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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2006/08/19
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カテゴリ:アート&ブックス
 前回に続き、酒やBAR巡りや音楽とは違う話題だけれど、お許しあれ。お盆の休日、京都国立博物館(京都・東山七条、以下、「京博」と略す)に行ってきた。美のかけはし・京博特別展 「美のかけはし-名品が語る京博の歴史 開館110年記念特別展」(7月15日~)。

 なぜ暑いこの時期、京都まで出かけたかと言えば、子どもの頃からずっと見たかったけれど、その機会が一度もなかった素晴らしい絵画の本物が出展されるから。

 中学や高校の歴史(日本史)教科書には必ずと言っていいほど登場していて、おそらく日本人なら一度は目にしたことがあるその絵画とは国宝「源頼朝像」(京都・神護寺蔵、伝・藤原隆信筆)=写真左下

 日本絵画史上の肖像画の中でも、「最も完成度の高い傑作」と誰もが認める逸品。この国宝は神護寺から寄託された京博が収蔵しているが、貴重な絵画なので普段は一般公開されていない。伝・源頼朝像

 今回の特別展は、明治30年(1897)に開館した京博の110周年を記念し、所蔵する(または寄託された)貴重な名品を集めたもの。

 展示されてるのは、国宝26点、重要文化財37点を含む約120点。国宝の中には有名だけれど普段は見られないものも多い。

 僕のお目当ての「源頼朝像」は13世紀の作で、最近の学術研究で実は源頼朝ではなく、足利尊氏の弟、直義であるという説も有力になっている。

 だから、最近の教科書などでは「伝・源頼朝像」という表記をしているものも多いが、京博は、鎌倉時代の絵画技法などから、あくまでこの絵画は「頼朝」だという立場のようで、特別展でも「伝」の文字はなかった。

 ただ、僕自身は、この肖像の主が頼朝であろうとなかろうと、この絵画の価値を下げるものは一切ないと思っている。

 実物の「頼朝像」は保存状態も良く、顔や髪の部分の筆遣いまでもはっきりと分かる。写真で見ると黒一色にしか見えない衣装も、実物では生地の文様も細かく、丁寧に描かれている。

 冷徹・沈着な「頼朝」の表情。その鋭い眼光は心の内までも映すようで、見る者に迫る(大きさは縦約1.5m、横約1.2mと、想像してたよりでかい)。瓢鮎図

 作者の藤原隆信という絵師はどういう人かはよく知らないが、海外で言えば、レンブラントやルーベンスにも負けない、我が国が誇る肖像画家と言っていいだろう。

 会場では、同じ隆信作という国宝「平重盛像」(これも神護寺所蔵。なぜかこちらは左向き)と共に一対で展示されているが、完成度は「頼朝像」が圧倒的に上。

 重盛像には、頼朝像にはある「足」が描かれていない。手抜きなのか意図的に描かなかったのかは知る由もないが、隆信がいかに頼朝像に力を入れたかが分かる。

 この特別展には、他にもこれまた教科書によく出てきた如拙の「瓢鮎図(ひょうねんず)」=写真右=など素晴らしい国宝の数々が出展されている。

 個人的には、豊臣秀吉関係の書状や遺品の数々、鴨長明直筆という「方丈記」、空海直筆の書が記された菩薩図に、感銘を受けた(詳しくは京博のHPをご覧あれ)。

 残念ながら会期は今月27日(日)まで。京博はJR京都駅からバスで7分ほど(徒歩でも20分ほど)。近くには三十三間堂、智積院、方広寺、豊国廟などの名所旧跡も多い。天気が良ければ京都駅から散歩がてら行くのも楽しい。ご興味のある方はぜひ足をお運び下さい。

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Last updated  2006/08/20 12:52:25 AM
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うらんかんろ

うらんかんろ

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