全部ラグビーに出てくる要素なんだけどな～。　実行するのってホント難しい（笑）。それに挑戦していくことが人生なのかもしれません。しぶとくいきましょう！

  Nov 12, 2010

• いよいよ！ファイナルは別の世界！？

  　いよいよ高校ラグビーは来週が決勝です。　ＡＰＥＣの影響で、今週は神奈川県の試合はお休み。　ここまで長かったような、短かったような。　昨年は、初めて指導者として臨んだシーズン。決勝で桐蔭に敗れてシーズンを終えました。自分の無力さを痛感した瞬間でした。最後の試合、真っ向勝負して来い、と彼らを送り出せなかった。そこが今の自分の原点になっています。　今年はとことん幹にこだわってチームにコミットしてきました。相手に当たる部分にフォーカスし、徹底してきました。タックル、ブレイクダウン、とも選手の成長には目を見張るものがあります。まだ、道半ばですが。　ファイナルのゲームには、ファイナルのゲームにしかない要素がいくつかあると思います。そこでは、困難にどう立ち向かうか、極限状況でいかに個人よりチームを優先できるかなど、人間としての生き様が色濃く反映されます。　以前、何かのインタビューで元サントリー監督の清宮さんが「ファイナルプレーヤー」ということをおっしゃっていました。リーグ戦で活躍する選手、ここ一番のトーナメントで力を発揮できる選手は別である、と。それはリスクやプレッシャーなど、状況の変化が出るからでしょう。　元東芝監督の薫田さんもこうしたことをグラウンドに反映させるのが非常に上手かった。日本選手権？ヤマハとの一戦で（途中出場した）野人さんこと宮下選手がフェヌキタウに一撃必殺のタックルを見舞ったことを勝因に挙げていたことを思い出します。その一発のタックルでフラフラになった野人さんは退場してしまうのですが、あのタックルがグラウンドの空気を変えたことは間違いありません。まさにファイナルプレーヤーのなせる業です。　僕には、まだそうした流れを見抜く力はないと思うので、彼らが自信を持ってグラウンドに入っていけるよう、最大限の努力をしたいと思います。持論ですが、緊張しないとダメ。いいプレーはできません。緊張こそ、最高のパフォーマンスを引き出してくれるアイテムです。　この時期って、独特の空気が流れるんですよね。ちょうど寒くなって、空気がどんどん透明度を増していくような。ラグビー選手ならでは感覚かもしれません。引退しても体が反応してしまうものですね。　これって、ずっと続くのかな？

  Nov 9, 2010

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  『実行力１００％の会社を作る！』　小売り業を人間まで掘り下げた最高の一冊！

  　『実行力１００％の会社を作る！』（大久保恒夫著、日本経済新聞出版社）読みました！　大久保さんを知ったのは、ＮＨＫ「プロフェッショナル仕事の流儀」。ユニクロ、無印良品、成城石井を改革した“小売り再建のプロ”（帯より）が書いた一冊です。「成功体験のビジネス書=つまらない」という僕の方程式を見事に崩してくれた、非常に読み応えのある名著です！！実行力100％の会社をつくる！価格：1,680円（税込、送料別）・言い回しが明瞭。数々の現場を体験してきた大久保さんだからこそ言い切れる小気味よさ！・企業秘密を感じない　大概のビジネス書は「ここからは出せない情報」を感じますが、本書からはそれを感じない！みんなが知っていることをとことん突き詰めて正直に実行している。できるものなら真似してみろ、ではなく、この本を読んだ人が幸せになるように。まわりまわって、社会がもっと良くなるように、という大久保さんの心意気を感じます。・人の歩むべき道を説いている　「数字で評価しない」「あいさつを徹底する」「人を動かすには強制でなく納得」「人の成長でしか会社は伸びない」掘り下げれば、ラグビーも小売業も行き着くところは同じなのだと気づかされました。大久保さんにとってはもはや小売りは“仕事”ではない！？　一つのことを突き詰めてきた大久保さんだからこそ書けた、小売り業を志す人だけでなく、誰もが読むべき一冊！

  Nov 9, 2010

• 南アフリカーアイルランド　この苦しみが成就するか！？

  【テストマッチ】　南アフリカ　２３－２１　アイルランド　いよいよ南半球の北半球遠征がスタート。南アはイングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランドと対戦するグランドスラムツアーです。ま～、ほんとに彼らはいつ休んでいるんでしょうね。頭が下がります。　南アフリカは、初戦でしたがディフェンスがよく整備されていました。上がりが速く、コンタクトフェーズはお得意の体の当て方、アシストタックラーが躊躇なく飛び込んでくるディフェンスも相手にとっては脅威です。　南アフリカは１．長いドロップゴールと２．強いブレイクダウン、３．正確なハイパントキャッチ、４．前に出てグラウンド幅を狭くするかぶり気味のディフェンス、５．ラインアウトでのマットフィールドの卓越したディフェンススキルで、完全に相手を支配してしまうゲーム運びが持ち味でした。　ただ、今期のルール改正を受けてブレイクダウンでのブローやコンテストが難しくなったことで、クイックなボールをリサイクルされ、そのバランスを崩してしまった。もっと言うと、自分たちからルールに対応しようとすることで迷宮に迷い込んでしまった感があります。　タッチにも出せない、安易にキックも蹴り返せない、その中で相手が苦しまぎれに攻めてくるという“最高の得点源”を失ってしまった結果、今シーズンは本当にアタックで苦しんでいます。こんなにも変わってしまうものなのかな。　アイルランドのディフェンスと南アフリカのタレントを比べればもっと得点差が開いていてもおかしくない試合でした。アイルランドのはディフェンスで視野がブレイクダウンに向いており、前を見て判断している印象は受けませんでした。９シェイプ、順目アタックにこだわらなければ、簡単にブレイクできていたのでは。あの物量作戦は、ＦＷの選手には酷です。　ただ、来年のワールドカップに向けては、非常にいいピーキングといえるかもしれません。いい意味で吹っ切れた状態で本戦に入れる可能性もある。前大会では、ニュージーランドが主力選手をスーパー１４で休ませたことがやり玉に挙げられましたが、この辺りは結果責任でしょう。うまくいけば賞賛され、それ以外は大ブーイングを食らう。　でも、そういう責任を負ってラグビーをできるってこと自体が幸せだと思います。話は横道にそれましたが、まずは苦しみながら南アフリカが初戦の勝利をもぎ取った、そんな試合でした。

  Nov 8, 2010

• ジャパンーロシア　これから必要になる選手“これ必”

  【テストマッチ】　ジャパン　７５－３　ロシア　秋のテストマッチシリーズ、ジャパンの最終戦は圧勝！実力差通りの点差、でもなかなか開かない点差。前半３９分のトライにつながった広いアタックラインの中での短いパス、後半センターに入ったロビンスへのラインアウトからの９－１２のフラットパス。　こうした前に仕掛け、スペースに入り込んでいくアタックが効いていました。深い距離のあるパスを回している中で、このような緩急をつけていけるとジャパンの強みになっていきそうです。　それにしても、外国のチームは粘り強いですね。開始５分を見て、これは１００点ゲームかな、と思いましたが、プレーの中で勘どころをつかみ修正する能力がやはり高い。最後は切れて大量失点しましたが、ジャパンが彼らの緊張を切るまでにかかった時間は７０分。結構しぶとくついてこられました。　そのあたりが今後の課題になってくると思います。すべての局面はオーガナイズされていました。そのプレーの精度を高めるということでしょう。精度とは相手のどこを狙うかから始まって、与える重み、痛み、乳酸ということです。　ロシアの選手の息が上がって顔が真っ赤になって、もう低いボディポジションをとれない・・・。これが「参った」という状態だと思いますが、そこまでたどり着くのに７０分かかった、ということです。力の差を考えれば、もっと早くにこうした状態までもっていきたかった。ロシアから見ると、怖さがなかったのだと思います。　今後、苦しい場面で杭になる選手はだれか、圧倒的不利の中で踏ん張れる選手の選定が必要になるのでは。フィジカルで圧倒できていたり、危機管理能力の高い外国人選手とプレーしているトップリーグで、こうした選手を見極めることは非常に難しい作業です。　外国人選手だってワールドカップでは自分のことでいっぱいいっぱいでしょう。より自立した日本人選手のセレクションが重要になると思います。心情としては、トップリーグで頑張っている選手が選ばれて活躍しているのはやはりうれしい。　コリニアシ選手はきついところで体を張っていましたね。ディフェンスが揃っているところへ縦に走りこめる選手は貴重。僕が選ぶマン・オブ・ザ・マッチです。田邉選手も判断間違いが少なかった。三洋の選手の充実が光りました。

  Nov 8, 2010

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  対抗戦　慶明戦　予想通りでなかったこと

  【関東大学対抗戦】　明治大学　２０－１７　慶応大学　縦の明治、横の慶応。伝統の一戦は明治に軍配。　スクラムで優位に立つ明治は予想通り。ブレイクダウンからの素早いリサイクルで攻める慶応も予想通り。ただ、テリトリー勝負で明治が健闘しました。　試合前、僕はもっと明治がキック合戦で押されるのではと思っていました。後半、ペナルティが重なったこともありますが、慶応が明治の重いＦＷを真正面から受け止める時間帯が長かった、つまり自陣での戦いを予想以上に強いられたのではないでしょうか。　明治は運動量は多くありませんでしたが、１対１での勝ちが少人数のリサイクルを可能にしました。スクラムも下馬評通り。ただ、つっかけは互角でも、そのあとプッシュできることを考えると、後ろ５人のプッシュの差が大きかったと思います。モールも前半は慶応の対策に苦しみましたが、後半は自分達の組みたい形ができていたように見えました。　慶応はブレイクダウンの集中力が素晴らしかった。ブレイクダウンはボールキャリアとアライバルプレーヤーで構成されますが、そのどちらもクオリティが高かったと思います。特にボールキャリアのボールを扱う技術（たとえばリリースなど）は試合を通してコントロールが効いていました。ヒットする肩が決まっているので、アライバルプレーヤーの寄りも、相手より一歩速くなる。これは高校生も見習ってほしい。　あとは体を当てるところでしょう。やっぱり飛び込んでしまう癖がありますね。前にも言いましたが、これは慶応の伝統です。首根っこで相手を捕まえるようなコンタクトが出てくれば、今の完成された組織がさらに機能してくると思います。　浅いコンタクトだと、視界に相手の体が見えるのですが、本当に芯を食った時って、相手が見えないんです。それくらい深くまでコンタクトするってことだと思います。　あとはたとえば“低いプレー”の低さをどこで作れるか。頭が低いのか、腰が低いのか？骨盤が相手の体に密着するコンタクト、そのための踏み込み足の相手との近さですよね。　やっぱり最後は１対１ですから。主力に怪我人が多く、苦しい台所事情とのことですが、次はいよいよ早慶戦。いちＯＢとして熱い試合を期待しています！　（たまたま花園神社のお祭りに遭遇！花園予選中に縁起がいいです）

  Nov 7, 2010

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  練習は裏切らない、良くも悪くも！　神奈川県準決勝

  　全国高校生大海神奈川県予選の準決勝。　対関東学院戦は３６－０で勝利することができました。　今日の試合の感想は「練習は決して裏切らない・・・良くも悪くも！」です。　非常にミスと反則の多い試合でした。　昨日の練習からイージーなミスが多かったですが、厳しく言いませんでした。メッセージを送るこちら側に甘さがあったのかもしれません。いらない反則も多く、終始ペースを握れない６０分でした。勝てたので次に活かします。　通用したのは、チームがスタートした時から取り組んでいるタックルとモール。今週の練習で修正した部分は悪くなかったです。これはいい傾向かなと思います。やったことはできて、やらなかったことはできない。シンプルですね。　諦めずメッセージを送り続けます。なかなか聞いてもらえないのですが（笑）。やっぱり実務レベルでの解決策、つまり理屈ではない部分まで落とし込めないと試合で出てきません。　まだ試合を見ちゃってるんですよね。目の前の局面に１００％集中できていないというか。強いフェーズの積み重ねが試合を支配するようなゲームを目指します！　９月から何度となく合同練習してきた志木高が昨日、準決勝で浦和高校に敗れたとのことです。一緒に花園へ行こう、と話していただけに大変残念です。土のグラウンドをお貸しいただけなければ、この２試合はもっと苦しんでいたと思います。くさい言葉ですが、彼らの分まで背負って、次の一戦に臨みたいと思います。

  Nov 7, 2010

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  対抗戦　早稲田－帝京　早稲田力を見た！

  【関東大学対抗戦】　早稲田大学　３３－１４　帝京大学　対抗戦上位校対決第１ラウンドは早稲田が、昨年の王者・帝京を撃破！両チームとも基本プレーがしっかりしており、非常に見応えのある一戦でした。緊迫した１対１の攻防が途切れなかった８０分。早稲田は帝京お家芸のブレイクダウンで一歩も引かず。「一つのことをやり抜く力」これぞ「早稲田力」！　（スタンドは超満員！）　帝京も個のタックルやスクラムなど、キモをしっかり押さえたチームに仕上がっています。トーナメントを意識したチームづくりです。ただ、この試合では３点気になる個所がありました。１．ブレイクダウン周辺のディフェンス　早稲田もスカウティングから、この部分を攻めていましたがブレイクダウン周辺の選手が斜めに前に出てしまう。結果、内返しのプレーに対し弱い方の肩でタックルに入らざるを得ない状況になっています。ブレイクダウン周辺を守る選手は、２パスがスライドするタイミングです。２．モールでの首の入れ替え、腕の切り　モールも質量、圧力ともインパクトがありますが、首を入れ替えないため、体が横を向いてしまう場面が多く見られました。左に行きたいときは左で圧力を背負わない。背負ったら首を抜いてモール全体をそこへ導いていく必要があります。そのときにはバインドをうまく外して腕を内側に入れていく。バインドは時に武器であり、時に弱点にもなります。いずれにしろ、横からあおってくる圧力に対しての対策を持っておく必要でしょう。３．スローボールからのアタック　この試合、スローボールから執拗にフォワードがブレイクダウン周辺を攻めましたが、無理に攻めることで重いフォワードが寝て起きてを繰り返し疲労してしまっていました。ここはもう少し広いスペースを使ってフローターを巻き込むようなシェイプを持ちたいところ。最悪ドロップアキックで、決まらなくともキックカウンターからゲームを組み立て直す、くらい大きく構えておいていいのでは。　今期の大学ラグビーを見ていると、「鉄板をいくつ持っているか」で最後の王者が決まりそうな予感です。ルール改正の影響もあり、矛と盾では前者に分があると思います。その意味では早稲田はバックスアタック、帝京はスクラムが今後のカギを握るのではないでしょうか。　こういう試合を見ているとウズウズしてきますね。トップリーグマスターズリーグできないかな（笑）。辻さん、直弥さんあたりと…。久々体当てたいな、と思わせてくれた一戦。好カードは男らしい試合でした。

  Nov 5, 2010

• リーグ戦　法政ー関東　生き様が凝縮された８０分

  【関東大学リーグ戦】　法政大学　38-27　関東学院大学　今期調子が上がらず苦しい戦いが続いていた法政が宿敵、関東学院を破った一戦です。何といっても勝利の要因は“タックル”。伝統の速く前に出るシャローで、突破に優れる関東学院の前進を止め続けました。前に出ることで、抜かれるゾーンは“外”。抜かれどころを共有できますので、バッキングアップへのリアクションが速さ・質ともに素晴らしかった。「一つの約束事を徹底する」ことが生み出した相乗効果と言えるでしょう。　関東学院も非常にクオリティの高いラグビーを見せてくれました。まだまだ大学選手権に向けてチームを作っている最中でしょう。「この一戦」で戦えた法政との差が点差に現れた感じで、やはり底力はあります。法政のシャローのディフェンスに対しては対策を講じるよりも、自分たちの今ある強みで勝負していたように感じました。　前に出て、相手の判断する時間を奪い勢いを殺すディフェンスは１．いかにして前に出させないか２．前に出る分横の振りやデコイに弱いということが挙げられます。アタックのテンポを上げる、パスの数を少なくしてゲインラインに近いところで勝負する、アングルチェンジ、２段アタック、ショートサイド、グラバーキックなどが効果的かなと思います。　関東学院としてはディフェンスが修正課題ではないでしょうか。８０で飛び出し、６０で様子をうかがい、１００で相手にコミットするという「アップーバランスースマッシュ」の緩急がタメの効いた効果的なタックルを生み出します。この日の関東学院はここがキマっていませんでした。笹倉君ら個に優れたタックラーに少し依存してるように感じました。　外側の選手が内側の選手を追い越してそのギャップを何度かラインブレイクされましたが、やはりそこは原則に則って、内側の選手を視野に入れながら（使いながら）外側の選手はディフェンスしたかった。プッシュアウトするディフェンスでは外側が前に出ていいのはボールが空中にある間だけ。もし、飛び出すのであれば、追い詰め方は「外から内」だと思います。　この一戦は、どちらのチームにとっても大きいものだと思います。結果が出ず苦しんでいた法政はもちろん、関東学院にとっても原点回帰できる、いい内容だったのでは。　三枝匡さんは著書で「Ｖ字回復をするときは右肩上がりになる直前が一番苦しい。死の谷を経験するからこそ、Ｖ字回復できる」とおっしゃっていますが、まさにその通りですね。どこまで諦め悪くもがけるか。　そこにかけてきた人間の取り組みが凝縮された８０分でした。

  Nov 5, 2010

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  高校も、大学も。ラグビーな一日！

  　昨日は朝から日吉へ。　試合期間中ですが、激しいコンタクト練習を実施しました。初戦は勝ちを意識するあまり、目の前の相手に勝つ、というラグビーの最も肝の部分がぼやけてしまっていました。森を見て木を見ず、といったところでしょうか。　ここからステップアップしていくには、局面へのこだわりが必要不可欠だと感じています。相手とぶつかるところでの負けはすべてに影響するものです。ペナルティが多い、ディフェンスで立ち遅れる、キックで頭を越されてしまう・・・。これも、突き詰めれば一人一人が目の前の相手に勝てなかったということだと思います。　選手たちも意欲的に取り組んでくれ、引き締まった練習ができました。特に試合に出られないメンバーの集中力が高く、Aチームを圧倒する場面もありました。いい循環です。　自分が全力を尽くしてもがくからこそ、心底味方を応援できる。そこに嘘があれば、形だけの応援しかできないはずです。彼らの成長を見るのは本当に楽しい。スラムダンクの安西先生じゃないですが、最高の道楽です。　練習の後は、全部員とコーチンぐスタッフで慶明戦の応援に行ったそうです。惜しい試合だったようですね。僕は筑波大ー立教大の解説をさせていただきました！＠三ッ沢球戯場。　この日は成蹊大ー日体大のダブルヘッダー。今季の対抗戦はきれいに全勝、全敗に分かれましたので大学選手権、残留争いが熾烈です。　第１試合は成蹊大が勝利！アタックでもディフェンスでも前に出続けた素晴らしいラグビーでした。やっぱりラグビーは気合です！　筑波－立教は差が開きました。筑波は個人がしっかりしています。４チームの中では、大学選手権出場に最も近いチームでしょう。チームが仕上がってくれば、大学選手権で台風の目になるのでは。　　この日の実況は谷口さん！最近このコンビ多いです（笑）。

  Nov 4, 2010

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  リーグ戦　東海大ー流経大　組織と個と

  　慶応高校の試合を改めて見直しました。　やっぱり試合中とは別の部分が見えてきますね。ですから試合後すぐに選手にメッセージを発するのはどうなのでしょう。彼らも疲れていますし、こちらも熱くなっているのでクールダウンするべしという考え方もありますし、その時だからこそ送れる生の声というのもあると思います。ケースバイケースですね。　ビデオで見返してみると、随分緩い局面がありました。試合に勝つことに頭を奪われて、目の前の１対１で勝つことがおざなりになっていました。これがあらゆる局面に波及してゲームを難しくしていました。立て直すとしたら、この辺りでしょう。それを試合中感じられなかったわけで、僕もまだまだです。緊張していたのかな。【関東大学リーグ戦】　東海大　３４－８　流経大　今期充実が伝えられる東海大学の試合を初めて見ました。　個々が優れたランナーで、バックスからもフォワードからも崩せるタレントが揃っていますね。スクラムも重さがあります。１次防御で崩されると一気にゴールまでボールを運ばれる怖さのあるチームです。　おそらくまだチームを整えている段階でしょう。大きく戦っていましたが、それで今期全勝の流経大にこの点差。この試合は多くのペナルティを取られましたので、修正してくるでしょう。特にマイボールのブレイクダウンでのペナルティが目立ちました。ボールキャリアが倒れた時の体の入れ方などはこれからでしょうか。　「まだチームを整えている段階」と感じたのは、それぞれの強みがまだリンクしていないためです。ＦＷとＢＫのつなぎの部分であったり、立ってつなぐブレイクダウンであったりが、一つのストーリーにはなり切っていない印象を受けました。　藤島さんも解説でおっしゃっていましたが立ってつなぐこと自体は目的ではないので、そこで生まれた優位性をいかに相手にぶつけていくか、が今後の課題になるのでは。　組織は個の力を最大化させるものでなければならない。この辺りが整ってくれば、対戦相手には脅威となると思います。それくらい一人一人の力が突出している。上位校との対戦、気が早いですが大学選手権が楽しみなチームです。　（先日、大学の後輩、ミゾが結婚の報告に来てくれました。お相手の梢ちゃんはラクロス部でうちの奥さんの後輩だそうです（写真右）。弟も先ごろ博多から東京に戻ってきました（写真左）。ミゾは大学時代の部屋っ子。忍耐力のある男です（笑）。）

  Nov 2, 2010

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  対抗戦　明治―立教　非合理の合理

  　　土曜日の練習後は新宿「もーやんカレー」へ。　驚きの費用対効果！コクのあるカレーだけでなく、何種類ものお惣菜やモツ煮からなるバイキングがついて何と１０００円！どれも美味かった～。さすが、グルメキング・モガの一押し店なだけあります。【関東大学対抗戦】　明治大　７１－３　立教大　終わってみれば大差がついたこのカード。　しかし、試合序盤は立教が前へ出るディフェンスで対抗しました。立教はＳＯからの１パスで相手との間合いを詰め、鋭いタックルを繰り出しました。今後、入れ替え戦を争う戦いの中で、このディフェンスの良さをゲームにどう還元するか、がキーになりそうです。　まずは、タックラーが乗り越えてターンオーバーを狙う。そうなってくると、相手も容易に自陣からボールを動かせなくなるでしょうからキックが増える。そうなればカウンターアタックのチャンスも生まれてくるはず。そこにラインアウトとモールが効果的に決まってくれば、相手を追い詰めることができそうです。　一方の明治は危なげない戦いぶり。特にアライバルプレーヤーが高い位置（ボールより前）で相手とコミットしようという意識を持ってプレーしています。オブストラクションの反則を取られる場面もありましたが、洗練させてくれば効果的です。　恐らく慶應との試合ではいい状況でボールを持ったり、いい場所でスクラムを組む機会を持つ、ということ自体が難しくなると思います。その時に、どこまで１対１にこだわれるか。強いパターンをいくつ試合で出せるか、が勝負の分かれ目になるのでは。　たとえば、どんな状況であれ、相手にタックルで勝ちあげられたプレーヤーはメンバーから外すなど、選手にどうメッセージを与えるかも重要になってくると思います。ようやく色のあるチームが大学ラグビー界に現れかけているだけに期待は高まります。無理を押し通すから、明治ラグビーは面白い！無責任な言い方ですが、“非合理の合理”そこが明治ラグビー復活のキーワードではないでしょうか。

  Nov 1, 2010

• 日本―サモア　ボールキャリア！

  【テストマッチ】　日本　１０－１３　サモア　秋のテストマッチシリーズ第１戦。　大雨の中での試合となりましたが、日本がサモア相手に惜敗。前半開始早々ＦＷでプレッシャーをかけて１０－０としたときは、圧勝してしまうかな、と思いましたが、外国人は試合中にコミュニケーションを取って息を合わせてくるのがうまい。これは万国共通です。何故なんでしょうね。　サモアはフルメンバーのほとんどがヨーロッパに残った状況での苦しいメンバー選考だったようですが、ディフェンスの内側からのプッシュは相当な運動量がありました。体の芯で相手をとらえる技術も非常に高かった。この辺りは見習うべきところでしょう。日本では外国人選手と堀江選手がそのスキルを持っていると思います。　強く体を当てるには、どこにポジショニングするか？ということも大切です。この試合、日本のディフェンスは時間が経つごとにポジショニングがポイントに寄ってしまっていました。そうなると、どうしても斜めに飛び出さざるを得ませんから、体を強く当てるのは難しくなります。　日本としてはキッキングゲームは終始安定して優位性がありました。モールも押せていた。この二つに何を加えたら、相手を手詰まりにできたか？ということだと思います。　たとえばモールを押している段階でボールを動かすことだったかもしれません。内側からのエキストラマンが斜めにアングルで切っていくようなプレーを用意することで、相手の選手がよりフローターに立たざるを得ないシチュエーションを作ることも相手のディフェンスを難しくしたと思います。もしくはラインアウトで徹底的にプレッシャーをかけられることも相手としては嫌だったのでは。いずれにしろ、もうひと工夫ほしかったです。　一番気になったのが、ボールキャリアのボディポジション。どのような約束事があったのでしょうか。腰高で横や後ろを向いてしまう選手が多かった。“１対１で勝つ”という部分が弱かったと思います。　ボールキャリアは大工道具でいう“ミノ”のようなもの。そこが強いからこそ、後ろからアライバルプレーヤーも強く当てこめるはず。この辺りはトップリーグとインターナショナルゲームとの一番の差ではないでしょうか。

  Nov 1, 2010

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  １０/３０ブレディスローカップ　理屈を超えた最高の試合！

  　土曜日は“台風”。　慶応高校の練習を終えて、JSPORTSへ。ブレディスローカップの解説をさせていただきました！！いや～、とにかくすごい試合！２６－２４、ラスト１プレーでオーストラリアが同点に追いつき、オコナーのキックでサヨナラ！対ニュージーランド戦の連敗を１０でストップさせました。　ニュージーランドは、単純なハンドリングエラーとペナルティが多かったか。試合のほとんどの時間を優位に進めましたが、最後に詰めの甘さが出た試合でした。ただ、ラインディフェンスの上がりは終始速かったですし、アタックでは自分達のセットプレーからトライを取り切るなど、チームとしての成長も感じさせました。　一方、３フランクス１０カーターら、圧倒的な力を持つ選手が退くと、流れはオーストラリアへ。前回のワールドカップでもカーターが退場した後、一気にフランスに逆転されたことを思い出してしまいました。３フランクスは非常にいいパフォーマンスを見せていました。スクラムでは、真っすぐ相手１番を押し込めますし、ブレイクダウンでも好テイクアウトを連発していました。彼に続くタイトヘッドプロップの育成が急務ですね。そういえばハイマンってどうしたのでしょう。　一方のオーストラリアも巨漢プロップ、アレグザンダーが戻ってきたことは明るい材料。トライネーションズではスクラムに苦しみましたが、これで目処が立つのでは。キックの飛距離が飛躍的に伸びた現代ラグビーでは、グラウンド中盤でのペナルティは命取りです。特に今期はアタックの継続に有利なレフリングですから、一度攻められると、そのアタックを断ち切るのが非常に難しい。その観点からも、スクラムは来年のワールドカップで大きなポイントとなるでしょう。　オーストラリアが奪った最後のトライは、もう理屈じゃないですよね。根性、気合。あれこそ魂のトライでしょう。全員が不屈の闘志で最後までボールを継続した。“らしい”トライでした。ラグビーは一つの勝利で、ガラッとチーム内の雰囲気もメディアの評価も変わりますね。これで来年のワールドカップが更に面白くなりました。　逃げ切れるかニュージーランド、間に合うか、オーストラリア。　（実況は大前さん！）

  Oct 31, 2010

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  神奈川県予選スタート！

  　神奈川県全国大会予選準々決勝。　慶応はシードされ、今日から登場です。　対戦相手は法政二高。僕達の代が花園に出場した時の決勝のカードです。初戦で、歴史のあるチーム、さらには苦手な土のグラウンドという環境の中で、３８－０。みんな珍しくガチガチで、練習してきたこともへったくれもありませんでしたが、しっかり体を当てられた部分は成長の証し。高校生は、こういう怖さ？楽しさがあります。　（奥さん撮影）　ディフェンスではマンガくらい視野が狭くなっていました。ほとんど根性で止めてたな。土壇場になって彼らが選択するプレーは、一年間継続してきたことですね。今年はディフェンスとブレイクダウンのチームです。ブレイクダウンは相当細かいところまでこだわって落とし込みました。　この時期になると昨年のことを思い出します。　本当にみんないい顔になりました。やっぱり高校二年から三年の伸びってすごいですね。昨年はまだ頼りなかった選手がチームを支えています。来週日曜が準決勝。彼らの夢が叶うよう、僕も全力でサポートしていきます！　（モガ。ジュニアコーチ）　（おまけ。阿久根さんがでか過ぎるという写真）

  Oct 31, 2010

• 対抗戦　帝京－成蹊　アタックに厚みを生む一つの約束事

  【関東大学対抗戦】　帝京大学　８６－７　成蹊大学　帝京大は終始“自分達のラグビー”を崩さず。基本プレーが非常にしっかりしています。ハイパントを上げながら、自陣からはキック、敵陣ゴール前ではモール。その精度が高い。ラインアウトからは９番滑川君が持ち出して１パスアタック。どれもシンプルな選択肢ですが、インパクトのあるものでした。　成蹊大はラインアウトが安定していたことと、前に出るディフェンスが機能し、序盤、引き締まった試合に持ち込みました。特にディフェンスでは、内側のプレーヤーを外側のプレーヤーが絶対に追い越さない、など約束事が徹底されていました。ただ、後半に入って帝京に出足が早いことを見破られてからは難しいゲーム展開になってしまいました。　帝京大はまだまだ組織より個人の力を伸ばしながらチームを作っている段階に見えます。こうして対抗戦で選手を試しながら大学選手権で勝負できるチームを作る、というテンポはトップリーグ以前の社会人ラグビーに似ていますね。今は社会人の方が開幕からピリピリです。　アタックではタッチラインからの折り返しのところだけフォームが決まっているのかな。デコイランナーを使いながらディフェンスにかぶられてグラウンドを小さくされないよう工夫されています。後は１対１でボールキャリアがしっかり勝負。　ただし、他のチームと違うのがボールキャリアの外の選手の上がりの速さ。顔出しがチームで義務化されています。これがアタックに厚みを与えていると思います。言い換えれば、それだけボールキャリアが相手の裏に出ようとしてくるのです。ツイ君らフィジカルに勝る選手も半身ずらしながら体を相手の裏に出してくる。大きなＦＷ陣が小さなフットワークを使える。結構長い時間かけて仕込まれた印象を受けます。　帝京は１１月３日に早稲田と対戦。確か昨年は１０月３１日に同じカードの試合があったように思います。あの時はチームもっと仕上がっていませんでしたが、個々のタックルレンジの広さと強さが際立っていました。「選手権に入ったら怖いチームになるなあ」そう感じたことを思い出します。　昨年に比べてトーナメントを制したことがチームに自信を与えていることは明らかでしょう。今年はまた違った軸を持ったチームに仕上がりそう。チームのピーキングのもって行き方も大学ラグビーのキモの一つですね。

  Oct 29, 2010

• 対抗戦　早稲田大－日体大

  【関東大学対抗戦】　早稲田大学　９１－３　日本体育大学　試合開始から早稲田が日体大を圧倒！　早稲田は試合ごとに仕上がってきています。前半は相手のチャンネル１を攻め、ＳＯとＦＷのつなぎ目の部分でラインブレイク。１次からのビッグゲインを確実にトライに結び付けました。　早稲田の１次攻撃は１対１、はじめから抜きにかかります。この辺りは、１次攻撃でバックスを巻き込み、グラウンドの中央にプラットフォームを作って２次でゲインを狙ってくる慶応とは対照的です。　とにかく、あれだけのランナーが揃いますから一度ゲインを割られると挽回するのが難しい。ブレイクダウンもきっちり頭と肩が相手の内側に入っていて、基本が試合を通してなかなか崩れない。そこにずば抜けたランとパスを持っている山中君がＳＯにいるわけですから相手としては難しい試合を強いられます。　日体大も苦しんでいましたが、スクラムでは早稲田の１番アップをどう止めるか。１番が割ってくるだけなら３番が対処できると思いますが、全体でプッシュをかけてきます。早稲田と対戦するチームは、フランカーがプロップを助けるような組み方が求められるでしょう。　この辺りは海外のスクラムワークが進んでいる部分。神戸にオタゴのスクラムコーチだったカンバーランドが来たときも、まずやったのが１番アップとその対処だったように記憶しています。とにかく３番がやられているのに次のプレーばかり気にしていると、こっぴどく怒られました。マコウやバーガーがどう１番アップに対してスクラムを組んでいるか、参考になると思います。　日体大はなかなかバックスアタックでゲインを切ることができませんでした。アタックラインの深さに問題があるように思います。同じ深さのラインでいくのであれば、２段アタックやアングルチェンジ、内返しなどの備えを持っておく必要があります。ブレイクダウン周辺でいくつかいいラインブレイクがありました。ですので、９番と１０番からのアタックがリンクしてくると相手としては止めにくいのでは。　次戦はいよいよ早稲田は帝京と対戦。強豪校同士の星の取り合いがスタートします。１１月３日は秩父宮で早稲田－帝京、慶応－明治が激突。今期一番のお客さんの入りになるでしょう。

  Oct 28, 2010

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  フロント会に呼ばれる男でいたい

  　昨日は高校生のフロントロー会。　スクラムコーチの関根さんが音頭を取り、高校生と有意義な時間を過ごすことができました。お世話になったのは南武線、平間駅にある焼肉『北京』さん。お店に入ると煙がモクモク。壁には多くのアスリートの写真が貼られていました。　東京に帰ってきてから食べた焼肉屋さんでは一番美味しかったかも。こちらはハツ。これで１．５人前。とにかくすごい量でした。このほか、ロース、カルビ、ホルモン、タン塩と外れがありません。　高校生って、ある面では大人である面はすごく子供なのです。理路整然と、支離滅裂が混在していて、それはそれは面白い！彼らには彼らの社会があるんですね。さすがお年頃、みんな異性に興味心身で（笑）。彼らと話していると時間を忘れます。　フロントロー会に呼んでもらえるって、僕としては誇りなんです。やっぱＦＷって背番号が小さい方が男気を感じるじゃないですか。縁の下の力持ちのフロントロー会に声をかけてもらえっていうのは一つの勲章でしょう。認識、間違ってますか？？　神戸製鋼時代から、フロントロー会に何度か参加させていただいていました。究極に飲んだ覚えがあります（笑）。それで、ＦＷ会になると「ハーフ談もＦＷの心を理解してなきゃダメだ」とかいって、無理矢理ゆうき（今村）や陽平（西田）を参加させては撃沈させていました。　でも、そういう場で体を張ることがグラウンドでの信頼につながっていました。そこでコソコソやっていると「もう、サポート行かんぞ～」って。どういう理屈でしょうか。勇敢に撃沈すると「あいつ、根性あるやんけ。おもろいなあ」と、なるわけです。　チームに入った１年目は、そういう文化が嫌で嫌で仕方なかったのに、引退する頃は率先してやってるんですから、輪廻転生。笑っちゃいますよね。今はプロ化が進んでいるから、そういう集まりは少ないのかな。　とにかく、昨日は楽しい一日でした！　よく練習して、よく食って、よく寝る。大西さんのブログに同じようなことが書いてありましたが、いつの時代も、これがラグビーの基本ですね。ちなみに大量の肉の他に高校生はどんぶり７杯。　僕もついつい食べ過ぎました。

  Oct 27, 2010

• 対抗戦　慶応－筑波　“この一戦”で戦えた！

  【関東大学対抗戦】　慶応大　１９－１５　筑波大　主力に多くの怪我人を抱える慶大が筑波大を気迫で退けたゲーム。“この一戦”で戦えた慶応はさすが。チーム内の張り詰めた緊張感がこちらにも伝わってくるようなリアクションでした。　慶応はスクラムとタックルがよかったですね。　スクラムは開幕からどんどん力をつけていますね。組んでいる中でのコミュニケーションも取れている印象。フロントローが組み勝っていることもありますが、バック５もよくレッグドライブしています。　フロントローがしっかり相手と組めていないと、後ろはどんなに押してもスポンジを押しているかのごとく力を吸収されてしまいます。今の慶応はサイズはありませんが、コンパクトに鋭く組めています。シーズン中にこれだけ修正できるのは、選手の努力もありますし、伝統が根付いている証拠。ＯＢとしてはうれしい（笑）。　タックルも低く入って、一人目が必ず倒すことが徹底できていました。筑波がスローテンポなゲームを仕掛けてくれたことも功を奏したかな。慶応としてはポンポン出された方が嫌だったのでは。低さを意識するあまり上体が倒れてアジリティが効かなくなり、飛び込んだタックルをしてしまう。これはよくない方の伝統。今期の大学ラグビーを見ていると、そこまでボールの動くスピードが早いチームはありませんが、自分達より足の速いランナーがボールを大きく動かしてきたときがポイントになるでしょう。　ブレイクダウンワークも集中力がありました。アタックではボールに近い所を速く支配。入った選手が適格に仕事をしているので、他の少し遅れてきたプレーヤーの“見切り”が非常に早かった。結果、順目アタックに安定して多くのカウントを供給できました。いま慶応のアタックは、２０ｍ幅のスペースを攻めさせたら学生一でしょう。　今後、ここにもうひとスパイス加えるとしたら“激しさ”。痛さ、重さ、速さで相手が恐怖を感じるブレイクダウン。「もう、ボールに絡みたくない」そう相手に感じさせたらラグビーは簡単になります。究極のハンドリングラグビーは究極のコンタクトから生まれると思います。　筑波は今期充実が伝えられていますが苦しいシーズンが続いています。コンタクトの激しさと強さが戦略になり切らなかった印象です。ただ、いい選手が沢山揃っていますからやることが絞れると強みを発揮できそうです。　僕が感じるポイントはテリトリーとラインアウトです。あの重さは敵陣で相手に当てたい。ブレイクダウンを乗り越えてプレッシャーをかけていけば、相手もキックをタッチに逃げてくるはずです。そうなったときにマイボールラインアウトが確実にキープできることが戦略に一貫性を作ります。対戦相手が自陣でタッチには出せない、ボールも回したくない、これは追い詰められます。　こうしてみると、やはり対抗戦にはトップリーグにはない面白さがありますね。試合の間隔と数も関係していると思います。トップリーグより修正や対策に時間を割けますから。これがまたトーナメントに入ると別のリスクやチャンスが発生してきます。　大学ラグビーは再編の時期を迎えていますが、どのようなシステムになっていくでしょう。それによって、またチームの仕込み方も違ってくるのではないでしょうか。

  Oct 27, 2010

• 第７節　東芝－クボタ　顔が見えないブレイクダウン

  【トップリーグ第７節】　東芝ブレイブルーパス ３３VS１９ クボタスピアーズ　 　今期開幕から不調だったクボタが、“らしい”粘りのラグビーを展開！王者東芝に後半２０分まで１９－１９。気持ちの入ったディフェンスでした！！インサイドブレイクされない待ちのディフェンスがクボタの伝統ですが、この日はハードドリフト。出足よく前に飛び出し、東芝のボールキャリアが判断する時間を奪いました。ゴール前のモールディフェンスも素晴らしかった。ＦＷ戦で負けなかったことが、試合を引き締めたと思います。　対する東芝はディフェンスのブローがすごい。ここまで１ブロー１殺を徹底できているチームは他にないでしょう。タックラーは倒したらすぐ起きて、ボールの真上を越えていく。チャンスとみると、アライバルプレーヤーも相手をしっかりコミットしていく。味方に寄り添うような選手は全然いないですね。　特にベイツはと大野さんは破壊力が違います。　大野さんはとにかく真っ直ぐボールの上を越えていく。ベイツは“釘抜き”のように、相手を下からめくり上げてしまう。あれは二人目以降の選手は仕事をしやすいはずです。腕を入れるところがいいのかな？　東芝の選手のブローが効果的なのは、上半身の強いヒットに加え、しっかり足がついていっていること。何か硬くて重たい物にぶつかったときに、足を出せる。これは文化です。　東芝が後半戦に向けて、どの辺りを修正してくるかは興味のあるところ。前半戦、“立ってボールを動かす”戦術が非常に上手く機能しました。ただ、それによって薄められていることもあるのでは。　たとえば相手の体と顔との密着度。　この日はクボタの選手の体と東芝の選手の顔との間に少し距離があるように見えました。東芝がすごい試合をやるときは放送でも全然顔が確認できない。顔のおっつけや突っ込み具合がすごいんです。　モールも上手く押せていることで、愚直にレッグドライブしなければならない場面が少なかった。そういったことを思い出す作業が必要なのかもしれません。現役時代、東芝のモールをディフェンスしていると轢かれる感覚でした。マリオカートでちっちゃくなっているときみたいでした。　何でも物事は作用、反作用両方あるものです。壁にぶち当たったときの突破力を一番持っているのが東芝。しかもそれを選手が持っていて、継承されている。これはすごいことで、僕がずっと東芝を尊敬している理由。そのチームがシーズン中の１ヶ月にどんなリカバーをしてくるのか！？今から楽しみです！

  Oct 26, 2010

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  『ストーリーとしての競争戦略』　読み応えあり！

  　『ストーリーとしての競争戦略』（楠木建、東洋経済新報社）読みました！！　多くのことを問題提起させられる、読み応えのある一冊でした。ストーリーとしての競争戦略価格：2,940円（税込、送料別）　　僕がこの本を読んで一番感じたのは「ストーリーは、後追いでいいんだ」ということ。いくつも手を打って、上手くいかなくて、最後に搾り出したアイデアがポッと命を吹き込まれる。実際はそんなものではないでしょうか。　成功ストーリーの根底にあるのは、失敗にもくじけない「突破力」と「信念」。つまり、他者との競争ではなく自分との競争に打ち克つこと、これこそが大切だと思います。　何かこの本が言いたいことからはズレているのかもしれませんが、著者の方が言い切ってくれるからこそ自分の中で問題提起が起きたのだと思います。読み応えありました。

  Oct 25, 2010

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  ゴリ夢中第５弾は・・・！

  　ラグビーマガジン１２月号が発売になりました。　今月は連載対談「ゴリ夢中」があります！　お相手はＮＴＴコミニケーションズシャイニングアークス栗原徹選手！って、堅苦しいですね、栗さんです！！ぜひご一読下さい。　対談前日の散髪に失敗し、林家たい平ヘアーになってしまった僕にも注目して下さい！　それとラグビークリニックは「タックル」。　非常に興味深い記事が多いです。　特に低いタックルの弊害について。これは僕も高校のディフェンスコーチになって取り組んでいることですが、低い＝頭の低さ、という概念を取っ払うこと。低さとは、下半身で作らなければなりません。アジリティが死んでしまう。この辺りのことは僕もぼんやりと分かっていたのですが、見事に言語化されています。　レスリング元銀メダリストの伊調千春さんのタックル講座も面白かった。太ももが一番強い。テコの原理を使うなら、膝下に手をかける。　なるほど～。

  Oct 25, 2010

• トップリーグ第７節　サントリー－ヤマハ　

  【トップリーグ第７節】　サントリーサンゴリアス ７２VS０ ヤマハ発動機ジュビロ　サントリーが前半からトライラッシュ！　自陣から積極的に攻めたサントリーの戦略が効いていました。試合開始からサントリーは９番からのシェイプでどんどん体を当てるようなアタックを仕掛けていきます。ヤマハのディフェンスを難しくしたのは、体の芯を当てられる選手が少なかったことと、詰めのタイミングが共有されていなかったことでしょう。　ブレイクダウン付近を厚くして、そこからプッシュアウトするようなディフェンスタイルをもつヤマハですが、サントリーがボールをワイドに動かし始めるとアングルで切られてしまうようになります。相手が縦に走りこみ、それを横向きの体で止めようというのですから、個人のタックルはよりボールキャリアの近くに踏み込み足を持っていき、芯でタックルすることを心がけなければならない。　体の面が４５度よりも外を向いていますから、内側にアングルチェンジしてきたプレーヤーへのコミットも難しそうでした。あのディフェンススタイルを貫くのであれば、ＦＷ第３列にプッシュアウトの専門家を置きたいところ。たとえば神戸製鋼のジョッシュ・ブラッキーのような選手です。　ディフェンスは「どう抜かれるのか」から始まり、「どこを守りたいのか」「どこにバッキングアップすればいいのか」、つまり「どう相手に勝つのか」ということだと思います。ポリシーと戦略、戦術に一体感を持たせ、機能させなければなりません。この辺りがウィンドマンスで整理できれば、同じ熱エネルギー量で、もっと効果的にディフェンスできるようになりそうです。　サントリーは欲をいえば単純なハンドリングエラー、タックルエラーが多く荒い試合だったと思いますが、それを凌駕する気迫がありました。自分達のラグビーを８０分間貫こう、ということが選手の中で徹底されていました。自陣キックオフのモールから、ボールがパスアウトされた後のＦＷ陣のブレイクの速さを見ても、「ここからアタックが始まるぞ」という心構えを感じました。上体が起きる選手が少ない！本当によくサポートしていました。　僕の中でのマン・オブ・ザ・マッチは７番佐々木選手。体の当て方が昨年とは全く違いました。彼は大学生のときから注目しています。昨シーズンは、あの相手に立ち向かう荒々しさが出てないな～と思ってみていましたが、昨日はフランカーとして、いい杭になっていました。　ランニングのコース取りと中間走のスピードコントロールのコツを掴んだら、もっとブレイクダウンにコミットできるようになりそう。相手に嫌がられるプレーをこれからも期待しています。

  Oct 25, 2010

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  トップリーグ第７節　どこで勝つか？

  【トップリーグ第７節】　三洋電機ワイルドナイツ ６５VS２１ 福岡サニックスブルース　ここまで好調のサニックスと三洋の一戦は、三洋の大勝！　８０分間をほぼ支配しました。　アンストラクチャからのアタックを得意とするサニックスに対し、三洋は徹底的にマイボールをキープ。サニックスに対しては攻め続けること＝一番のディフェンスであることは明白ですが、それを可能したのが隙のないブレイクダウンワーク。ポジションに関係なく近い選手が次々とボールを乗り越えていきます。　三洋はボールキャリアに対して内・外（アタックラインを形成する選手）・後ろにサポートプレーヤーがポジショニング。彼らがアングルチェンジを仕掛けながら一つのアタックフェーズを４人でさばいていきます。この徹底されっぷりがすごい！　これに対し、サニックスは前半“待ちのディフェンス”で戦ってしまいました。このディフェンスですと、外にアングルとスピードで切られてしまいます。後半はよく外側の選手が飛び出して詰めていましたが、あのディフェンスが前半からできていたら・・・。外側がかぶってできた後ろのスペースに三洋がキックを落とすような展開になれば、崩れた局面からのアタックを得意とするサニックスとしては、ひとつ試合の流れを作れたかもしれません。ボールを持てば、いいゲインを積み重ねられていましたから。　チャレンジャーの戦い方の一つは“いかに相手の日常を崩すか”。用意していたプレーがうまくいかないなあ、さて、どうしようかな？こう思わせること、つまり判断させることでアグレッシブさを奪うことが考えられます。サニックスとしては、もう一つ二つ落とし穴を掘っておいてもよかったのでは。その辺りの芽を完全に摘んだ三洋の強さを褒めるべきなのかもしれませんが。　三洋は本当に強い。充実のシーズンを送っています。これで地元太田では１３連勝。今節注目のカードは、基本プレーの差を感じさせる結果となりました。　今日は解説！実況の谷口さんと！　試合の後はファンの方との交流会！すごくいい空気が流れていました。これぞ、ラグビー！　スーツ姿の三宅選手と小野選手。ノーサイドですねえ。

  Oct 23, 2010

• トップリーグ第７節　レビュー第２弾！

  【NTTｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞｼｬｲﾆﾝｸﾞｱｰｸｽ VS 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 】　ＮＴＴコムはネルが前節から復帰、今週はいよいよスタメンで登場です！これで神戸のフロントスリーはさらに相手のラインアタックに気を使わなくてはいけなくなりました。キッキングゲームをより有利にすすめられると思います。ＮＴＴコムとしては「中盤ペナルティ→ゴール前モール、スクラム」の展開を避けるのが勝利への条件。　神戸としてはＮＴＴコムのディフェンスは広がっていて、仕掛けてもなかなか縮んできませんから、チャンネル１にはチャンスがあります。素早いピック＆ゴー、それとハーフの持ち出しもＮＴＴコムは詰めてきませんから効果的。神戸有利と見ますが、それが崩れるとしたら神戸が執拗にブレイクダウンで絡まれ、スローダウンした状態から攻めて、自滅する展開だと思います。【コカ･コーラウエストレッドスパークス VS NECグリーンロケッツ 】　特徴が似ている両チームの対戦です。ＮＥＣの９番は藤戸！楽しみですね～。彼とは全く一緒にプレーしたことがないのですが、何故かアフターマッチファンクションや試合会場で会うと話す仲なのです！彼の球捌きのタイミングは抜群。アタック力で悩むＮＥＣの突破口となることを期待しています。　ワイドに展開し、お互いソフトドリフトでディフェンスるチームですが、コカコーラＷとしては、たまにＮＥＣが見せる単独の飛び出しはチャンス。飛び出した選手の外側の選手は“待ち”の場合が多く、大きなギャップが生まれるはずです。ＮＥＣとしてはＦＷ戦では有利ですので、ゴール前でモールを組む試合展開に持ち込みたい。そこから逆算するような組み立てで、シンプルに戦うべきだと思います。

  Oct 22, 2010

• トップリーグ第７節レビュー！　第１弾

  　トップリーグは第７節！来週からは日本代表の試合が入るので約１ヶ月間のウィンドマンス（お休み）。今週も楽しみなカードが目白押しです！！【サントリーサンゴリアス VS ヤマハ発動機ジュビロ 】　　幾度もの接戦を演じてきた両チーム。注目はヤマハ１番前田選手！古巣との一戦に燃え上がっているでしょう。ヤマハはトゥイアリの出場停止もありますが、バックスに２枚外国人選手を揃えてきました。やっぱ、ヤマハはこれですよ！セットプレーからのディフェンスで彼らをマークアップするのはピシ、ニコラス！楽しみですね～。　ヤマハは内側から真面目にプッシュアウトしてくるチームですから、サントリーは広くアタックすればスピードで切れてくると思います。ヤマハはズバリテリトリー。キッキングゲームでは分がありますからそこで我慢。後半ＦＷの動きが鈍ったらキックカウンターを仕掛ける、という試合展開だと思います。【豊田自動織機シャトルズ VS リコーブラックラムズ 】　リコーは難しく考えず、シンプルに攻めるべきでしょう。特に自陣からは織機はキックに備えて選手が下がっている一方、フロントラインのディフェンスが整備されていない。大きなチャンスがあると思います。対する織機は相手のブレイクダンでボールをスローにしながら１チャンスをものにすることがポイント。　リコーのディフェンスは“ハードドリフト”。前にプレッシャーを思い切りかけながら少ないプッシュアウトで詰めてくると思います。これにはエキストラマンを使ったアタックや、アングルチェンジが有効に機能するはずです。【三洋電機ワイルドナイツ VS 福岡サニックスブルース 】　サニックスのアタックスピードと三洋のディフェンスをセットするスピード、どちらが上回るか？という試合。サニックス勝利へのカギは前半でのトライ。後半ヘスケスが入る前にリードして、三洋をパニックにする。　自分達より実績のあるチームと戦うときは、リードして相手に「追いつくこと」に体力を使わせたいです。トヨタ戦を見ても、ブレイクダウンやディフェンスでエンジンがかかるのは後半に入ってから。三洋はトヨタみたいに付き合ってくれませんから、あれでは遅い。前半４０分を１試合と考えて出し切り、後半は魂とヘスケスで何とかするという。逆にターンオーバーされたらあっさり取られてしまう。それくらいの割り切りでいいのでは。トップリーグを代表する「矛」と「盾」の戦い。今節注目の一戦です！【東芝ブレイブルーパス VS クボタスピアーズ 】　クボタのファーストタックラーが東芝の選手を倒せるか。東芝と戦うときは何があってもＦＷ戦で勝たなければならない。短いですが、これができなければ大きく点差が開いてしまうのでは。　ラインアウトはゴール前でも競っていく。モールは組まれたら上手さがあります。特に笠井さんが３番に入ってからはいいモールを組んでいます。簡単にいえば、組まれたら止めるのは難しいということ。であれば組ませない。中盤のノーペナルティも必須条件です。アタックではハイパントで崩して、マイボールになったら突破力のある選手にボールを集める。ハイパント処理は付け込める隙があるように思います。【近鉄ライナーズ VS トヨタ自動車ヴェルブリッツ 】　お互いパワーゲームを得意とするチーム同士。面白くなりそうです。トヨタは外国人選手が二人。これは日本人バックス選手の充実を物語っています。１番には谷地村選手が帰ってきました。フロントローはベストメンバーでしょう。近鉄はシンプルにセンターで崩すアタックが一番効果的。ただ、その後のＦＷがバッコーン、というアタックはトヨタが得意とするところ。小さな風穴が開いたら広くアタック、その中での内返しが有効です。 　僕は三洋電機ワイルドナイツ VS 福岡サニックスブルースの解説をさせていただきます！試合会場は太田。思いっきり三洋のホームです。このグラウンドは強風が吹くことと、サイズが小さいのが特徴。三洋はトニーブラウン、三宅選手といった“危機管理能力に秀でた”選手が欠場。さて、どんなドラマが待っているでしょうか！？

  Oct 21, 2010

• 熱いメッセージ！

  　いくつか熱い言葉を！「できないことを悔やむより何ができるかを考える」　ずっと前に放送した全日本女子バレーボール選手高橋みゆきさんが出演したドキュメンタリー『心の遺伝子』より。身長が小さく世界の壁に跳ね返され、悩んでいた高橋さんに先輩の成田選手（旧姓大懸選手）が話した言葉です。高校生を指導していて、思うようにいかないとき、僕もこの言葉に救われました。「慣れてきた頃が一番怖い、恐ろしさを忘れた頃が恐ろしい」　放送再開された「プロフェッショナル仕事の流儀」より、呼吸器外科医・伊達洋至さんの言葉。そうなんですよね。怖さや弱さが、人を強くすることってあると思うんです。僕も本当はすごくビビリだと思います。「プロフェッショナル」の再開、うれしいな。この番組に出ることを目標に頑張っているので（笑）。「小心者でないと旨いものなんて作れない」　こちらはＮＨＫ「ディープピープル」より。この番組は、毎回、その道のプロフェッショナル３人が集まって、とんでもなくマニアな座談会をする番組です。こちらは第６回寿司職人の会より、高橋さんの言葉。伊達洋至さんの言葉に通じるところがありますね。やっぱ自信なんて過信なんだと思います。悩んで、不安で・・一瞬の喜びのために全てを賭ける。そして、また新たな挑戦に向かう。その断片だけを僕らは見ているのかもしれません。「０か１００かで終わらせない」「頑張らない、代わりに諦めない」　上は僕の最近思うところ。下は・・・何かのテレビ番組で聞いた言葉です。こうしてみると、僕ってテレビっ子ですね（笑）。上手くいかないときってワーッて全部を投げ出したくなりますが、そこで粘る。１００できなくても、自分のベストを尽くして続けることの大切さ。それを最近痛感しています。　元々僕は極論が好きだったので、“１００　ｏｒ　ｄｉｅ”みたいな人間でしたが、それって弱さというか、甘えなんだと思います。０にしちゃえば楽ですが、試合放棄ですから勝つことはないですから。負け続けても、我慢していれば、少なくともチャンスはある。これはみんな平等なはずです。　言葉って、すごい力を持っていると思います！　みなさんの「グサッときた言葉」募集します。ぜひ、教えて下さい！！

  Oct 20, 2010

• 対抗戦　帝京大－筑波大　スキルとテクニック

  【関東大学対抗戦】　帝京大　１２－１０　筑波大　激しいコンタクトが持ち味の両校の戦いは大接戦！昨年王者、帝京大が５－１２と追う展開から後半４０分、ルーキー竹田君のトライで逆転勝利を収めました。両チームとも、ものすごいコンタクトレベルでした。体の中心で捉えることを“芯を食う”といいますが、そんなコンタクトばっかり。僕が大学ラグビーをしていたのが１０年前くらい、あの頃よりも、全体のスキルは大きく向上しましたね。　その中でも帝京大のディフェンス能力は非常に高いです。相手がボールを持ったときに「自分の仕事」と思っている選手がチームに比べて多い。案外、マークアップした選手の二つ外のプレーヤーは休んでいるものです。「あいつ見た！」とか、声ディフェンスしたり・・。　帝京大のディフェンスは勤勉です。特に両センターがいいですね。南橋君はＵ－２０の時から追いかけていますが、彼の真芯で捉えるタックルは、トップリーグでもそうお目にかかれないでしょう。　もう一つ両チームに共通していたのは、ビッグゲインの後のボールの動かし方がもったいなかったということ。ボールをどこへ運ぶのか。空いてるところ？チャンネル？オープンサイド？ＳＯはどの高さでボールをもらうのか？そういったところのコミュニケーションが統一されてくれば、得点力につながるのではないでしょうか。まだ、激しさとスコアがリンクし切れていないので、大きな伸び代を感じます。　セットプレーやキックマネジメントでは、「相手がこう」→「だからこう」という、パズル感覚の面白さがあると思います。１対１の局面の中でも、（これは宮田の親父さんが言っていたことですが）「俺がこっちに抜きたい」→「だからこう相手を動かす」という動作が出てきますよね。　これは大学ラグビー全体の話ですが、今後、シーズンが深まっていくにつれてこうしたの駆け引きが勝負を分けるのではないでしょうか（エディさんのおっしゃっていた「テクニックとスキルの違い」という話に近いかもしれません）。　まだ、シーズン中盤ということもあると思いますが、自分達が試合前に用意したプレーの範囲で勝負しています。プレッシャーから来る状況判断を激しさに上乗せできるチームが、今後生き残っていくと思います。

  Oct 20, 2010

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  トップリーグ第６節　近鉄ーＮＴＴコム　

  【トップリーグ第６節】　近鉄ライナーズ ２１VS１９ NTTｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞｼｬｲﾆﾝｸﾞｱｰｸｽ 　　近鉄は試合終了間際に逆転！好調を維持するチーム同士の争いは経験の差がもろに出た試合となりました。ＮＴＴコムはゲインされてもなかなかラインが“縮まない”オーガナイズされたディフェンス。これだけ広くグラウンドを守れていましたから、もう１テンポ早く相手に詰められたのではないでしょうか。　今期のルール改正を受けて、ディフェンスのキーワードは“詰め”。いつ詰めるのか、どうなったら詰めるのか。これがないと、延々とアタックに継続されてしまいます。　ハーフタイム、自分ならどう分析するかなと思いながら見ていました。　近鉄から見れば、広く立たれてる＝チャンネル１に勝機あり。両センターのアタックはラインブレイクできる力が十分にありましたから、継続の部分だけ、こだわる。アライバルプレーヤーは早く、ゲートの反則だけ気をつける。　ＮＴＴコムは、ウィングがかぶってディフェンスし、アタック幅を両センターまでとさせて、内側からのプッシュとセンター陣のタックルで、相手の強力なアタック源を封じる。スクラムでは優位に立てているので、ハイパントをもっと上げて、敵陣でスクラムを組むような展開→ゲームを支配する。　という読みで見ていました！　皆さんはどう予想されましたか？　ＮＴＴコムはまとまりを感じるチーム。アタックはショートサイドに、裏を通すより浅いラインでゲインすることを第一義としたアタックを仕掛けてきたかと思います。ただ、相手のディフェンスが揃ってくると、横にボールが動く展開が増えていました。　シーズンが深まれば、どんどん穴はなくなっていくはず。そのときには、スペースを使うアタックよりスペースをこじ開ける力が求められます。理屈ではなく、とにかく相手を背負ってレッグドライブしたり、１対２を力づくで越えていくプレーこそが壁を突破すると思います。次節は神戸製鋼戦。荒々しいプレーにも期待です。　一方の近鉄は、相手としては今、一番当たりたくないチームでしょう。ゲームに粘り強さがありますが、これは「粘れば勝てる」という旨みを選手が感覚知として共有できている証拠。トンプソン選手の帰化により、突破力のある選手を並べて使えていることが大きな要因では。　ディフェンスはそのものが強固というより、対戦相手はラインディフェンスを固める必要があるため、裏が空きやすく、キッキングゲームが失点を抑えています。次節はトヨタとの一戦。迫力ある試合になりそうです！　（今週から秋の大学周りが始まりました。もう紅葉しているんですね！）

  Oct 19, 2010

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  トップリーグ第６節　トヨターサニックス　薄氷の熱戦！

  【トップリーグ第６節】　福岡サニックスブルース ３３VS３６ トヨタ自動車ヴェルブリッツ　トヨタが薄氷を踏む勝利！　試合前、正直僕はもっと点差がつくのではないか、と予想していました。ブレイクダウンでボールをスローテンポにさせられて、ボールが動かない試合になるかなあと思っていましたが、サニックスのアタックはすごい！　何といっても、ボールクキャリアが１対１で相手に勝つことを諦めないところが素晴らしいですね。これを１～１５番までが仕掛けてくる。もう一つはサポートプレーヤーのコースと寄り。これもチームとしての約束事が徹底されています。この二つがブレイクダウンからのとてつもなく素早いリサイクルを生み、結果として相手が強いコンタクトをなかなか当てられない要因となっています。　この試合特に効いていたのが５バリンガタイ。彼のブレイクダウンでのファイトがあってこその接戦だったと思います。彼のように闘志を前面に出して相手に立ち向かっていく選手ほど、一緒にグラウンドに立って頼もしい選手はいません。一昔前なら、スタンピングで試合後、背中は傷だらけになっていたでしょう。そんなチームメイトとシャワーを浴びていると、もっと体張らな・・と思うものです。ボールを持っても生き生き。以前はＩＢＭに所属していたと思いますが、今の方がチームにフィットしていますね。　一つもったいなかったのが、相手ボールキックオフからのアタック。結構簡単にキックを蹴っていましたが、トヨタはキックに対し１４，８，１０，１５，１１が残る万全の備え。ディフェンスラインには、難波さん、山内選手しかバックスプレーヤーが立っていません。また、セパレートのキックオフだったのか分かりませんが、バックスがポストに立ち、外をＦＷが埋める“いびつ”な立ち方。あそこはランアタックを仕掛けるべきでした。　対するトヨタは、とことん自分達のラグビーで徹底抗戦。この一戦だけを見たら、もっと楽に戦える方法はあったかと思いますが、先を見据えているのでしょう。お家芸ともいえる順目アタックは、パンチあります。同じ方向に４つブレイクダウンを重ねられるのは、トヨタしかいないでしょう！　試合を通してサニックスのアタックに苦しめられた印象を受けました。これは、プッシュアウトをしてくるディフェンスをサニックスが得意としていること、それとファーストラインでのアングルチェンジのアタックにトヨタが弱いという両面があると思います。裏を通してくるアタックには抜群のタイミングで詰めてきますが、相手がグッと前に出てきたり、そこにエキストラマンが入り込んでくるようなアタックにはディフェンスのノミネートがずれてしまう傾向があります。このあたりは今後の課題でしょう。　この試合は、前半にキャプテン中山選手が退場。代わって登場したのが昨年の関東学院大キャプテン、安藤選手。敗れはしましたが、昨年大学選手権１回戦、帝京大戦で最も印象に残った選手でした。線は細いですがコンタクト負けしませんし、アタックのランも素晴らしい。試合にコンスタントに出続ければ、トップリーグの顔になれる選手。この日もい～いタックルをお見舞いしていました。ぜひ、みなさんも彼の活躍に注目して下さい。　（先日、中学からの仲間のいとちゃんと飯にいきました。仕事でカリフォルニアに転勤していましたが、最近めでたく帰国。彼は昔から針すなおに似ていると定評がありましたが、奥様はこんなにきれいなまさみちゃん（写真右）。写真左は、まさみちゃんの友達の類ちゃん・恭介君（写真左）カップル。恭介君は僕の二個下で日大二高ラグビー部。ということで、ロック村上（高校ジャパン候補）の話題で盛り上がりました！村上、ブログ読んでたら連絡して！）

  Oct 19, 2010

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  トップリーグ第６節　神戸ーヤマハ　“強みを見極める”

  【トップリーグ第６節】　ヤマハ発動機ジュビロ ４２VS５７ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 　トップリーグ第６節は接戦？波乱？ドキドキするような試合ばかりでした。それではレビューです！　神戸－ヤマハの一戦は激しい“乱打戦”。両軍合わせて１４個のトライが生まれました。ヤマハはキックで粘って、神戸の隙をついてくる試合展開をするかと思いましたが、案外自陣からも積極的にボールを動かしましたね。神戸のバックス陣のキックに対する戻りが遅いことを考えれば、自陣ではもまずに蹴り合いを仕掛けて、神戸ＦＷのリアクションが遅くなってからボールを動かすのも一つの手だったと思います。　ヤマハのディフェンスが難しいのは、プッシュアウトする距離が非常に長いこと。横への運動量がかさばるので、ポジショニングだけで体力が奪われているように見受けられました。その結果、ポイントに寄ってしまったり、逆目のプレーヤーの反応が悪かったように思います。　神戸のアタックがよかったのは１次攻撃でのゲイン率と、ラインアウトからのモール。この二つでゲームを有利に組み立てられました。モールは全員が体を縦に使って、いいドライブができていますね。乗っている感じ。ヤマハは外国人を３人ＦＷに揃えましたが、モールを割りにいかなかったですね。モールでは圧倒的に不利な状況でしたから、尚のこと中盤でのキック合戦でテリトリーを取りたかったところ。自陣アタック→ペナルティ→モール。これがこの日の神戸の鉄板だったわけです。　神戸はディフェンスでは課題がありましたが、大方“プラン通り”の試合展開だったのでは。つまり、自分達の強みが発揮できれば、強いということ。逆に自分達の前提が崩された場合にどうゲームを組み立てるかが今後の課題だと思います。特にブレイクダウンで圧力をかけられたときに真価が問われるのでは。　ヤマハは、おそらくもう少しＦＷが優位で、もう少し神戸が後半スローダウンすると見ていたと思います。神戸のやりたいことをやらせ過ぎました。ボールを動かしていく中での裏へのグラバーでトライを奪いましたが、あのプレーは有効でしたね。　あとはタッチラインからの折り返しのディフェンス。神戸はＳＯが深く立ち、ボールを下げながら展開しますから、あそこは前に出て、外から内にかぶるようなディフェンスで神戸にプレッシャーをかけたかった。地力ではやはり差があります。結果論になりますが、ポイントを絞ってスモールラグビーに徹するべきだったのではないでしょうか。　昨日は久々に皇居周りを走りました。　いい汗出ました！

  Oct 18, 2010

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  【トップリーグ第６節】　三洋ーＮＥＣ　懐の深さと立ち返る場所

  【トップリーグ第６節】　NECグリーンロケッツ ２０VS５２ 三洋電機ワイルドナイツ　今年の三洋は強い！　そう印象付けられた一戦。理由は“懐の深さ”。自分達が用意していたプランがうまくいかなかったときの立て直し方が非常にいいです。昨年までは、自分達のラグビーで圧倒していた感がありましたが、今年は“ダメなとき”が、いいんです！　テクニカルなことを言うと、ＮＥＣは前半からハーフの持ち出しに対してディフェンスの足が止まってしまう傾向がありました。ここを崩すには、ボールが動くテンポを上げること。ラックからハーフがボールを持ちだす前提条件です。ゲーム全体がスローテンポで運動量が上がっていないな～、僕だったらハーフタイムそこを修正するな～と思って見ていました。試合後、飯島監督がインタビューで同じようなことを言っていたので、ちょっと嬉しかった・・・。　ハーフが持ち出した場合、ブレイクダウンから２人目のプレーヤーが詰める。そして、それより外のディフェンスは全員が詰めに切り替える。これがセオリーかと思います。ブレイクダウンに一番近いプレーヤーが詰めてしまうと、ハーフからの内返しでやられてしまいます。また、ハーフが持ちだすアタックはディフェンスを難しくさせますが、ディフェンスラインに上がる時間を与えてしまうことも確か。であれば、外のチャンネルにはボールを運ばせないで、詰めてしまうというのが、いいのではないでしょうか。とにかくテンポとハーフ田中選手の持ち出しが試合の均衡を崩しました。　ＮＥＣは後半早々、モールからトライを奪いますが、そこに二の矢、三の矢が用意されていませんでした。接点で前に出られたことで三洋のディフェンスの意識がそちらに傾いていましたから、そこで裏のスペースを使う準備をしておきたかったです。　三洋の懐の深さは、やっぱりキック。それに対する備えだと思います。流れが悪い時は、取りあえずハイパントを上げて、再獲得するか、できなくても９－２－４のフォーメーションを作ってしまう。そこからのスタートをセットプレーのようにこなせる力があります。　もちろん、ただ蹴っているわけではありません。追い方、囲み方、バウンドした時にキャッチャー以外がどう動くか。この徹底具合が他のチームとの差別化でしょう。この試合も、前半は良くありませんでした。それでこの点差ですから。昨年以上の仕上がりと見て間違いないと思います。【クボタスピアーズ VS 豊田自動織機シャトルズ 】　ちょうど秩父宮に着いたところで、ラスト１プレーだけ見ることができました。それがクボタの逆転トライだったのです！！今日はどの試合も接戦、好ゲームだったようですね！

  Oct 16, 2010

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  モヤモヤ感が人を伸ばす！

  　今日も朝から志木高へ。高校は土のグラウンドでの試合が多いということで、週末に志木高さんのグラウンドをお借りしての練習をしています。先週の試合でうまくいかなかった部分にフォーカスを当ててトレーニングに取り組みました。それはズバリ、ブレイクダウン。　コンテストスポットで、相手にボールに近い場所を譲ってしまうことが、全てのプレーを難しくしている。それが今の僕の印象です。いかなる理由があっても、ブレイクダウンとディフェンスにプライドを持って臨む。それは僕がこのチームが始まった時に言い始めたことです。初志貫徹しないと。男らしく。　今はシーズン直前ゆえのモヤモヤ感があります。これは僕も現役時代何度も経験したことです。ふとしたことで解消されて爆発した時もありますし、モヤモヤが取り切れず終了した時もありました。ただ、どちらも共通して言えることは、もがいてもがいて苦しんだ、ということ。そしてその経験が、自分の財産になっているということ。　ですから、うまくいかないことから逃げない、大きな壁に立ち向かっていく。この姿勢が大切だと思います。「不安は逃げれば大きくなる。自分から近づけば小さくなる」桜井章一さんの言葉です。僕の座右の銘。　ラグビー最後は理屈じゃありませんから。突破力！それを発揮できる人間を何人育てられたか？これが指導者の力だと思います。我慢して、悩んで。こういう環境を学生たちと共有して楽しみたいと思います。　モヤモヤしていたので、秩父宮で試合観戦した後は散歩しながら家路につきました。ジョギング派の僕は、散歩している人の気持ちが分かりませんでしたが、今日、何とな～く「散歩っていいもんだな」と思えました。　放送が今日から再開されるってことで、「ひとりプロフェッショナル仕事の流儀」（自分が取り上げられた設定で、ナレーションを勝手につけていく遊び）しながら帰ってきました（笑）。ジョギングって思考を整理するにはもってこいですね。空を見上げると、もう秋の雲。やったるで～！！

  Oct 16, 2010

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