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テーマ:DVD映画鑑賞(13600)
カテゴリ:~2006年 映画・ドラマ
キンゼイさんは学者です。
☆愛についてのキンゼイ・リポート☆(2004) ビル・コンドン監督 リーアム・ニーソン・・・・・・・・・・・・・・アルフレッド・キンゼイ ローラ・リニー・・・・・・・・・・・・・・・・クララ・マクミレン クリス・オドネル・・・・・・・・・・・・・・・ワーデル ピーター・サースガード・・・・・・・・・・・・クライド ティモシー・ハットン・・・・・・・・・・・・・ポール ジョン・リスゴー・・・・・・・・・・・・・・・アルフレッド・シークイン・キンゼイ ストーリー 今から約50年前、性について語ることはタブーだったアメリカ。大学で動物学を教えるキンゼイ博士(リーアム・ニーソン)は、恋人との結婚や学生からの要望をきっかけに、人間の性の研究に着手。そのレポートを出版し、全米に一大センセーションを巻き起こす。一躍有名になるも、その衝撃的な内容から激しいバッシングにより事態が暗転するのだった・・・。 ~~~~~~~~~~~~ 自伝でもあるわけで、こういう人物がいたのだという興味をひく題材だと思う。 少年時代から大人になってからも、彼と父との関係は厳しいものだ。 父にとって「生物学」などというものに興味を示す息子は全く受け入れる事ができない。 大人になって、大学でキンゼイはクマバチに関する第一人者になっていた。 この父と息子の対面する場面は、チリチリするような冷たい言葉のやり取りだ。 頑固者の親子なんだよね。 ところが、キンゼイの家庭があまりにもオープンな事に反感を持つ息子が「父は変人だ」と言うと、キンゼイはかつて自分をしかった父のようにしかるんだ。 こういう父と息子の関係も見せてくれている。 しかし、キンゼイは小さい頃から、とにかくとことんのめりこむ研究者だったんだね。 それが大人になってからこの性に関する調査を始めても、発揮されるのだ。 学者としての旺盛な探究心。 キンゼイの場合純粋に「性行動」を突き止めたいと思うのだろうが、そこには必ず「心」の問題が絡んでくる。 性に関する研究に着手するきっかけは、やっぱり自分が結婚した事。 そして、当時大学で開かれていた性に関する講座が、性病の防止を目的とする衛生学だったから。 キンゼイが結婚講座を担当する事になリ、かなり具体的な授業を行う。 しかし、皆が不安に思っていることに対して、はっきりした答えを与える事ができない。 私の興味は正常か? 私の行動は正常か? そんなわけで、キンゼイは調査をすることを思いついたのだ。 生物学と統計学なのかな? この研究は、家庭生活にも影響を及ぼす。 妻のクララが「性行動のみを追いかけ、そのため心の存在を忘れてしまった」というのだけど、そこがね~~、私もこれは学者の性(さが)なのかなどと思ったり、単なる好奇心かと思ったり、なんとも難しい所だと思うのだ。 とはいえ、妻のクララまでキンゼイの下で働く調査員の若者とベッドをともにするのは、これは研究の一端なのか・・・ もちろん、キンゼイはこうした妻の浮気(研究?)を許可するわけだが。 学者魂というのか、自らも体験しないとわからないという感じで、キンゼイ始め彼の元で働く調査員の若者達(殆どが学生から選ばれたみたいだし)がフリーセックスになっていく。 キンゼイのこの突き止めたい研究心というのが、調査する若者達総てに同じような気持ちで調査できていたのかな?などと思うのだ。 若者達は特に歯止めがきかないという感じ。 性は人生を左右する危険なゲームだ。 若者達はおおらかに愛を交し合う、だがそれはいつしか「恋」の泥沼に。 その若者の一人が「僕らは欲望に勝てるくらい強くない」というような事を言っていた。 そうなのだ、この研究の難しい所はきっとそんなところだったのだろう。 しかし、実際にいろんな人に聞き取り調査を行い本が出版される。 男性版は、世間で大評判。 ただ、大学はじめこの調査に出資していた財団は、いい顔をしなくなっていく。 「性の賛同者」と見られることは確かに困るのだろう。 女性版は、完全に世間からもたたかれてしまう。 キンゼイは「性への抑圧を強めてしまった」と泣くのだが。 しかし、ラスト近くでレズビアンの女性が、感謝の言葉をキンゼイに送っている。 一人で悩んでいた彼女にとって、このレポートは救いになったことは確かなのだ。 誰もが知りたい他人の秘密。 それをオープンに行動学、生物学としてとらえたのがキンゼイだったと思う。 様々な迷信的な事やおかしな事をいわれていた時代から解放していったのも、彼のこの調査のおかげである。 しかし「我々は愛については無知である」事はいまだ変わらないかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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