友人でもある洋酒ライターの石倉一雄さんから、新刊の「東京府のマボロシ」(共著、社会評論社刊)を頂きました。
石倉さんはこの中の一章で、現代のバーでは欠かせない「氷」という存在が、欧米や日本のバー文化の中でどのように定着していったのか、私たちの素朴な疑問に答える形で、わかりやすく解説してくれています。
例えば、リンデ博士の人工製氷機が発明されたのは1876年ですが、世界で初めての体系的なカクテルブックと言われ、1862年に出版されたジェリー・トーマスの「How to mix drinks」には、すでに氷を使ったカクテルがいくつも登場しています。
また、開国間もない明治初めの日本(1860年代)でも、横浜の居留地のホテルのバーでは、氷が使われていました。では、トーマスや横浜居留地のバーテンダーたちははどのようにして氷を手に入れていたのか。当時はどのように製造・保存・輸送されていたのか。これは私自身も長年の疑問でした。
そうした謎に対して、石倉さんは数多くの史料・資料を駆使して解き明かしていってくれています。バーテンダーのみならず、飲食業界で働く人なら、ぜひ一読しておきたい渾身の論考です。 |
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Last updated
2021/07/23 09:37:18 AM
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うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。
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