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shchan_3

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shchan_3@ Re[3]:教育評価と特別支援 「基礎知識+実践」を学ぶ(04/15) 渡辺敦司さんへ >こういう校内論議こそ…
渡辺敦司@ Re[2]:教育評価と特別支援 「基礎知識+実践」を学ぶ(04/15) >「探究し考察することで対象への関心を…
渡辺敦司@ Re:教育評価と特別支援 「基礎知識+実践」を学ぶ(04/15) >おっしゃる通りだと思います。そのよう…
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2009.04.18
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家本氏がある中学校に転勤して新一年生を担任したときにびっくりした言葉、それは「3年生を見習ってはいけない」という言葉だったのだそうです。

 「たしかに、3年生はほめられた存在ではなかった。校則違反は日常茶飯事、全校朝礼にも半分くらいの生徒が遅刻してくる私語も多い。(…)授業中も、教室から出たり入ったり、注意した教師に暴力をふるうなど3年生の状態はひどかった」。(『家本芳郎のしなやか生活指導』83頁)

 ところが、3年生の悪い影響が2年生に伝染し、1年生に伝染していきます。教職員も手をこまねいていたわけではなく、色々な対策を立てて取り組んだということですがなかなかうまくいきません・・・。

 「なぜ、教育すればするほど悪くなるのだろうか。そう嘆いていた矢先に、一年生の中からさまざまな問題行動・非行(集団的な喫煙、性的非行、万引き、暴力、カンニング事件)が次々に発生した。1年生の教師集団は呆然として言葉を失った」。(84頁)

 このような現状を受けて家本氏は1年生の学年会で次のような問題提起をします

1、問題の発生を押さえるために管理し説教するだけでは防げない。
2、上級生の影響力は教師集団の指導力を上回る。その影響力を防ぎきれるものではない。(・・・) 
 この「影響力」は、現在のところ、「悪い影響力、否定的な影響力」として発揮されている。それを「よい影響力、肯定的な影響力=教育力」にかえることはできないだろうか。もし、そのことに成功すれば学校は一変するに違いない(・・・)。

 もし、上級生のリーダーシップを引き出すことに成功すれば、「上級生を見習いなさい」と言えるようになる。(・・・)こんな情景の創出は難しいができないことではない。だが、教職員は目の前の事件に忙殺されていた。 (86頁)

 どうしたらいいのだろうか。(・・・)上級生をして、指導せざるを得ない位置におくことである。その教育的装置として考えたのが縦割り群である。次年度、生徒会が全校の基礎集団として縦割り群を編成することにした3年1組、2年1組、1年1組を1組姉妹兄弟学級群とし、上級生学級は下級生学級を指導する役として位置づけたのである。(89頁)

 さて、一般的に縦割り群の活動は1、異年齢と交わりあう能力を磨く、2、年上から学び年下へと伝えていく生活文化を育てていく、といったことを目的に行われるようです。
 それに加えて(それ以上に)ここで家本氏の強調した目的は「全校の指導勢力をつくること」でした。上級生を指導する勢力に育てるという方針です。一体どのように具体化したのでしょうか

 「上級生が下級生に自信を持って指導できることは何だろうか。集会・校則・掃除・授業はだめ。しかし、スポーツならできる。そこで、生徒会の全校スポーツ大会を縦割り群の対抗戦として開くことにした。(・・・)試合は1年生の女子からはじめた。試合に先立つ練習には、縦割り学級の2年生の女子がコーチした。例えば、2年生がチームをつくって練習試合をしてくれた。男子もおなじように縦割り2年生の男子がコーチした」。

 「次に2年生の試合。その練習は、今度は、縦割りの3年生がコーチした2年生の試合が終わって4つの順位(男・女×縦割り2学年それぞれの順位)が合計された。点数の少ないところほど上位である」。(89頁)

 「最後が3年生。この勝負で優勝が決まる。縦割りの下級生も大勢詰めかけて応援。3年生も必死である。(・・・)こうして3年生男女別の試合が終わり、順位を合計して優勝を決めた。(・・・)勝敗はともかく、やさしくていねいに指導してくれた上級生学級がある

 まとめの全校集会では下級生が次々に立って「上級生、ありがとう」と謝辞を述べた上級生は、自分たちが下級生から感謝される存在であることをはじめて知った

 この活動によって、上級生のリーダーシップは覚醒し、指導学年として位置づいていった。その後、縦割り活動は、このスポーツ大会から合唱活動、やがて、委員会・学級・学習活動へと発展していった。(90頁)


 このようにして見事に「荒れた学校」は生まれ変わります。この事例で学校再生を実現した「学校の力」が、教職員集団の力プラス生徒集団の力であったことは明らかでしょう。しかし、このような縦割り群の実践は比較的身近で事例も多いとはいえ、家本氏の報告したようにうまくいくものでしょうか。

 実際、家本氏が提案した「縦割り群」に対して、「そんなことをすればあっというまに全校が荒れるぞ」という声も出たのだそうです。また、(別の学校の教員が)まねをして縦割り群を提案したがあっさりと否決された、という声も家本氏に届いたとのことでした。

 「かえって現状をより困難にするのではないか」といった不安の声もある中で、合意を積み上げながら改革の歩みを進めていく「学校づくり」、「教職員集団づくり」成立したポイントはどこにあったのでしょうか。次回はそこのところを紹介します。

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Last updated  2019.03.30 13:48:50
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