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カテゴリ:きらきらポストモダン推理
犀川助教授と萌絵お嬢様が活躍する”S&Mシリーズ”第1期の最終巻となる第5巻を読んだ。
○ストーリー 閉め切った蔵の中で,日本画家が謎の死を遂げる。彼のそばには,家宝の箱と壷があった。これは自殺なのか?それとも?例によって好奇心旺盛な萌絵が,事件を調べ出す。事件については消極的だった犀川のもとに,萌絵が倒れたという連絡が来る。病床の萌絵のために,犀川は一大決意をするのだった。事件を解き,そして・・・ ----------------------- このシリーズの事件は,物理的にガチガチの密室で起きていたが,この作品では初めてフツーの日本家屋で事件が発生する。謎の家宝が出てきたり,証人の1人が事故で記憶を失っていたり,子どもが出てきたり,これまでの冷徹な世界とはだいぶ趣が異なる。 密室の謎や,事件の動機については言及するのを避ける。いきなりスゴイ悟りの世界を語るなあ,と驚いたけど。 家宝が隠された箱,その箱を開けるためのカギを内包した壷,というパズルにはびっくりした。こっちの謎解きの方が今回は秀逸だった。実現可能なんだとは思うけど(だよね?),ちゃんと元の状態に戻ることに感心した。 ----------------------- さて犀川と萌絵の関係は,行き着くところまで行ってしまった!(あっちの意味じゃないけど。)そして,ええーっ!このままじゃあシリーズ続かないよ!っという展開になる。それがどういう風に落ち着くのかは読まないと分からないけど。 森博嗣は,シリーズを通して,巧みに2人の関係を近付けてきた。この第5巻はある意味,そのクライマックスかもしれない。 ラブストーリーだねえ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.04 21:00:42
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