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2011.01.05
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「マドンナ」の続編とも言える奥田英朗のサラリーマン小説を読んだ。

○ストーリー
広告代理店に勤める由紀子は,40才近くの先輩晴美と一緒に,クライアント打合せに出向く。だが先方の担当は由紀子と同じような年令の堅物の女性だった。徐々に自分の年令を感じ始める由紀子だが,一方で晴美の突き抜けたような明るさにも魅力を感じていた。イベント当日,突然のアクシデントに見舞われたとき,3人が出したアイディアとは?

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「マドンナ」でサラリーマンの気持ちを描いて見せた奥田英朗が,今度はビジネスウーマンの気持ち描いて見せた。

奥田英朗は男性で,かつ会社勤めの経験者のハズだ。それでも「マドンナ」で巧みに描写した,40才前後のサラリーマンの心理については舌を巻いた。

それが続編ではなんと,30代ビジネスウーマンの心理を描いて見せた。これはもう完全に脱帽だ。男性でも,ここまで女性の心の機微を描けるものなんだなあ。これは文章力でもセンスでもなく,観察力と共感する心が無いとできないことだ。ホントに感心。

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共通したテーマの短編集で,どれもうまく1時間ドラマのようにまとまっている。心理的だったり,社内での行動だったりで,そこそこキツイところまで踏み込んで見せて,小さな事件があり,最後は(基本的に)爽やかに終わる,という手際の良さに,反感を感じようとしてみたけど,やっぱりダメだ。上手い。

ただ,主人公が共通して,大企業勤めで,給料も良く,ルックスもいい,という点はちょっとなあ,と思った。石田衣良の小説じゃないんだからさ・・・

ブツブツ文句言ってるけど,お前らボーナスも,退職金も,企業年金もいいんだろう?と,こっちが文句を言いたい。

えーと,言い過ぎた。ホントは感心してる。一番のポイントは,小説としての満足感が得られるということだ。いろんな人に薦めたくなる,そんな作品だ。

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各編について簡単に述べる。
「ヒロくん」:聖子は35才で課長になったが,課員で3つ年上の男性が徐々に彼女をおとしめるような言動を取り始める。取引先で2人はぶつかってしまい,聖子はついに・・・この後の短編の主人公たちや,現実の人たちと比べると,「何が不満なの?」と言いたくなるほど恵まれている主人公だ。でもトラブルの解決方法は見事。
ヒロくんとは旦那の出来過ぎた草食系男子のこと。いいじゃん,こんな人がいるんだから。

「マンション」:広報課に勤めるゆかりは,社内で「石原都知事」と言われるくらい衝突を恐れないタカ派だ。だが友人がマンションを買うことを知り,自分でも購入を検討し始める。だが都内にマンションを持ち,ローンを組むということは,転職も転勤も避けるべきということだ。ゆかりは周りの男性が,衝突を避ける気持ちを初めて理解するが,それでもついに・・・主人公がフツーに近い女性なので,この作品にしては親しみやすい短編だ。確かに秘書課のホステス集団っているよなあ。ある時,これまで取っていた行動が怖くて出来なくなる,というのも共感できる。問題はラストかなあ。

「ガール」:バブル後に入社したものの,広告代理店はやはり派手だった。入社して10年たった由紀子も,まだ若い女性に負けないファッションでいたが,徐々に周りの目が気になり始めていた。社内の40才近くの晴子は,由紀子以上に派手な服装と行動で有名だったが,クライアントの百貨店の担当はなんと堅物の女性だった。・・・作品タイトルに選ばれるだけあって,なかなかインパクトのある短編だった。なんだか自分とはチガウ世界なので分からないが,イロイロとイタイ感じは伝わった。疲れないのか,こういう人は?

「ワーキング・マザー」:36才,バツイチ,1人で子育ての孝子は,かつて所属していた営業部に復帰した。孝子は仕事,家事,息子との時間をなんとかこなそうと寝る間を惜しんで働く。だが彼女が進めていた企画が,販売部に奪われそうになる。ついに孝子は「錦の御旗」を使うが・・・うーん,あまり描写されていないけど,息子の祐平君ってあまりお母さんのことは好きじゃないのかも知れないなあ。とにかく欲張りで頑張り過ぎ。気疲れする女性みたいでイヤだ。

「ひと回り」:34才の容子が1年間指導をすることになった新入社員は,長身ハンサムな爽やか青年だった。社内だけでなく,取引先でも話題になる彼に,いつしか容子も心を動かされ,他の女性からのアプローチを邪魔するようになる。だが,ある夜,容子は見てしまった。・・・うーん,心理描写はとってもリアル。でも容子もしっかりと,金持ってそうな男をキープしているのがムカつく。この女が総合職???そこはリアリティ無いだろう。








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Last updated  2011.01.05 22:17:13
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