テーマ:好きな絵・画家について(6)
カテゴリ:アート&ブックス
大好きなイラストレーター、矢吹申彦さんから新刊の絵本が届いた(写真左)。そのタイトルは「猫づくし」。中身はその名の通り、矢吹さんが長年描き続けてきた猫の絵の集大成というようなもの。
この絵本の刊行に合わせて、9月28日から10月8日まで、銀座の画廊で「小さな猫の展覧会」という個展を催した矢吹さん。期間中、訪れることができないために、僕は初日のパーティーに間に合うように花を贈った。その返礼として、わざわざ絵本を送ってくださったのだ。 絵本には可愛い猫の絵があふれていて(59匹も登場する!=写真右下&左下)、僕のような猫好きにはたまらない絵本だ。前書きには「ぜんたい、猫の気持ちというものが判らん。お前さんは、可愛いのか、恐いのか、優しいのか、冷たいのか。そこのところ、答えてごらん」とある。 「猫に小判」「猫だまし」「猫かわいがり」など「猫」の付く言い回しをテーマにした各頁は、矢吹さんのほのぼのとした絵とともに、猫の独白を借りた洒脱な一文が付いている。 例えば、「猫に鰹節」という絵(写真)では、「そりゃ、僕にカツブシの番をさせるダナさんの方が悪いに決まっているネ。ダナさんだって、お酒の番が出来ますかい。きっと呑んでしまうに違いない。僕たちだけがガマンするのは、不公平と云うもんだ」。 う~ん、なるほど、いいねぇと頷いてしまう猫たちの言葉が実に粋で、面白い。それもそのはず、本の帯には「猫の本音を聞く絵本」とあった。「後掻き」で矢吹さんはこう記す。 「長い歳月、よほど猫の絵を描いてきた。(中略)猫には物語があるから描く。私は黙って、猫に語ってもらうことにした。長い歳月だから、家(うち)の猫も様々…」。 構想から、かれこれ3年の時を経て完成した絵本は、メルヘンの香りいっぱいの絵、非現実的なシュールな絵、猫を擬人化した絵等々、実に楽しくて、ほのぼのしている(写真右=絵本には「赤塚不二夫氏へのオマージュも)。 あーっ、個展に行きたかったなぁ…。猫好きの方は気に入ること間違いないこの絵本。絶対オススメです。 【メモ】有限会社スーパーエディション刊。オールカラー86頁。2200円(税別)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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