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テーマ:小学生ママの日記(28574)
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講師紹介 明橋 大二 先生 真生会富山病院心療内科部長としての診療活動の他、 スクールカウンセラー、児童相談所嘱託医などとして活躍され、 数多くの臨床体験を基に「子どもの自己肯定感を育む事の大切さ」を訴える為に、 多くの執筆活動や講演活動を行なわれています。 少しでも親世代に感心を持ってもらう為に、 フジTV「笑っていいとも!」に、出演された事もあります。 主な著作 子育てハッピーアドバイス ~輝ける子に育つとっても大切なこと 子育てハッピーアドバイス 2 ~家族みんなが笑顔になれる!子育てQ&A集 子育てハッピーアドバイス 3 ~親が楽になると、子どもも楽になります 10代からの子育てハッピーアドバイス ~見逃さない。子どもの心のSOS 忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス 過日、開催された明橋先生講演会口語を、レジュメに沿って項目ごとに書きおこしました。 かなりの長編になりますことを、ご容赦ください。 また、続きの更新をお待たせすることがありますが、 どうぞ気長にお待ちくださいませ(^_^;) 子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ 1.今の子どもをめぐる問題の根っこは、「自己評価の極端な低さ」 自己評価=自己肯定感、自尊感情 最近は子どもが被害者になったり、加害者になったりするいろんな事件や出来事が起こっています。 子どもがなんらかの事件を起こした、犯罪を犯したという事があると、よくマスコミ等では、 「今の子どもは何を考えているのかわからない」 「家庭の教育力が落ちている」 「しつけがなされていない」 と、今の子どもを否定するようなコメントが非常に多く出されています。 確かにそういう事が関わる部分もありますが、我々、そういう子どもの問題に現場で関わっている者からすると、決してそういう事が本当の問題の原因ではないのです。 本当の問題の根っこは、一言で言うと子どもたちの「自己評価の極端な低さ」です。 自己評価と言うのは、自己肯定感とか自尊感情とも言います。 これは単に自分に自信があるとか無いとか言う事より、もっと以前のレベルです。 ようするに、 「自分は生きている価値がある」 「大切な存在なんだ」 「生きてていいんだ」 そういう感覚の事です。 そういう感覚が、低くなっている子どもが多い。 特にこの自己評価が極端に低くなってしまった子どもに、頭痛や腹痛をはじめとして、その他いろんな心配な症状や行動が出てきている子どもたちがでてきています。 そういう事をよく示す患者さんの手記を紹介します。 2.摂食障害の人の手記より 摂食障害と言いまして、心理的な原因でご飯が食べられなくなる。拒食症・過食症と言いますが、そういう病気にかかったある高校生の女の子が書いた物です。 私はやっぱり誰からも必要とされていないんだよ。誰からも、大切だと思われていない。私の事なんて、放っておいても気にならないんだよ。 私は誰かにとって、大きな存在、大切な存在、必要な存在、そんな人間ではないんだ。 そんな人間にはなれないんだ。どうでもいい存在。いてもいなくても、誰も気にとめない。 だから死んでも全然何も変わらない。いらない人間なんだよ。 もうこれ以上、そう思い知らされるのはイヤ。私の存在が、必要ないなら、今すぐ死ぬ。殺してほしい。 私の中の心はもう死んでいるから、身体を殺して。みんなずるい。心はメチャクチャに傷つけて、殺してしまったのに、身体は残すなんて。 ちがう、心を殺したのは私だ。誰のせいでもない。私だけが、私を傷つけて殺したんだ。誰かを悪者にするなんて、なんて最低な人間なんだろ。苦しんで当然。大嫌いなのは、私自身。誰かを嫌いなんて、そんな事思ってはいけない。」 下線の部分が、「自己評価の極端な低さ」と言う気持ちです。 ここまで自己評価の低い人はそんなに多くないとしても、「今の日本の子どもたちには、こういう風に自分に自信の持てない子どもが増えているのではないか?」と言われています。 3.H14年「中学生の生活と意識に関する調査」文部科学省委託調査より 1)時々自分が役に立たない人間だと思う、と答えた子どもの割合 日本 56.4% 米国 32.0% 中国 25.4% 2人に1人以上が、「自分なんか役に立たない人間なんじゃないか?」と感じています。 2)自分は他者に劣らず、価値のある人間である、と答えた子どもの割合 日本 31.5% 米国 81.5% 中国 86.6% 7割の子どもたちが「自分なんか他の人より生きている価値がない」と感じています。 国民性や文化の違いがあるにしても、日本の子どもたちの自己評価の低さは、どの調査を見ても突出しています。 では、何でこんな事になるのか? 日本の子どもたちが、アメリカや中国に比べて、「能力が無い」とか「ダメな子なんだ」とか、決してそんな事はありません。 日本に於いては、子どもに対する大人社会から向けられる否定的な言葉が多い。 「何でこんな事が出来ないのか?」 「わがまま」「甘えている」「贅沢だ」 そういう否定的な言葉ばかりを繰り返して来た結果ではないかと思います。 ですから、今の日本の子育ては、 「甘やかし過ぎだ」 「贅沢だ」 と言われますが、決してそんな事はありません。 むしろ、もっともっと、 「子どもたちを褒めてやって、いいんじゃないか?」 「子育てはおおらかであって、いいんじゃないか?」 と思います。 (Part 2へ続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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