ガウチョ2号誕生
「クリアネス、量感、粒立ち、フォーカス、空間表現・・・、すべてが異次元の領域!」こんな文章がCDの帯に書かれているのが1月23日に発売された、ユニバーサルミュージックのSHM-CDシリーズ。50タイトルの中にスティーリーダンの「Aja」と「Gaucho」が含まれていた。すっかり発売されて数日経っている事を知らず、立ち寄ったCDショップで「Gaucho」を見つけて、上に書いた帯の言葉に思わず衝動買いしてしまった。まったく何枚同じアルバムを買わせるねんと、ボズスキャッグスの3部作の相次ぐリマスター、再発に怒りをあらわに日記に書いた事も過去にあった。スティーリーダンもレコードからCD、ボックスセット、紙ジャケリマスター盤と何度も何度も買ってきた。音にこだわって来たスティーリーダンなので、初CD化された際はいい音で聴けるぞとレコード屋に喜び勇んで買いに行ったが、さすがに度重なる買い増しには頭に来ながら買っていた。高音質のSHM-CDと言われてもはなはだ疑わしくて、今回はどうしたもんかと思って躊躇していたが、音を聴いてみて今回のSHM-CDはちょっと様子が違った。スティーリーダンの「Gaucho」は、作り込まれたその完璧な音にややもすると機械的だとか、人間味を感じないとか言われがちなアルバムだったが、私は大好きな1枚だった。このSHM-CDで聴いた「Gaucho」は違う。うんこカーステレオ(笑)で聴いたにも関わらず、参加ミュージシャンの息遣いを感じ、バリバリの人間味溢れるアルバムになっているではないかと個人的な感想。買う時に2800円も取りやがって、と怒りながらお金を出したが(笑)、これは2800円でもしぶしぶ許そう。でも、もう少し安くならんのかなあ・・・(苦笑)。確かに粒立ち、空間表現が従来の印象と異なり、これはJAROに誇大広告だと訴えても確実に却下されるだろう(笑)。特に「Time Out Of Mind」の圧倒的な透明感は素晴らしい。最も期待していた「Gaucho」のジェフポーカロのドラム。しょぼしょぼカーステでも1音1音がクリアで、間奏やエンディングの盛り上がりが一層ドラマチックに感じられた。まさに歌詞の通り、♪ふーいずざガウチョ2号~、もうひとつのガウチョの誕生(意味不明)。従来の「Gaucho」に人間味が加わって、最強の1枚である。SHM-CD、もう少しいいオーディオがあったら、さらに異次元へ連れて行ってくれるんだろうなあ。しょぼいオーディオしかない我が家の音楽事情を恨む。このシリーズは初回限定生産という事らしいので、これは「Aja」もとりあえず買わないと一生後悔すると思い、取り置きをお願いしようとCDショップに電話をかけまくったが、どこもかしこも全て売り切れ。アマゾンで検索したら1~2週間でお届けと出ており、即申し込みをした。メーカー在庫はあるのか?ちゃんと届いてくれるのだろうか・・・?SHM-CDで「Home At Last」のパーディ親分のドラムと大好きな「I Got The News」を早くSHM-CDで聴いてみたいっ!今シリーズの中でも「Layla」と「Aja」は特に売れまくっているらしい。「Aja」の売り切れ店続出で、もしかしてスティーリーダンの他のアルバムも今後SHM-CD化の可能性はあるのだろうか。前回のリマスターでも消えなかった「Katy Lied」の曇り具合がSHM-CD化で日本晴れに変わるのか、すごく聴いてみたいのだが、懐具合が・・・(汗)。私のうんこカーステでも驚きの連続だったので、皆様のお宅のオーディオ機器でしたらさらに異次元体験が出来ると思います。50タイトルの中からこれぞというアルバムを選んで、異次元体験をぜひお楽しみ下さい。