■統計リテラシーと読解リテラシーの無い国民による民主主義国家とはおれのことだ■
弁天娘女男白浪じゃありませんが、
知らざあ言って聞かせやしょう
と始めたくもなります。
この国の狂想曲についてです。
■肺炎は死因の第四位
2016年の肺炎での死亡者は、男性65,636人、女性53,664人。
わが国の死因の第四位です。
聖隷浜松病院のデータがネット上に転がっていました。
2014年の「肺炎入院患者の死亡率」は、8.9%です。
入院した方のうち(若年者も含まれます)、1割弱はお亡くなりになっています。
中国での新型コロナで肺炎に罹った80歳以上の致死率が20%超だという報道がありますが、初動において医療リソースが不足したことや、日本の医療との差を勘案すれば、「普通の肺炎」と今回の肺炎がそれほど大きな違いを持っているとは思えません。
まず、新型コロナに罹る人(発症者)がいる。
そのうえで肺炎を発症する人がいる。
そして、そのうち80歳以上だと20%くらい亡くなった。(武漢では。)
こういうことなわけですが、数字が読めない人は、新型コロナに罹患した80歳以上の2割が亡くなると思ってしまう。
(こういう誤解させるような書き方をするのは、朝日と産経です。)
わが国では毎年80歳以上の1.12%が肺炎で亡くなっています。
毎年、80歳以上では1日あたり200人の方が治療に入っているということです。
肺炎はこれだけ身近です。
新型コロナは危険では無いと言うつもりはありませんが、何人目の感染者が出た、などという報道を見ると、この国の報道記者の矜恃のなさ(あるいは頭の悪さ?)を思わざるを得ません。
■ライブハウスやスポーツジムって
ライブハウスで感染が広がったと。
スポーツジムで感染が広がったと。
はあ。
東京の朝夕は、満員電車が走っています。
声を出さなきゃ感染しない?
インフルエンザよりもずっと感染力は低い?
換気をすれば大丈夫?
どういう信仰心でしょう。
山をも動かす信仰心とはこのことでしょう。
感染経路がわかった(っぽい)ものしか詳しく報道しないので、読者や視聴者に誤解を与えるわけです。
そしてそのうちリテラシーの低い人々が、そいつらを隔離しろ、みたいなことを言うわけです。
■混乱を与える政府とWHO事務局長
さわやかなアベシンゾウくんが混乱を助長しているのは論を俟ちません。前回書きました。
彼が何かやるたびに、市中からトイレットペーパーが消えたりします。
不安を煽るのがオハコの政治家ですから、今回も得意技炸裂だったわけです。
しかし、国民は、飛んで来なさそうな北朝鮮のミサイルについての不安煽りには余裕を持って受け止めていましたが、マスクやトイレットペーパーが手に入らないとなると、この不安煽りをあまり気に入らなかったようです。笑えます。
もう一人困った人が、WHO事務局長テドロスさんです。
この人はアフリカ初の国際機関事務局長ということで、発展途上国では人気があります。
そして、この人の発言も、インフラが整っていない国に対してのメッセージとしては、理解できなくもないところはあります。
しかし、どう考えても、言っていることが一貫していないし、祖国エチオピアへの中国マネーを期待した言動をするしで、混乱を増長させたことは間違いありません。
ただ、わが国として気をつけなければならないのは、テドロスさんは困った人ですが、WHOの報告自体は役立つということです。
ここで、WHO全体を否定する人は、完全なる大衆マインドです。
やはり、素人の安直な発想よりも、専門家の報告は役に立ちます。(WHOは感染症についてのデータは持っています。政策をアドバイスするような能力は持っていないということです。)
■WHOの武漢報告
WHOの武漢についての聞き取り調査報告は役立ちます。
19歳未満の罹患率はわずか2.4%です。
そして重篤化はほとんどない。
それだけでなく、「驚くべきことに、子どもから大人にウイルスが伝染したという話は誰からも聞かなかった」と報告されています。
もちろんサンプル調査ですが、統計は役立ちます。
子どもはほとんど罹らない。
(もちろん探せば見つかりますが、割合を考えられない人は、政策議論に加わってはいけません。)
専門家はもちろん知っている情報です。
さわやかなアベシンゾウくんは、もちろんこんな情報は知らないままに、学校に一斉休校要請を出しました。
彼は「教育を受ける権利」という国民の憲法上の権利を軽んじている政治家です。
このことの恐ろしさは、政治学的素養が無いとわからないかもしれませんが、政治が間違った歴史によって鍛え上げられてきたのが立憲主義(すなわち憲法)ですから、これがわからない政治家というのは、歴史的な暴政をする重要な条件の一つを持っていることを意味します。
(そして、素養のある国民は、このような政治家をトップに据えようとはしません。)
とにかく、エビデンスの無い施策で、簡単に国民の権利を奪ったわけです。
■もう、一巡してる
もう東京じゃ、免疫獲得してる人たちがたくさんいると考えるのが統計リテラシーというものではないかと思います。
そして、当然のことながら、無症状キャリアもたくさんいる。
毎日電車に乗っている。
東京都の発表では、最近の感染者の多くは、海外渡航歴が無い方々になってきています。
そして、40代だと症状も無い。
(おそらく、発症者の「濃厚接触者」として検査を受けた方でしょう。)
免疫獲得しちゃってる人もいる一方で、罹りたくないと怯えてる人もいる。
こういう状況です。なかなかコミカルです。
■PCR検査の脆弱さ
検査、検査と騒ぐ人たちがいて驚いたのですが、彼らは検査してどうするつもりだったのでしょうか。
陽性と出たらどうするつもりだったのでしょう。
陰性と出たらどうするつもりだったのでしょう。
陰性なら安心する、とか言うのでしょうか。
そのために、国に2万円弱の費用を払わせようというのでしょうか。
さらに残念な事実があります。
PCR検査の精度はかなり低いというのが、専門家の見解です。
偽陰性は3割以上に上るとされています。
つまり、罹患者の10人に3人は間違って陰性と出るのです。
偽陽性も1割くらいと言われています。
つまり、罹っていないのに、10人に1人は罹っていることにされてしまう。
厚労省はこれをわかっているから、無闇に検査しせたくないのです。
だって、陽性なのに間違って陰性と出た人たちが、大腕を振ってウイルスを撒き散らすようになりますからね。
まあしかし、検査したい人って、本当に何を求めてるんでしょう。
これってもはや心理分析の領域だと思います。
なにか世の中に不満がある人たちなんじゃないかと思えてなりません。
■早くに回せ
ワクチン開発に期待する人たちがいます。
まあ、期待してもいい。
でも、そんなもんですかね、これ。
風邪のワクチン作りが難しいことはひとまず措いても、それほどのものかということは、先ほどの統計で見た通りです。
ふつうにみんなで罹患して、免疫を獲得する方が早いと思いませんかね。
生物としてのヒトの免疫システムはなかなかだと思います。
老人には大変なんだと言う人がいるのは知ってますし、そのことは否定しませんが、ヒトの致死率って100%ですよ。
いつかは死ぬんです。
80超えるまで生きて、自分の人生に満足できてなくて、死ぬ覚悟ができていない人は、いくつになっても満足いく死に方はできないんじゃないですかね。(まあ、これは完全に個人的思想ですから、押し付けるつもりはありませんが。)
■経済危機の怖さ
怖いのはパンデミックよりもインフォデミックだという議論を見ました。
今回の件については大きく首肯します。
ドラッグストアの店員が、怖いのはコロナより人だった、という笑えない記事を見ました。
マスク一枚買えないことで不安になる。
もはや、マスクは現代のお札やお守りなのでしょう。
時代は進んでも、人の不安の本質は変わらないようです。
スペイン風邪の時は、神頼みに走って、電車でぎゅうぎゅう詰めになって、風邪に効くという神社へみんなで参拝したと。
そして、風邪が拡散したと。
これは喜劇ですか。
目先の緊急事態で動く人は成功しない、というのは、成功哲学の格律のようなものでした。
成功者は長い目で見て、「緊急でないが重要なこと」に目を向ける。
成功しない者たちは、「緊急なこと」に行動を支配される。
こんな風邪のことが重要ですか。
経済の方がずっと重要でしょう。
観光業、飲食業、スクール業と、国の余力を示す指標となる業態を殺しにかかった政策が行われています。
さらに、近年この分野に貸し出しているのがもちろん銀行です。
銀行が一つでも倒れたら、この国どうなると思いますか。
今回のウィルスで騒ぐ人たちは、経済の怖さをわかってなさすぎだと思います。
まあ、統計リテラシーや、ちょっとした読解リテラシーや、大切なものを大切にする力があるかないかが、生の質を決めるとは思いますが、動物的反射行動しかとらない大衆はいるわけで、そこにこそ、政治家の存在理由があると思うのですが、蓋を開けてみたら、危機ばかり言う癖に、危機対応は悪夢の民主党政権以下というリーダーを抱えた国に生きている弁天小僧菊之助たぁ、俺がことだ、とこう叫びたくもなるわけです。