「まん防」が解除されたとはいえ、依然コロナ禍は続いて、日々憂鬱な気分になりますが、(とくにバー業界の皆様に向けて)少し明るいニュースをお知らせ出来ることを嬉しく思います。
以前私は、拙Blogで故・前田米吉氏(1897~1939)が著した、日本初の実用的カクテルブック「コクテール」(1924年<大正13年>刊)の解説付き復刻版を2011年に連載し、その連載がきっかけで知り合えた前田氏のご子孫らのご協力で、2017年、前田氏の経歴をさらに詳しく解明することが出来ました(まだ謎の部分が多いのですが…→ 2017年の記事 )。
そして、今回その連載を読んだ西オーストラリア州の州都パース(Perth)のバー業界の方々が素晴らしいイベントを考えてくれました。まずは、「コクテール」の英語版を作って、それをパースのバーテンダー仲間の皆さんに公開してくれました。
そして、その内容の素晴らしさを知ったバーテンダーの皆さんが、前田米吉氏の誕生日である「4月8日」を含む5日間(4日~8日)を、「Yonekichi Maeda Appreciation Week」と銘打って30軒以上のバーが参加し、前田氏の本に紹介されているカクテルにスポットを当てたイベントを開催してくれるというのです。
そして嬉しいことに、現在はPDFだけの資料に留まっている「コクテール英語版」を、本物の書籍として欧米や日本で販売する計画も進んでいるという知らせも受けました!
いまはコロナ禍で海外への渡航もなかなか簡単には出来ませんが、もし様々な規制が解除になれば、私もパースへ行って、バー巡りをしてみたいです。
以下に、今回の「Yonekichi Maeda Appriciation Week」のイベントの仕掛け人でもあるBrendan Scott Grey氏(Bar Mechanics' Institute オーナー・バーテンダー)から頂いたメール(要旨)を紹介しておきます。
拙Blogでの前田米吉氏の記事は、こちらへ
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お世話になっております。オーストラリアでの「コクテール」のイベント等の進捗情報ついて、ご報告させて頂きます。
「コクテール」と「前田米吉氏のストーリー」は西オーストラリア州のバーシーン、バーテンダー達に大きな影響を与えています。その証拠に、メイン・ストリートのバーでは米吉氏の写真を飾っているバーがたくさんあります。また、前田氏オリジナルのカクテル「ラインカクテル」を始めとして、バラエティに富んだマンハッタン、ピンポン、サイダー・ネクターやドクター・カクテルなどを「ハウス・カクテル」として提供しているバーも何軒かあります。
WEBで公開しておられる前田米吉氏にまつわる記事も、真剣にその道を極めているバーテンダーには必読というほど人気です。改めて、このようにオーストラリアで「コクテール」について広める機会を頂けたこと、ご協力頂けたことに心から感謝いたします。
「前田米吉氏の誕生日週(感謝祭)イベント」は、来週4日(月)から30軒以上のバーが参加し、前田氏のオリジナルを含む「コクテール」のカクテルにスポットを当てて開催される予定です。
イベント開催を持ちかけたときの(業界内での)反応は驚くほどポジティブなものばかりで、みんな、「コクテール」のレシピの中から、それぞれにお気に入りのカクテルを見つけることを楽しんでいるようでした。また後日、イベントの様子の動画や写真を送らせて頂きます。
また、英語版の出版についても大変嬉しいご報告があります。英国のある方から「コクテール英語版」をヨーロッパ、アメリカ、日本で出版することをオファーして頂きました。売り上げの75%はオーストラリア・日本間のバーテンダー・インターンシッププログラムへ寄付していただけるとのことです。
この寄付金は、インターンシップを勝ち取ったバーテンダーの航空費、宿泊費などをカバーするために使用したいと考えています。可能であれば、このインターンプログラムを「前田米吉スカラーシップ」と名付けさせて頂きたいと思っています。
改めまして、荒川英二様、前田英樹様のお二人に感謝を申し上げます。
ブレンダン・スコット・グレイ
PS. バーUKでも、前田氏の誕生日である4月8日(金)には、「コクテール」に収録されたカクテルの中からおすすめの何かをワンコイン(500円)で提供したいと思っています。
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Last updated
2022/04/02 12:44:19 AM
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Profile
うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。