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岩波書店・広瀬秀雄/中山茂他日本思想大系63 近世科学思想 下 【中古】afb 渋川春海「天文瓊統」「近世科学思想・下 日本思想大系(63)」 岩波書店 1971年刊 「近世科学思想・下 日本思想大系(63)」所収の 渋川春海の「天文瓊統(てんもんけいとう)」 「瓊統(けいとう)」とは、たまのすじ。 恒星がたまのすじのごとく並んで星座を形作るところから標題となる。 ・・日本人最初の星表再解析 中国では既に知られていた星、星座について、 渋川春海が選定した星座リストが載っています。また、春海が日本語名を命名したとのこと。 「天体は混沌、清陽にして質なし。 玄(くら)くして形あるにあらず。大にして外なし。 気、動いて息(や)まざるなり。 その一物なきもの、これを天と謂(い)ふ。 その物あるや、陰陽五行の精なり。」 「先王多く天象によりて以て官を設け、 後人或いは人事を以て象に名づく。・・」 ≪古くから中国では、天体の運行と地上の人事現象との間のアナロジーが 取られる。特に諸天体の配置を、地上の官僚制のヒエラルヒーになぞらえるのは、 史記天官書に見える所である。 このアナロジーにもとづいて、天上と地上の現象の間の相関関係を求めるのが、 天文占の原理である。 そして、占の対象は、天下国家的な大事、君主の関心事のみに限られる。≫ 中山茂氏による解説・・ ≪宣明暦の不備を突き、その改暦をうながすためのチェック・ポイントは、二つある。 一つは冬夏至観測で誤差を実証することであり、 今一つは日月食予測で宣明暦よりもよく合う暦を示してみせることである。≫ 春海は、宣明暦の不備を論じ、授時暦による改暦を上表し、 延宝三年(1675)から3年、6回の日月食の予測を、 現行の宣明暦と、授時暦及び大統暦の三暦を推算比較するも、 6回のうち最後の6回目の日食において、宣明暦だけが正解するという番狂わせが起こる。 一気に、改暦の機運はしぼむ。 それ以上に、春海はショックを受ける。学問上の危機となる。 ≪その危機を乗り越えることは、春海にあっては、中国への劣等感という心理的障碍を 乗り越えることであった。 そこには春海の神道的背景が作用したのかもしれない。 ともあれ、ここで春海は中国暦に執着することからはなれて、多少の数値を改編し、 大和暦という自らの暦法を編み、 天和三年(1683)はじめて日本人の手になる暦法による改暦を上表したのである。 しかし、一般の心理的障碍は容易に除去できない。≫ 日本のものは春海ただ一人が押すのに対して、 15人の儒家は、明の大統暦を押していた。かくして衆議にて、大統暦が採用することが決まる。 ここから、春海は、三度目の上表をするとともに、朝廷、幕府双方に対する裏面工作も行い、 起死回生の改暦を実現させる。 ≪碁や神道を通じた広範囲の知遇を得、特に幕閣の有力者保科正之、水戸光圀の庇護を 受けたことが、改暦成功の最大の理由に挙げられよう。≫ ・・一介のエンジニアにはできない芸当でした(≧▽≦) 岩波書店・古島敏雄/安芸皎一日本思想大系62 近世科学思想 上 【中古】afb 【送料無料】天地明察 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.02.28 23:41:36
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