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2010.10.09
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カテゴリ:民主的な力

 支持獲得-政策による競合
   オルタ「北欧神話?」  「社会」のための政治-討議民主主義の実践-より(続き)

 スウェーデンでは(・・・)社会保険の一つとして「育児休暇保険制度」が早い時期から導入されてきた。74年からは世界で初めて、父親でも育児休暇を取得できるようになった。育児休暇は現在では480日(16ケ月)に延長され、そのうち2ケ月分は父親でなければ活用できない。その結果、近年では育児休暇を取る父親の割合が次第に上昇してはいるものの、取得日数で見ると父親の割合はまだ20パーセントに過ぎない(05年)。

 この間題は、中央統計局や各種行政機関、労働組合などが報告書の中で指摘し、03年ごろから大きな政治問題となっていた。そして、この問題をメディアに突きつけられた各政党は競うように独自の提案をしたのである

〔内容のまとめ:引用者〕
・左翼党・・・育児休暇を父親と母親で完全に二分割し、夫婦間で融通できないようにすべきだと提案
・環境党・・・二分割では現行制度からの変化が急激過ぎるとして三分割案を提案した。(16ケ月の三分の一ずつは母親と父親のそれぞれに固定し、残る三分の一の配分は夫婦が自分たちで決められるようにする)。
 
※経済的な側面の指摘・・・育児休暇中は給料の80パーセントが国から支給されるが、月額約33万円までという上限つき⇒平均的には男性の所得が高いため、夫婦間で合理的な計算をすれば、低所得の母親が育児休暇を取る方が損失が少ない。夫婦間の偏りはこれが原因だ。

・社会民主党・・・父親が育児休暇を取っても給料の80パーセントに相当する給付がなるべく受けられるよう、給付額の上限引上げを提案。
・自由党と中央党・・・夫婦のうち給料が高い方(多くの場合、男性)が育児休暇を取得した場合、所得税の課税に際してもう一方の親の所得から約4万円を控除することで、父親が育児休暇を取得するデメリットを軽減すると提案。

・穏健党・・・国が個人の生活に政策介入するという考えに否定的。当初は育児休暇保険の給付期間を短縮し、給付額も減額することを主張していたが、メディアや国会を舞台に激しい討論が展開されていくなかで世論の支持獲得が難しいと判断し、撤回。

〔本文 続き〕
 このように問題を解決するための多彩なアイデアが国民の前に提示され、それがディベートを通じて切磋琢磨されるなかで、一部のアイデアは淘汰されていく一方、「実験的」な政策提案でも具体化して実際に実行される可能性が生まれてくるのである

 スウェーデンの政策論争や選挙戦は具体性があるため、見ていて非常に面白い。各党が選挙前に発表するマニフェストには、医療、高齢者福祉、育児、学校教育、治安、雇用、税制、移民・社会統合、環境といった細かい分野で、それぞれどんな政策を掲げているかが、詳細に書かれている。そのため、有権者は自分がどんな政策に票を投じているかが明確に分かる。(・・・)

 過去10年間を振り返った調査によると、政権党の公約の7割から8割が実行されてきたという。
 日本でもマニフェスト選挙という要素が若干は入ってきたとはいえ、抽象的な公約しか掲げられないことが多く、また候補者個人の人柄ばかりに焦点が集まりがちである。現在の政治報道を見ていても、政治とは人間同士の権力争いなのだという印象がもっぱら伝わってくる。

 他方で、後期高齢者医療保険制度や裁判員制度、労働法制の規制緩和といった物議を醸す政策がいつの間にか導入されることが決まり、その途端に国民は目覚めたかのように政府批判を行うことがよくある。スウェーデンであれば、まず選挙の争点となったり、他にどのような政策的選択肢があるかがメディアを舞台に十分に議論された上で導入されていたことだろう

 最後になるが、スウェーデンの選挙制度が中選挙区の比例代表制度であることを挙げておかなければならない。有権者は政党に投票し、各政党には得票率に応じて議席が配分され、比例代表名簿の上から順に当選者が決まっていくという制度である。(・・・)

 政治とは有権者との緊張関係の下で、社会を望ましい方向へ導いていくことであるはずだ日本では「政治主導」という言葉が今日盛んに聞かれるが政治がリーダーシップを発揮するためには、政治家が明確なビジョンを持つよう私たち有権者が要求しなければならないだろう。ここで紹介したスウェーデンの事例がそのためのヒントになればと思う。

〔コメント〕
 「各種行政機関、労働組合などによる指摘」を出発点に各政党が競うように提案をまとめ、公の論議が行われるというのが非常に興味深いところです。

 「政治がリーダーシップを発揮するためには、政治家が明確なビジョンを持つよう私たち有権者が要求しなければならない」という佐藤氏の主張はまことにもっともだと思われます。そのような「民主的な力」を有権者が獲得していくために行われている教育や実践については、Mr. Hot Cakeさんがいいサイト〔『スウェーデンの政治 ~デモクラシーの実験室~』(岡沢・奥島編、早稲田大学出版部)の要約〕を紹介してくださいましたので、ぜひご一読ください。
 

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Last updated  2019.03.30 18:43:15
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