カテゴリ:音楽
いさかか旧聞で申し訳ありませんが、1960~70年代に活躍した米国のフォークグループ「ピーター、ポール&マリー(PP&M)」のマリー・トラバースさんが9月16日、がん(白血病という話です)のため、米コネティカット州の病院で亡くなられました。72歳でした。
マリーさんは、ケンタッキー州ルイビル生まれ。グループは60年代前半にニューヨークで結成され、「風に吹かれて」「パフ」「花はどこへ行った」「500マイル」「天使のハンマー」「我が祖国」などのヒット作を送り出しました。「風に吹かれて」はボブ・ディラン作でしたが、この曲がきっかけで日本でもディランの存在が知られるようになりました。 PP&Mは民主党支持者で、ベトナム反戦運動や、黒人差別撤廃を求めた公民権運動にも精力的に取り組んだミュージシャンでした。「悲惨な戦争」など反戦的なメッセージソングを積極的につくり、若者に大きな影響を与えました。今でも反戦集会や市民集会では、「我が祖国」がよく歌われますが、これもPP&Mがそのきっかけをつくったものでした。 小学生でギターを始めた僕が最初、ギターの練習の課題曲としてよくチャレンジしたのがPP&Mでした。「悲惨な戦争」でアルペジオを習い、さらに「パフ」でツー・フィンガー、「くよくよするな」でスリー・フィンガーのピッキングを覚えました。 マリーさんの担当はギターでなく、ヴォーカルでした。そしてPP&Mの歌は3部のハーモニーのコーラスであることが多かったのですが、その中で「芯を貫いていた」のは彼女のしっとりとした歌声でした。 マリーさんのパートを男声で歌うのはしっくりこない感じもしたのですが、僕はよくPP&Mの曲をギターで弾き語りしました。PP&Mを手本にしっかりスリー・フィンガーを練習したおかげで、後に自分のバンドでCSN&Y(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)の曲を演奏した時、おおいに役に立ちました。 PP&Mの生の歌声は中学生の頃、当時の大阪府立体育会館でのコンサートで聴きましたが、音響がいまいちの会場もものともせず、素晴らしい曲の数々を聴かせてくれて、ますますギターやPP&Mの曲にのめり込んだものでした。当時のほっそりしたマリーsんの姿(晩年はおばちゃん体型になりましたが(失礼!))は今も目に焼き付いています マリーさんの存在なくして、PP&Mというグループはあり得なかったと僕も思いますし、多くのファンも同じ思いでしょう。僕にとっても、PP&Mとの出会いなくして、今の音楽の素養もなかった訳ですから、彼女には、ただただ感謝するしかありません。 マリーさんはグループ活動休止の後も、終生、国内外で人権擁護活動に力を注ぎました。そんな真摯で、ヒューマンな人間性には頭が下がる思いです。72歳は、天に召されるにはまだ若すぎる歳です。彼女の歌声がもう聴けないと思うと本当に切ない気持ちになります。今はただ、心からご冥福をお祈りしたいと思います。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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