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2014.08.15
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カテゴリ:びしびし本格推理
ストーリーテリングの職人・道尾秀介の重厚な作品を読んだ。

○ストーリー
あの事件の記憶にさいなまれ,仕事も家族も失った私の目の前で,1人の女が自殺をする。だがその女こそ,あの事件に関わり,30年間行方不明となっていた人物だった。運命に導かれるように,私と小学生の息子は夏の数日を,事件の起きた村で過ごすことになる。そして事件の起きた〈六郎忌祭り〉に,息子は誘拐され,私はあの恐怖を再体験する。

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旧家が支配する山あいの村,地主の次男の優しいお兄ちゃん,猟師だった父親,顔に怪我をして紬を織る娘,隠された関係,祭りの日に起きる殺人事件・・・読んでいて何回も,「これっていつの時代を背景にしているのだろうか?」と考えてしまった。

安部公房作品のようなファンタジックな挿話が各章の間に入れられ,ひじょうにブンガク的な色合いも強い。そして本編は,横溝正史のような時代がかった舞台設定だ。これって戦後すぐの日本じゃないの?

400ページ越えのずっしりとした読み応えのある作品なのだけれど,いろんな面であるお手本に沿って物語を作り上げようとしているような,不自然さを感じ続けた。

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もちろん道尾秀介作品なので,見事な情景描写や,ピースが噛み合うとなるほど!と感じる伏線の組み合わせは健在だ。けれども沈うつな内容があまりにも続くので,そうした清涼感や爽快感が薄められてしまってちっとも効果を発揮出来ていない。

多くの人がきちんと物事を伝えなかったために起きてしまった悲劇,という物語も,まるでシェークスピア演劇のようで,ちょっと視点を変えればただのギャグのようにも思えてしまう。時間があったのだから,話し合ったり,調べたりすること出来ただろうに・・・

全体の雰囲気は,道尾秀介のデビュー時の作品「背の眼」「骸の爪」に似ていると思った。なぜここに来て,全く売れていなかった頃の作風に戻すのだろうか?間違っているとしか思えない。

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ラストの息子のセリフで,かろうじて少し感動が味わえる,というところだ。それにしても長い。







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Last updated  2014.08.17 09:27:05
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