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カテゴリ:映画
道内初公開、スタンリー・キューブリック25歳のデビュー作。「アマチュアの仕事だ」とフィルムを買い占め再公開をゆるさなかったという作品。
25歳の若者が作ったとは思えないシャープな見どころの多い62分の映画。戦争映画のようで実はまったくそうではなく、極限状態が人間にどういう影響をもたらすかを問いかけた、善悪の判断などよせつけないおそろしい作品である。 舞台は架空の国同士の戦場。敵の陣地に不時着した4人の兵士が味方の陣地へ戻ろうとイカダを作り始める。しかし、敵の将校を見つけた彼らは二手に分かれ、警備兵をおびき寄せたスキに将校に奇襲をかける作戦の顛末が描かれていく。 鮮烈なシーンがいくつもある。ベルトで木にくくりつけた地元民の女性を見張る若い兵士の心理と狂気、食事中の敵兵が死んでいくときの目の光が失われていく描写、退屈な日常に戻るくらいなら英雄として死にたいと危険な役を引き受ける兵士の正気と狂気の境界。最も「おそろしい」のは、敵の将軍と副官の顔が、襲撃した側のふたりとまったく同じであることだ。 銃撃され降参する敵の将軍を撃ち殺すのも、極限状況が人間に何をもたらすかを映画で「思考」した結果のように感じられる。 哲学的で非娯楽的な作品ながら、決して観念的でもなく退屈もしない。そのあたりがキューブリックの天才を明らかにしている。 キューブリックの作品を一通り、もう一度観ようという気にさせられた1本。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
July 30, 2013 07:21:11 PM
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