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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2015/11/12
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オーストリアは、前回も書いたように人口(870万人)の実に12%が、第二次世界大戦が終わったあと移民としてやって来た人たちです。今回のシリア難民問題でも、数万人単位受け入れを表明していますが、難民たちの多くがドイツ定住を希望しているため、欧州全体では問題解決がより複雑になっています。

 そのドイツは現在約8000万人もの人口がありますが、メルケル首相は今回、新たに65万人の難民受け入れを表明しています。人口のわずか約1%弱かもしれませんが、65万人といえば、一つの都市が移転してくるような規模です(最終的には100万人くらいは受け入れるそうです)。現状では、ドイツ国民から大きな反発の声は出ていませんが、今後シリア人たちが、定住先のドイツ人たちと仲良く暮らしていく努力をしなければ、トラブルも増えて大きな社会問題になるのは必至です。

 ドイツには移民排斥を訴えるネオ・ナチ勢力が少なからずいますし、移民反対の極右政党も存在しています。今後、移民とドイツ人との軋轢が強まれば、そうした政党の議席が増えることも十分考えられます。実際、オーストリアでも先般、移民排斥を訴える政党が勢力を伸ばしました。以前にも書いたことですが、ナチスドイツのヒトラーも民主的な選挙で勝ち上がって政権を握って、独裁政治へ移行していったのです。

 ひるがえって日本はどうでしょうか。現在5千人以上の外国人が永住を希望して難民申請しているそうですが、これまで認められたのはわずか十数人だと先般、新聞等で報じられました。中東の難民を大量に受け入れるのは難しいことかもしれませんが、数百人~2千人くらいの規模なら可能ではないでしょうか。少子高齢化による人口減少で、とくに第一次産業での人手不足が深刻な日本には、難民を受け入れるメリットもあると思うのですが、どうでしょうか。

 現実問題としては、近い将来、北朝鮮で内乱が起こって、日本海側から大量の難民が船で押し寄せてくる事態も十分想定されます。日本政府や日本人は、いつまでも移民排斥の姿勢で済むはずがないことを、今から覚悟しておくべきだと思います。

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 さて、やっとのことでウイーンへ戻ってこれました。ホテルで荷物を置いた後、夕方なので、晩ご飯を食べるために再び街へ。このような建物を見たら、「あぁ、ウイーンへ帰ってきたんだなぁ」と思います。

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 晩ご飯を食べる予定の店へ行く途中、街の真ん中に赤い壁の教会がありました。カプツィーナ教会(別名「皇帝納骨所」)といい、ハプスブルグ家代々の柩が安置されているそうです。なお、ここに安置されているのは心臓と内臓を除く遺体のみで、心臓と内臓はハプスブルグ家の古い慣習でそれぞれ別の教会に納められているということです(宗教的な意味は、キリスト教徒でない僕にはよく分かりません)。

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 すぐそばのケルントナー通りにはこんな建物も。「マルタ騎士団教会」とありました。世界史の授業で聞いた記憶がある方もいるでしょうが、「マルタ騎士団」とは12世紀、十字軍時代のパレスチナで誕生したカトリックの騎士修道会(騎士団)ですが、かつてはロードス島やマルタ島に領土も持っていたそうです(現在は喪失)。
 「主権実体」として承認し外交関係を持っている国が英国、ロシア、スペインなど104カ国もあり、在外公館も設置しているそうです(日本、米国などは未承認)。また国連にもオブザーバーとしても参加しています。団(修道会)の本部は現在イタリア・ローマのマルタ宮殿に置かれ、建物内はイタリア当局から治外法権が認められているとか。騎士団は医療などの慈善活動を行っていて、独自のコインや切手も発行しています(出典:Wikipedia日本語版)。こんな建物が街のど真ん中にあるなんて、さすがウイーンですね。

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 さて話は変わりますが、モーツアルトは25歳以降のほとんどをウイーンで過ごしました。その彼が3年間(1784~87年)暮らした家が今も残されて「モーツアルトハウス・ウイーン」として公開されています。有名なオペラ「フィガロの結婚」はこの家で誕生したそうです(先ほどのマルタ騎士団教会からは北へ徒歩5分ほどの距離です)。

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 「モーツアルトハウス・ウイーン」のすぐ前、細い路地のようなドムガッセ通り。「アマデウス」にもこんなシーンが出てきましたが、あれはプラハで撮影されたとのこと。

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 ここがきょうの晩ご飯の店「プラフッタ(Plachutta)」。JTBの担当者もおすすめという、「ターフェルシュピッツ(Tafelspitz)」(牛肉の煮込み料理)の名店です。

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 6時すぎに行ったのですが、店内はほぼ満席状態。一般的に、ヨーロッパは晩ご飯のスタートが遅い(基本、8時過ぎ)といいますが、プラハもウイーンも、人気の店は早い時間から賑わっていることが多いです。待たされないためには、早め早めが正解です。幸い、この日も1、2分待っただけですぐにテーブルへ案内されました。

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 これが「ターフェルシュピッツ」。柔らかく煮込まれた牛肉がたっぷりな量のスープの中に沈んでいます。これで1人前。凄いボリュームです。ちなみにお値段は23.4ユーロ。

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 最初に、牛肉のエキスが浸み込んだ美味しいスープを。にゅう麺のような細いヌードルを入れて、一緒に頂きます。

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 付け合わせ(ポテト&ベーコン)や、肉につけるペーストやソースが一緒に添えられています。

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 肉は、ほうれん草のペーストや西洋ワサビのすりおろし、サワー・クリーム系ソースなどをつけて頂きます。とても上品で、程よい味付け。絶妙なマッチングです。絶品のお味で、ビールやワインにもよく合います。

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 当たり前ですが、周りのテーブルでもほとんど、同じ「ターフェルシュピッツ」を頼んでいます。どのテーブルも話がはずんで、盛り上がっています。この「プラフッタ」、皆さんもウイーンへ行かれる機会がありましたら、ぜひどうぞ。僕も心から「おすすめ」できる店です。

 プラハからウイーン、ザルツブルグ、そして再びウイーンと転々と旅していますが、今のところ、御飯を食べる場所で“ハズレ”の(不味かった)店はありません。過去の海外旅行では、旅行中1回くらいは「並み」の店にも遭遇したものですが、今回はいまのところ勝率10割です。これは自分でもなかなか嬉しいことです。

 団体ツアーだとお仕着せの店に連れていかれて、料理も不味かったという話をよく聞きます。日本発行のガイドブックに載っていても、必ずしも美味しい店ばかりではありません。しかしガイドブックに載っていて美味しい店も、探せばたくさんあります。この夜の「プラフッタ」やウイーン初日に行った「フィグルミュラー」もともに、「地球の歩き方」にも紹介されています。そして、この2軒ともウイーン在住の方の「おすすめ店」でもありました。

 海外旅行で美味しい御飯が食べられる店を、あまりハズレなく選ぶには、ガイドブックを参考にするのは大事ですが、実際に住んでいる日本人(あるいは実際に旅をした人)の方の口コミ(WEB)情報を事前にしっかり集め、現地の外国人の方の「おすすめ情報」も、到着後に尋ねてみることがとても大切に思います。そうすれば、失敗する確率はかなり低くなります。

 ただ、不思議なことですが、長年海外旅行でこうしたことを繰り返していると、ガイドブックの写真や説明、そして現地で実際その店の外観や雰囲気を見ただけで、なんとなく美味い店かどうか、かなりの確率でわかるようになるのです。そうして培(つちか)った「勘」や第一印象も僕は大事にしています。


  <ウイーン編(5)>へ続く。


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Last updated  2017/11/13 11:18:36 AM
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うらんかんろ

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