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テーマ:子どもと教育問題(292)
カテゴリ:日本のこれから(学力低下)
NHKは、多くの人たちを対象に「アンケート調査」を行うようですが、私のような教職員からの意見も大切と考えて、アンケートに答えることとしました。項目は多いので、一つひとつ質問項目と「私の回答」を紹介します。(このたびが第7回)
幸いにして文部科学省は「フィンランドの教育」に注目している。「学力世界一」のフィンランドは、「教育の市場化」政策は一切とっていない。 福田誠治著 『格差をなくせば子どもの学力は伸びる 驚きのフィンランド教育』の内容を任意に列挙すると 「格差をなくす それが共通理解」「逆行する日本の教育」「すべての権限を現場へ」「フィンランドでは学校間格差はほとんどない」「底上げすれば上も伸びる」等々。基本的に成績上位者を伸ばすための「特別な措置」は行われずもっぱら「遅い子も追いつける授業」に力を入れているのであり、そのための条件整備をしっかりと行っている。 このような「世界一」の教育に学びつつ「追い立てる発想」を根本的に変えていく必要があるのではないか。ただし、総合的に果たしている役割は日本の教育も負けていないかもしれない。 (『悲鳴をあげる学校』の最終章を参照されたい) 〔質問項目〕 めざすべき教育についてお聞きします 日本の教育は、今後どうあるべきだと思いますか? 〔私の回答〕 1, 学力格差をなくす (ただしこれと「2,将来国を担う学力の高い人材を育てることを重視する」とは両立する。) なぜそう思うのか、ご自身の体験などをふまえ、詳しくお聞かせください。 フィンランドの教育がもっぱら「底上げ」に力を入れていることは前述したが、フィンランドの世界一の携帯メーカーであるノキアについて『週刊東洋経済』(1月12日号)には次のような記述があった。 「日本の端末メーカーが攻めあぐねた新興市場を寡占し、力強く成長するノキア。(…)いまや、世界指折りのグローバル企業だ。海外売り上げ比率は実に99%あまり。自国市場への依存度はゼロに近づく。 だが、ひとたび組織に目を向けると、ノキアは驚くほど“内向き”だ。そう従業員数52488人のうち、3割弱が今でもフィンランドで働く。国別従業員数では最多だ。自国内にはヘルシンキ郊外本社などに加え、工場も工業都市サロなどに4箇所ある。(…) 高福祉のフィンランドでは労務コストが高い。給与や福利厚生費など製造業における労務コストを国際比較すると、フィンランドは米国の1.3倍。日本はほぼ米国並みだから、フィンランドの高さがわかる。 市場は圧倒的に海外にあり、コスト面でも国内は不利というのに、なぜノキアは母国にこだわるのか。その答えを、ノキア本社広報は「母国にはR&Dの素地がある」と言う。フィンランドではノキア社員の6割弱がR&D(研究開発)に従事しており、工場の製品も欧州向けの多機能端末などハイエンド機主が主だ。」 以上は一例だが、「学力の底上げ」に力を入れる教育体制と、先端での技術者の育成が両立可能だ、と言うことは注目するべきであろう。 ただ、社会保障制度の充実しているフィンランドは「家庭教育の基盤」も日本よりしっかりしていると思われる。「学力」の問題を窓口にしながら、社会全体の問題・課題を総合的に考えていくことが求められているのではないだろうか。 コメントを下さったかたがたへ ていねいなコメント、ありがとうございます。 遅くなりましたが、「回答」させていただきました。 (教育問題の特集も含めてHP“しょう”のページにまとめていますのでよろしければ…) ↑ ランキング(日本ブログ村)はこちらです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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