ルース・ベネディクト著/長谷川松治訳
『菊と刀』(CHRYSANTHEMUM AND THE SWORD: PATTERNS OF JAPANESE CULTURE by Ruth Fulton Benedict)を読んだ。
この本は、一度高校生くらいの時に手にとって読んだことがあったのだけれど、先日、最近流行りの
『国家の品格』を読んで、なんとなく読み返したくなったもの。日本人論といえば、やっぱりこの『菊と刀』でしょう。。。
以下、雑感を。
・ありふれた感想だけれど、著者(太平洋戦争中、米国戦時情報局による敵国:日本研究に従事した文化人類学者)は一度も日本を訪れたことがないということに驚く。ものすごい分析力!
・日本人は、“自由・平等”ではなく、階層制度を認め、その中で“ふさわしい所にいる”ということに信頼を寄せている、という指摘に対し、今でもそういうことがあるかもしれないなぁと思った。日本語が誇る(?)敬語は、思いっきり“階層”になじむものだし。
・著者は、“恩”をとても重要な、日本特有のものと述べているのだけれど、“恩と恩返し”を、米国でいう“借金と借金の返済”にたとえているところがとても興味深い(“恩”を受けたら“利子”をつけて、それ以上のものを返さなければならない義務だ、というところから)。
・『子どもは学ぶ』という章で、“親は、子どもが言うことを聞かないと、「そんな悪い子はよそにやってしまう」と子どもをからかう(叱る材料にする)”とか、“乳離れしない子に、「お兄ちゃんはおっぱいなんか欲しがらないものよ」と言って早く大きくなるよう催促する”ということが書かれているのだけれど、こういう子どもの扱いかたって、日本人ではない人から見たら特異(特徴的)なことなんだ・・・。
私の両親(特に父)は、そういう意味では典型的な日本の親だった。私、「よそにやる」「もう赤ちゃんじゃないんだからそんな悪さしないの!」って、よく怒られたもの。。。
<2006年本を読もうキャンペーン 本日現在の保有ポイント = 10ポイント>
今年2月にこの“2006年本を読もうキャンペーン”を開始して以来、
初めての10ポイント到達
実際に読んだ本は30冊近いのに・・・マイナスポイントが多すぎってことね f(^_^;)