日中のワークアウトは、どうやら私には向いていないらしい。
ジムでのオーバーワークで体中の筋肉をかなり硬直させていた。
上がらない肩を振るってシャワーを浴び仕事に向かう。
来週の手術の説明を患者家族にしにいかなければならない。。。
今日は日曜なんだが。。。
身体と頭をたっぷりと疲労させた数時間後、
今度はものすごい空腹感が襲ってきた。。。。
こういう日の夜はガッツリと行きたい。
さてと、今夜は独身だ。。。どこに行こうか。。。こんな時間が至福を感じさせる。。
思いを巡らせ愛車に滑り込む。
小雨の降る中、行き先は決めてはいないが自然と南へ向かっていた。
ウエットとドライ路面が混在するハイスピードドライブには、
愛車のアウディーが実に頼りになる。
鈍く光る路面を滑るように走るが、決してタイヤは滑らない。。。
着いたのは天王寺。。。JRと地下鉄のハブステーションの街。。。
関西以外の人には意外と思われるかもしれないが、
大阪市内にも路面電車が走っているのである。
しかも都会の真ん中で。。。
路面電車もどっこい生きている。。天王寺。
休日賑わう商店街から一歩入った路地の奥にひっそりとその店はある。
～グリルマルヨシ～
芸の無いグルメライターがよく使う「隠れ家的な。。。」どころの立地ではない。
本当に隠れてしまっているのである。
ここは６０年前の終戦直後の焼け野原の時代から、
ずっと変わらぬ場所で営業しているのである。
戦後周囲の開発が進んで、結果ここは路地裏というロケーションになってしまったのだ。。。
店に入りすべすべの美しい白木のカウンターに腰を下ろす。
一応メニューに目は通すが、最初から注文するものは決めてきた。
「ポークチャップとベーコンライス。。。」
待つことしばし。。。が、食べる前からこのお店の素晴らしさは確認できる。
マガジンラックにはスポーツ新聞と雑誌。。。素晴らしいまでのお一人様への気遣い。
素敵だ！。。。さすがは天王寺。。。
そして。。。ポークチャップ
素敵だ。完璧に素敵だ。。。
たたずまいからして美しい。そして柔らかでジューシーな豚さんのお肉。
石炭ストーブコンロでじっくりと仕上げたデミグラスソースとの相性がとてつもなく素晴らしい。
付け合せのサラダまでいとおしい。
ほどなくすると。。。ベーコンライス
洋食屋に入るとデフォルトに「ハヤシライス！」と元気に注文する御仁もおられるが、
ここは一つ、デミグラスソースがご飯に控えめにかかった一品を頼むのが「通」であると
自己満足に浸ってみよう。
この「ベーコンライス」のバター、チーズ、それにベーコンの油の香りとデミグラスソースの
見事なコンビネーションは、もはやサッカーのブラジリアンカルテット級である。
素敵だ。。。これ以外の言葉が見つからない。。。
ポークチャップの付け合せの野菜もポイントが高い。
これにはちゃんとした理由がある。
店では氷柱の冷蔵庫を使っていて野菜の湿度管理にも細心の注意を払っているのである。
そして狭いながらにも厨房にはシェフを含め３人のコックが常時仕事をしている。
ちゃんと人を配置して目を行き届かせているのである。
ゆるいようで隙が無い。。。プロの仕事とはかくあるべき。。。
石炭ストーブコンロの熱で長時間煮込んでできるデミグラスソース。
その力強くしなやかな石炭の熱は鍋を決して焦げつかさず、
出来上がったソースはまろやかで芳醇な味わいとコクが出る。
ここのデミグラスソースの味にはまったく無理が無い。。
どんな黄金率レシピも「経つ時間のなせる業」にはかなわない。
素敵だ。完璧に理にかなっている。。。。
こんな素晴らしい料理を平らげられて、おなかもかなり満腹。
他には変えがたい満足感をたった２４００円で味わえるなんて。。。
やはり素敵だ！（４回目）
グリルマルヨシ 創業６０周年。
若輩な私などここに通い始めてまだ十余年。。。
これからも長い付き合いになりそうだ。。。。
グリルマルヨシ
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-72
06-6649-3566
11:00～14:00、16:00～20:30
定休日 火曜(祝日の場合は翌日休)
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