先日訪れた『海のエジプト展』に続き、上野の東京美術館で開催されている
『トリノ・エジプト展』へ。
この企画があるまで、トリノ・エジプト博物館の存在すら知らなかったのだけれど、ここは19世紀のナポレオンのエジプト遠征に従軍したベルナルディーノ・ドロヴェッティの収集品を中心に創設され、エジプト・コレクションにおいてはロンドンの大英博物館やパリのルーヴル美術館にも比肩するという博物館。
ヒエログリフを解読したシャンポリオン(解読成功を発表したのは1822年)が、
「メンフィスとテーベへの道は、トリノを通過している」という言葉を残しているほど、古代エジプト研究には重要な品々が収められているとのこと。
入場料は当日券で1500円。『海のエジプト展』でリーフレットについていた割引券を使うと、200円オフになる。音声ガイドは500円。
コレクションは5つのテーマに分かれて展示されている。
第1章は“トリノ・エジプト博物館”がテーマ。
ここはヒエログリフや彫像の習作、ステラ(石碑)、職人が使っていた木槌・のみ、体毛を処理するために使ったピンセット、コホルと呼ばれたアイシャドーの容器、書記官がヒエログリフを書くのに使ったパレットなど、人々の生活が垣間見れる。ただ、展示品に一貫性はあまりなく、他の4章に入らなかったものがここに展示された、という感じ。
第2章は、“彫像ギャラリー”。
アメン神とツタンカーメン王の像では、神が大きく、ツタンカーメン王が小さく作られていたのが印象的。
大きな牡羊の頭もインパクトがあったなぁ・・・
第3章は、“祈りの軌跡”というテーマ。
神に捧げるステラが多く展示されていて、中には色彩が褪せることなく美しい色のものもあった。
エジプトの民は、人間の能力を超えた動物などを神格化したため、ハヤブサ(太陽神のホルス神)の像、トキ(書記と学芸の神トト神)の小像、ジャッカル(死者を守るアヌビス神)の小像があり、木でできているのに保存状態が良いことにビックリ
『海のエジプト展』では、さすがに木のものはなかったし。
それから、パピルスでできた
“死者の書”もこれまた保存状態がよく、ヒエログリフも絵もはっきり見えた。
第4章は、“死者の旅立ち”がテーマ。
人型の棺がいろいろ展示されていた。特に、木でできた
“メレルの色彩木棺”は色がきれいで、とても4000年近く前のものとは思えなかった。
ミイラ作りの際、臓器(胃、肺、肝臓、腸)を入れておく4つの
“ウアフイブラーのカノ容器”や、日本でいう埴輪のように死者のお世話をするという人形“シャブティ”とそのケース、猫の棺など、ここの展示が一番面白かった。
最後の第5章は、“再生への扉”がテーマ。
子どものミイラ、棺とその棺に入っていたミイラが展示されていた。
ミイラに巻きつけた亜麻布の決まった位置に護符を飾る習慣があり、例えば臓器を取り出すために切った左のわき腹には、ホルス神の目“ウジャト”が飾られるという。
“ウジャト”は『海のエジプト展』にもアクセサリーが展示されていたっけ。
パンフレットに載っていた、
“ロータス文様のファイアンス製容器”(↑)は、深い水色をしていて美しかった。ロータス(蓮)は、再生の象徴だったとのこと。
以上でひととおり終了。
ちょっと気分が悪かったので、ミュージアムショップは素通り。なにか面白いものあったのかな?キティちゃんグッズもガチャガチャも見なかったけど・・・