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2010.10.29
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逢坂剛の「百舌の叫ぶ夜」でシリーズの第1作(あるいは第0作)を読んだ。

○ストーリー
公安部に配属になった浅見刑事は,気難しいことで有名な桂田刑事とコンビを組むことになる。強引な捜査をする桂田だが,浅見は彼の正義感に徐々に惹かれていく。だが浅見の前に,内部捜査官の津城と名乗る警視が現れ,桂田を内偵するように依頼をしたことから,彼の心の中に疑いの気持ちが生まれる。
そして,商事会社ビルへのテロと,大物右翼狙撃事件が同時に起き,浅見はいつしか事件の謎の中心にいることに気付く。

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〈百舌シリーズ〉と同じ世界に属する「裏切りの日日」を読んだ。警視庁に属し,警察の不祥事を内偵する内部調査官の津城が登場するのが共通しているが,殺し屋の百舌,公安刑事の倉木など,シリーズキャラクターの存在はない。

この作品は〈公安警察シリーズ〉の第1作とも呼ばれるが,やはり〈百舌シリーズ〉の第0作,あるいは序章と捉えるのが一番正しいような気がする。

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この作品の主人公は桂田と言う公安の中堅刑事だ。彼の様々な面が,公安部に配属になった若い浅見刑事の目を通して語られる。

桂田刑事の精神は独特の正義感で構成されている。自分がクロだとにらんだ容疑者は苛烈に取締りと捜査を行うし,危険があると判断すれば自分の時間を削ってでも張り込みをする。

だが,そうした仕事への真面目過ぎる生活のため,家庭に問題が生じ,桂田に歪みが生じる。〈百舌シリーズ〉の倉木も良く似たバックグラウンドで,全てを失い,仕事でしか生きて行けない人間のように見える。

だから内偵をしている浅見刑事だけでなく,読者たちも,決して桂田を,悪者として見なすことはできない。ある人物から賄賂をもらっていることは確からしいが,それ以上の悪事に手を染めているのか?そして事件の真相は?

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中盤まで警察小説,警察ハードボイルドというべき展開で進んだ作品は,終盤に来て本格ミステリー風な流れになる。

これにはやはり少し驚いた。で,残念ながら本格ミステリーの伝統に従い,謎としては大掛かりで魅力的だが,実現するにはなかなかキビシイ環境が見えてしまって,リアリズムのあった前半とは,どうしてもしっくりとこないところがある。

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壮絶な生き方をする男たち,きちんと男に魅力に反応する女たちなど,逢坂剛の作品の魅力はキチンとあるのだが,やはりシリーズ作品となるまでのキャラクターのチカラは足りなかったようだ。

とは言え,これを足掛かりに,〈百舌シリーズ〉が生まれたという理由はよく分かる。記念すべき作品なのかも知れない。














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Last updated  2010.10.30 18:40:18
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