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カテゴリ:読書
今あちこち見ていましたら「楽園」上下(宮部みゆき)が8月に出版されるのですね。
「模倣犯」の続編だそうです。 もう一度「模倣犯」読み返しておかなくては^^) 今から楽しみです♪ さて、本題。 久しぶりに短時間で読み終えた小説です。 誰もがため息をつくような美貌。しかも仕事は常にトップのセールスウーマン。 恋人もエリート医師。 営業部の花と呼ばれる君島紗和子。 その彼女にあこがれるアシスタントの真澄は彼女を観察するようになる。 するとその秘密主義、完ぺき主義は、常軌を逸しているように見えた。 転職、転居を繰り返す紗和子の素顔に隠されたものとは?? ~~~~~~~~~~~~~~~~ 顔もいい性格もいい、仕事もできるしそれゆえお金もあるし、さらに私生活でも素敵な恋人がいる、そんな紗和子にあこがれる真澄。 紗和子と比べても自分が取るに足らない人間だと思ってしまう。 常に風景の一部のような自分、それだからこそ自分と180度違う紗和子に惹かれてしまう。 でもこんな完璧な人間が本当にいるのだろうか? 常になんとなく紗和子に目が行く真澄は、紗和子の表情にふとかげりが出ることがあることに気がつく。 なんだろう?どうしたのだろうか? そんなことから、真澄は友人の由貴と一緒に紗和子の日常を探るようになるのだ。 憧れから出た興味と不審感かな~。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 紗和子自身のモノローグ部分で、彼女の裏の顔はわかってしまうのだが、彼女の抱える秘密のその元はラスト近くまでわからない。 完璧な人間になろうとする紗和子も異常といえば異常だが、その彼女を執拗に観察し見つめる二人の女性真澄と由貴もある種の異常なのだ。 しかし、こんな完璧な人間がいたら私もやっぱり興味津々になるとおもうな^^) 自分の生活が生彩もなく365日毎日何も変化もなく、つまらない自分でつまらない毎日。 この先も何も変化もなく一生終わっちゃうんじゃないかと思ったらね。 だから、まるで違う人間になってみたいと思うことがあるし、あこがれるんだよね。 女の子の「ごっこ遊び」みたいなもんかな~。 自分を駒にしたゲーム。 リセット。 自己愛。 ゲームと現実を題材にした小説も多いと思うが、そこにピカレスク・ロマンも入っているって感じかな。 紗和子の孤独って、真澄や由貴の抱えるコンプレックスとも共通するところがあるのではないだろうか。 深くて孤独な暗闇だ。 ただ、紗和子は自らその暗闇に足を踏み入れた ラストのほうで、暗闇に足を踏み入れるところまで行かないけれども、真澄や由貴が自分を解放しようとし始めるのはわかる気もする。 なかなか面白い小説でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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