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2005年10月03日
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カテゴリ:日本ミステリ
アイルランドと聞いて一番に浮かぶのは、

汽車に乗つて  あいるらんどのやうな田舎へ行かう

という、中学校の頃習った詩の一節でした。こんなのどかなところではないのですよね。

この作品では、アイルランドの政治的紛争が、クローズドサークルを作り出すという新鮮な設定です。
けれども、社会派推理ではありません。すっきりと読みやすい作品です。


南アイルランド、スライゴーの宿屋で、一人の男が殺されているのが発見されます。
彼は、南北統一を目指す武装勢力NCFの副議長で、他の二人のメンバーと共にその宿屋に泊まっていました。
残されたメンバーはその宿屋に泊まっていた、国籍も年齢も異なる6人の男女を、同志を殺した犯人がはっきりさせるまで拘束すると主張しますが、宿泊客の一人である日本人科学者・フジの機転によって協定が成立し、全員が協力して犯人探しが行われることになります。

実はここに殺し屋が紛れ込んでいることも読者には知らされており、犯人探しと共に、殺し屋が誰であるかと言う謎も加わって、興味深い展開となります。

敵味方が頭をしぼって交互に議論を繰り出していく様子が面白く、犯人解明に至るプロセスは見事です。
フジのスーパーマンぶりも楽しかった。
誰が犯人であってもおかしくない状況なのですが、この人がここで殺された
ことの意味が納得できるもので感心しました。

最後には全てにそんなにしっかり決着をつけなくてもいいのに、と思いながらも、後味がいいものとなっているのでそれもいいか、と思いました。

東川篤哉さん 林泰広さんに続いて3人目の光文社カッパノベルスの新プロジェクト「KAPPA-ONE 登竜門」の一冊でした。



 アイルランドの薔薇 :  石持浅海








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最終更新日  2005年10月05日 07時54分16秒
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