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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

March 10, 2007
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ベートーヴェンはこのオペラが大嫌いだった。いわく、「不道徳のきわみ」。

姉妹のそれぞれの恋人である士官が、彼女たちの貞節を試すため、変装し相手を取り換えて迫るというお話。姉妹は陥落し、士官たちとの賭けに勝った老哲学者は言う。「コシ・ファン・トゥッテ」(女はみんなこうしたもの)。

このオペラの特徴は「アンサンブル・オペラ」と呼ばれることがあるように、重唱がふんだんに用いられていること。登場人物たちの気持ちを同時に表現できる重唱の利点がフルに発揮され、あやとりのような物語のおもしろさを加速させているのには、あらためてモーツァルトの天才ぶりというか直観力に舌を巻く。

たとえば第一幕のフィナーレ。狂言自殺をした男達の求愛を迷いながら拒絶する部分。姉妹の揺れ動く心が乗り移ったかのような絶妙な音楽と相まって真に迫る。

モーツァルト自身の登場人物への評価や共感は音楽に表れることが多い。

皮肉屋の老哲学者には単調な、「貞淑と浮気は使い分けるべき」と登場人物の間をとびまわる狂言回しには、いかにもモーツァルトらしい軽快で楽しげな音楽がつけられていることからもそれはわかる。

そうとすれば、モーツァルトは姉妹の味方である。モーツァルト自身は狂言回しの位置にいながら、姉妹には甘美な歌を歌わせている。真実の愛であれば、それがどのようなものであれ尊い。

モーツァルトは音楽を通してそう語っているのだ。

人間(ここでは姉妹)の自然な感情を抑圧する不条理な「道徳」への問いかけ、告発と弾劾が、一見、軽薄な内容のこのオペラの主題だろう。

モーツァルトの柔軟な人間洞察力には驚くばかりだが、ベートーヴェンはこの隠された主題を読みとった上でこのオペラを嫌ったのだろうか?

※名指揮者カール・ベームがイギリスのフィルハーモニア管弦楽団を指揮したハイライト盤がある。煽動するモーツァルトとでもいうべき演奏。







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最終更新日  March 28, 2007 12:09:24 PM
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