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カテゴリ:映画
劇場公開時に観ているし、原作も読んだことがあるのだけど、あらためてBS放映を録画で観て、時代の変化の大きさを感じた。
原作は2003年に発表、映画は2008年に公開されているが、舞台は1985年。携帯電話もパソコンもない時代だ。 作品は日航ジャンボ機墜落直後の地元新聞記者の苦闘を描いている。無線機を持たない記者は民家で電話を借りて口頭で記事を送る。受け取る方も手書きでメモを取る。今なら現場でデジタル入力された記事が、校閲を受けてデジタルで割りつけされ、そのまま新聞紙面に載るのだろう。 新聞製作はずいぶんと楽になったことだと思うが、一方でSNSで誰でもが情報を発信できるようになり、新聞は社会的にも経済的にも大きく地位を後退させている。 墜落原因を事故調査委員会が特定したという情報の裏取りを試みた社会部記者からの、ほぼ大丈夫だが確証はないという報告を聞いた全権デスクはダブルチェックを重視し掲載を断念する、というのがクライマックス。結果的には毎日新聞に抜かれてしまうことになる。 こういう葛藤は今でもあるのだろう。たとえ結果的に誤報になることがあったとしても、プロとしての矜持、公器としての使命感、そういう葛藤のもとに記事は社会に出される。 一方、SNSでは何の葛藤もないまま、気楽に情報が発信される。多くは発信元を知られることもないため、誤報だろうがお構いなしだ。 もう紙のメディアの衰退は避けられないだろう。10年後に戸別配達の新聞があるとは想像できない。ただ気楽に誰でもが情報発信できる時代だからこそ、報道機関の役割は重要だと思うのだが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.23 12:02:01
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