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2010.07.20
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カテゴリ:読書
「くだらない」と一言で語れない。
それが「つきのふね」。

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人間は面倒だから植物になりたい。
主人公さくらでなくても、そう思った人はたくさんいるだろう。

似た話は、きっと世界中に存在しているはず。
前向きになれず、「生まれ変わったらプラナリアになりたい」。
そんな主人公もいた。

山本文緒「プラナリア」

中学生はネット上で「厨房」と呼ばれる。
幼い行動を揶揄するための言葉。

だが、中学生にも悩みはある。
その重みは大人より重い場合も当然ある。

石田衣良は「4teen」で中学生男子の世界を描いた。
性があり、生もある。そして笑いがあり友情がある。

森絵都はこの作品で、女子中学生の友情を描いた。
万引きがあり、禁止薬物への誘惑もある。

人は、人を嫌いにはなるが一人では生きられない。
どこかで人を求めてしまうもの。
ネットの2ちゃんねるやmixiが受け入れられるのは、人の弱さがあるから。
誰かとつながっている安心感。人はどこかでそれを求めるもの。

盗っ人のさくらは万引きの世界から抜け出せた。
それは、ずるいからなのか。
それとも勇気があるから?

今、この瞬間にも万引きをしている中学生がいる。
友だちに誘われて、やめたくてもやめられない子がいる。
そればかりか、援助交際という名の売春に誘われている子もいる。
シンナーやMDMAなど、禁止薬物を手にする子もいる。

薬物問題に詳しい水谷修氏。
彼は講演でこう言っていた。
「薬物は先輩から、友人から蔓延することが多い」

そうした中学生たちのことを考えれば。
この作品は、稚拙な現代文の古文書に笑ってばかりもいられない。
ノストラダムスの大予言を懐かしがるのも少しの間だけ。

さくらは実際の人物ではないが、多くのさくらが日本中にいる。
その子たちは夜も悩み、苦しんでいる。

勝田くんのキャラクターは女性作家独特の視点。
高橋留美子が「めぞん一刻」で五代の性欲を描けたのはすごい。
この作品を読んで、改めてそう思う。

石田衣良だったら、この作品をどう表現したか。
重松清だったら?梨木香歩や角田光代だったら?
作家のよる違いを想像するのは楽しいことだ。

問題があるとすれば、放火魔のこと。
描き方と処理の方法が唐突。
というより説明不足。

次にこの作家の作品を読むとしたら。
「永遠の出口」になるのだろう。

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この作品は、感想を読むのが面白い。

つきのふね/森絵都(小説)

「つきのふね」 森絵都

つきのふね(森絵都)

つきのふね 森 絵都

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最終更新日  2010.07.20 18:43:45
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