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私:昭和の時代、世界を席巻した日本の電機メーカーが、その後、韓国や台湾、中国との競争に敗れた敗因は、堀篭俊材氏は「人材を通じ技術流出が進み、その流れに歯止めをかけられなかった」ことだと電機大手のトップ経験者から、そんな話を聞いたことがあるという。
1990年代、韓国企業は年収3千万円、ソウル郊外の豪華マンション、車の送迎つきという破格の条件で日本の技術者を引き抜いた。
半導体やテレビなどで韓国勢がリードするようになった背景には、日本の技術者の大量流出があったといわれる。
A氏:文科省科学技術・学術政策研究所の藤原綾乃氏によると、80年代前半~2015年春までの間、日本の電機や精密機器メーカーから韓国や中国、台湾などの企業に約1千人にのぼる日本技術者が転職したという。
藤原氏は、米国で申請された特許約100万件を対象に、日本企業が申請した特許に出てくる技術者の名前を追跡調査し、アジア企業の特許と一致する名前を探し、その移動を特定。
藤原氏は「長引く不況で電機各社がリストラに乗りだし、技術者の大量流出を許した可能性がある。優秀な人材から流出することを前提に、人の育て方や評価のあり方を見直しては」という。
定年退職して海を渡った日本人技術者もいて、定年後、ある中国の部品メーカーで働く日本男性は「日本も高度成長期に欧米のまねをして成長した。いまの中国には当時の日本と同じ活力がある。日本は『発想力』で勝負するしかない」と話す。
私:平成最後の「シーテック・ジャパン」が先週、千葉・幕張メッセであったが、出展企業には、日本の技術者を受け入れてきた韓国サムスン電子、中国のファーウェイ技術の姿はなく、世界からの日本への注目度を映しているとしたら、寂しい限りであると堀篭氏はいう。
日本勢の中で注目されたのは若い企業で、日本発の人工知能(AI)ベンチャー、プリファード・ネットワークス(東京)は、自ら学習して部屋を掃除する家庭向けロボットを初公開した。
ロボットを動かすAI開発に力を入れる同社は、社員約180人のうち外国人が約20人を占め、国際的なロボット技術コンテストで1位を取った技術者もいる。
国籍は米国やインドのほか、英独仏やメキシコ、モロッコなど様々で、まるで今年のサッカーW杯の出場国をみるようだと堀篭氏はいう。
堀篭氏は「平成の終わり、国境を越えて、技術者は自由に行き来する時代になった。その力をどう引きつけられるのか。それが日本の未来を動かす」という。
一方で、ブログ「研究費、『選択と集中』のいま」でふれたように、新しい「発想」や産業のもとになる「日本の科学力」が低下しており、日本の経済力の根底に問題はないのだろうか。
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Last updated
2018.10.24 18:02:07
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