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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

March 5, 2007
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カテゴリ:折々のバカ
大学のクラスメートなど30年もたつとほとんど名前も忘れてしまったが、忘れられない名前の女がいる。

80歳の老婆より生気がなく、ゲシュタポの女看守のように意地が悪く、国防婦人会会長のようにアタマが堅い18歳の女をどうして忘れられるだろうか?

そんな彼女の性格は、容姿容貌の欠陥のせいだとばかり思っていた。つまり、ドブスだから底意地が悪くなってしまったのだろうと考えたのである。

クラスメートの男全員と、この点では意見が一致した。

ちなみに、誰が美人と思うかについてはてんで意見が分かれるのに、誰がブスと思うかについては順位まで一致したのには驚いたものである。

美は個別的だが、醜さは普遍的ということにちがいない。

しかしそれでは彼女と同じくらいブスなのにとりあえず性格は悪くないクラスメートや、性格は悪いにしても常識の範囲内に収まるもうひとりのクラスメートことは説明がつかない。

彼女の性格の悪さが、この二人をおさえてダントツのワースト一位に輝いたその容姿容貌に起因するものではないことに気づいたのは、それから何年もたってからである。

札幌に藤学園という私立の名門がある。北海道では数少ないお嬢さん学校のひとつで、中学から大学まである。中島みゆきの出身校としても知られている。

わたしの行っていた大学に、女子高出身者の二大勢力があった。

ひとつがカソリックのこのF学園で、もうひとつがプロテスタントのH学園である。

この二つの学校の出身者のキャラクターは、おもしろいくらい正反対だった。

端的に言って、F学園出身者は陰湿で嫉妬深く疑り深い。物事を何でも悪い方にとる。女は良妻賢母になるべきで、教師は絶対に正しく、授業をさぼるのは悪だと思っている。

まあそう思うのは勝手だが、そう考えない他人を断罪するあたりはまるでゲシュタポかKGBか特高のようだった。

この学校の出身者は、腹の底から笑うということがない。彼女たちがからからと陽気に笑うのを見たことがない。

H学園出身者は、性格は快活、人生に前向き、考え方は自由で、見るからに溌剌としている。よく笑って屈託がない。人を悪意で見ることがなく、何だか服装までカラフルだ。

そういうキャラクターだとブスでも魅力的に見えるもので、若かったわたしはH学園出身のブスをつい彼女にしてしまったほどだ(笑)

社会に出てみて、F学園出身者といえどもいくつかのパターンがあることに気がついた。

A 中学から大学まで藤一筋というはえぬき。藤ピューリタン。

B 中学と高校は藤で大学は他大学。

C 中学・高校は公立で大学が藤。

D 中学または高校のみ藤。

AとBは救いがたい。Cにはその逆に傑出した人物が多い。Dはサンプルが少ないので何とも言えないがダメなケースの方が多いようだ。

ちなみに中島みゆきはCのパターンだ。

一般に、女子中・高出身者というのは(男子校出身者もだが)いびつな人間が多い。特に異性に対して異常な関心を持つ。その関心のベクトルもひねこびているケースがほとんどだ。

とはいえ、異性に対して免疫がないのはH学園出身者も同じだ。中学・高校と女だけの環境で育てば、異性を見る眼が育たないのはこの学校だけの問題ではない。

F学園出身者のどこが決定的におかしいのか、実例を観察しながら考察して25年ほどたったあるとき、はたと思い至った。

詩聖・金子光晴の詩を読んでいて、彼女たちは、彼が言うところの「女であって女でないもの」だということに気がついたのだ。

金子光晴流に言えば、彼女たちは愛のすべ知らぬ女たちだと言うことだ。

愛のすべ知らぬというのは、わかりやすくいえば、人を愛することができないということだ。

蝶よ花よと育てられた彼女たちは、自分を愛する以上に他人を愛する感性が育たなかった。

いつまでたってもナルシスティックなお嬢さまにとどまり、夫や子どもでさえ愛することがない。というか、自分よりも愛することがない。

実体験でもそう感じたことがある。

思い出すのもおぞましいが、四半世紀ほどまえ、Bの、それも音楽大学進学者というきわめつけのお嬢さんグループと合コンをやったのだった。

彼女たちは旧帝大生、それも理系学生がお気に入りだと聞いていたので、そうしたメンバーを苦心して揃えて臨んだ。

合コンの席でちょっとしたトラブルが起きたのだが、そのとき彼女たちがとった態度は忘れられない。

トラブルの解決など眼中になく、ひたすら保身に走ったのである。

「愛のすべ知らぬ女」は、何もこのF学園の専売特許ではない。女子高出身者だけでなく、あまねく存在する。F学園は、そういう女の割合が際立って多いというだけだ。

ここで断罪したいのは、しかし彼女たちではない。

わたしが何よりバカだと思うのは、「愛のすべ知らぬ女」を配偶者にえらぶオトコたちだ。

「女であって女でないもの」と結婚したオトコほど無意味なものが、ほかにあるだろうか?





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最終更新日  March 22, 2009 10:29:17 AM
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