NBA(日本バーテンダー協会)監修の「新オフィシャル・カクテルブック」の改訂版が、先月(2016年10月)刊行され、大手書店の棚に並んでいます。
しかし、中身を見てがっかりしました。サイドカーやマルガリータ、ダイキリ、スプモーニなどに添えられている誕生の逸話は、旧版(1999年版&2009年版)の間違った説明をそのまま引き継いでいるのです。
NBA監修の公式なガイドブックでもあり、出版元は飲食業界関連図書の名門・柴田書店。各方面への影響力も大きいので、残念でなりません。同じ柴田書店からは石垣憲一という方が、従来の逸話の定説を「後世のつくり話が多い」と論拠をあげて否定する本(「カクテル ホントのうんちく話」=2008年刊)を出されているのに、出版元としてはこの整合性をどう考えているのでしょうか?
例えば、サイドカーなどは、従来はしばしば考案者と誤認されていたハリー・マッケルホーン自身が、そもそもその著書で「自分の創作ではない」と認めているのに、なぜまだマッケルホーン考案説にこだわるのか、理解に苦しみます。
もちろんNBA側が、石垣氏の説に反論できる根拠を持ったうえで、「従来説の方が正しい」と主張するなら理解もできますが、今回のカクテルブックでは一切そういう裏付けデータは載っていません。「NBAの監修だから信頼できる」と思って買う人も多いでしょう。ならば、なおさら最新の研究や知見を反映する本であってほしかったです。 |
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Last updated
2021/05/28 09:05:13 AM
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うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。
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